天草四郎になった私のテイワット旅行記 作:通りすがりの希望厨
「....ふぅ、こっわ。」
とクーヴァキ実験室からだいぶ距離を取った後私はそう呟く。まさかファデュイ執行官がああも1箇所に集まるとは恐ろしい。敵対していなくて幸いでした。仮に敵対していたのなら私の命はあそこで終わっていたでしょうね。とそう思いながら私はゆっくりと呼吸をしながら歩いていく。現在の時刻は...正確な時間はわかりませんが太陽の角度や光り方からして夕暮れと言ったところでしょうか。となるともしやあの人に会えるかもしれませんね。どっちにしろ夜中に進むのは少し怖いですし一度あそこに寄るとしますか。とそう考えた私は目的地に向けて歩いていくのであった....
—それから十数分後
それから私は近くにあった墓地...夜明かしの墓に来ていた。見渡す限り墓ですね...それとフロストランプでしたか、その花も大量に咲いています。流石にあの人の突破素材なだけあって関係の深い土地に咲いている花なのですね。とそのようなことを考えながら私はその墓地を歩いていく。墓に刻まれた名前に見覚えはありませんね...いえ、もしかしたら情報として送られてきていないだけで何処かにこの場に眠る方々の情報はあるのかもしれませんが...などとそのような事を考えていると、
「おや、この様な夜分に人がいるとは。迷い込んでもしまいましたか?」
と暗闇から声が聞こえて来る。...ここテイワットに来てから何やら私の都合のいい方向にばかり物語が動きますね。ここまで来ると少し嫌な予感を覚えてきますよ。とそう私は考えながら、
「いえ、ここは私の目的地の通り道にありまして。せっかくなので寄る事にしたのです。私の場合職業が職業ですし。」
とそう返しながらその声の主の方を見る。そこには長身で長い紫色の髪と片手に持っているランプが特徴的な...フリンズがいた。本当に出会えるとは...私の運がいいのかそれとも他の要因なのか、後者だとしたら怖いですね...とそのような事を私が考えていると、
「職業...ああ、聖職者の方ですか。と、そうだ。挨拶をしていませんでしたね。僕はキリル・チュードミロヴィッチ・フリンズ、ライトキーパーをしている者です。フリンズとお呼びください。」
とそうフリンズが挨拶をしてきた。その挨拶を聞いた私は、
「初めましてフリンズさん。私はシロウコトミネ、旅する神父です。」
とそう挨拶を返す。フルネームは覚えれそうになさそうですね...いや、覚えようと思えば覚えられるのでしょうが覚える必要もないでしょう。それより...今の時期なら彼はあれを持っているはずです。とそう私は考えていると、
「シロウさんですか。覚えておきますね。しかしここに来てもここには変わった物はありませんよ。せいぜい他のところより霊が多く見られる程度です。」
とそうフリンズが言ってくる。その言葉を聞いた私は一度周りを見渡してみると確かに暗闇の中に何かが彷徨っている様な気配を感じた。なるほど、これが霊ですか。私も区分としては英霊なので同類といえば同類なのでしょうがやはりまったくの別物ですね。などと考えた後、
「確かに霊らしき気配を多く感じますね。こう意識して気配を探ったのは初めてですので少し新鮮です。」
と近くにいた霊を見つめたり触ってみようとしながらそう言う。その返しにフリンズは少し意外そうな表情を浮かべた後、
「シロウさんは亡霊を恐れないのですね。一般の方々は亡霊を怖い物だと言う誤解をしているのであなたのように興味深く亡霊を観察する方は珍しいのですが。」
とそう言ってくる。ああ、確かフリンズの待機ボイスの一つに『何故亡霊を恐れる必要が?』と言う物がありましたね。しかしその口ぶりからして亡霊が一般の方々からどのような印象を持たれているのかはわかっているのですね。などと考えながらも、
「恐れる必要がありませんからね。何か私の方に危害を加えてくるならともかくそのようなこともしてきませんし、何より私の場合は強制的に除霊も出来ますからね。」
とそう返しておく。キリエエレイソンを使えばここにいる亡霊達を除霊するなど容易でしょうからね。まぁやりませんけど。などとそう考えていると、
「除霊...あなたはただの神父ではなさそうですね。」
とそうフリンズは私に興味深そうに観察しながら言ってくる。おや、除霊自体にそこまで悪印象を抱いていないのですね。それとも私が無意味に除霊するような人には見えなかったのでしょうか...まぁどちらでもそう変わりませんね。とそう考えた後、
「私について知りたいのなら質問してくれて構いませんが...実は今寝床を探していましてね。よろしければどこか安全な場所を教えてくれないでしょうか?」
とそうお願いする。するとフリンズは少し考えるような仕草をしたあと頷き、
「分かりました。ここの近くに建物がありますからそこを今夜貸しましょう。僕についてきてください。」
とそう言った後私に背を向けて歩いていく。とりあえず警戒は解けたでしょうか...とそう私は考えながらフリンズについて行くのであった...