天草四郎になった私のテイワット旅行記 作:通りすがりの希望厨
「.....その呪いというのが500年間生きていけた理由ってことですか?」
と私は確認する。予想はしていましたがやはりですか。出来ればタイムスリップとか、その辺りにして欲してあげてほしかったですが起きたことはもうどうにもなりませんね....と私が考えていると、
「はい。今の私の体は不死の呪いがかかっています。だから私は今までも、そしてこれからも老いることも死ぬこともありません。」
とそう答える。ふむ.....そこまでは別に驚く様な事ではないのですが問題は、
「では何故貴方はヒルチャール化の呪いではなく、不死の呪いを受けたのですか?と言う点は解せませんが....それはおそらく私の失われた記憶に繋がっているのでしょうね。」
と言ったところでしょうからここで問いただすことは出来ませんね。とは言え、元の原神の世界のティレルさんは他のカーンルイア人と同じくヒルチャール化をしていた。しかしこの世界線のティレルさんは不死の呪いの方を受けている。考えられる可能性としては....
「可能性としては私が貴方を守った、とかその辺りなのでしょうか....」
と一人呟く。しかしとなればそもそも不死の呪いも受けそうにもありませんが....そこは何かあったのでしょう。そこは置いておくとして、
「まぁその辺はどうでもいいでしょう。貴方が不老不死なのは分かりました。ですが体に痛みが走ったりはしてないのですか?」
と私はそうティレルさんに問う。その問いにティレルさんは、
「いえ。痛みが走ったり悪夢にうなされる様なことはほとんどありません。」
とそう答える。ほう....他の不死の呪いを受けたカーンルイア人は大体苦しんでいる様子が多かった様な気がするのですが....その人たちとは一体何が違うので...いや、なるほど
「.....それも、過去の私が何か細工をしたんですね?」
とそう解釈した私はそうティレルさんに問う。その私の言葉にティレルさんは、
「.....はい。」
とそう答える。なるほど、よほど過去の私は過保護だった様ですね。わざわざそこまで関係値の深くなかったであろうティレルさんにそこまで入れ込むとは。とは言えその気持ちもわかります。なんと言うかティレルさんはほっとけない気持ちになると言うか.....何も対策をしていない状態では一人にしちゃいけない気持ちになります。私が心配性過ぎるだけなのでしょうか....?と私がその様な事を考えていると、
「こうやってシロウさんと話せていること自体が私にとって夢の様な事なんです。」
と突然ティレルさんはその様な事を言ってくる。その言葉に私は、
「....突然、どうしました?」
とそう聞き返す。何を言い出すかと思えば本当にどうしたのでしょうか....と疑問に思っていると、
「.....前は遠くからシロウさんが教えを説いているのを見るかたまに懺悔を聞いてもらったりするくらいしか関わりがありませんでしたから。ですからシロウさんがどう言う理由であれ私と一緒にいてくれるのが嬉しいんです。例えそれが....ただの情報源としてしか見てもらえなかったとしても。」
とそう言う。なるほど、ティレルさんは私が一緒にいる理由はそう言う解釈として認識していたのですか.....誤解は解いた方が良いでしょう。
「それは違うよ。」
と私はそうティレルさんに言う。.....反論するとなって無意識に言ってしまいましたがまぁテイワットではあの作品はないだろうしそこまで気にする事でもないでしょう。そんなことより、
「貴方と共にいる理由はそんな打算的な理由ではありません。私はただ貴方を救いたかった、それだけです。」
と私はそうティレルさんに言う。その言葉にティレルさんは、
「私を....?」
とそう言葉をこぼす。その言葉に私は、
「そうです。信じられないかもしれませんが私は貴方を救うためにナタまで来たのですよ。....まぁ、私が救うまでもなく貴方は元々ヒルチャール化をしていなかったのですが。」
とそう答える。ティレルさんが人のままあそこにいたのは本当にびっくりしたんですよね。だってヒルチャールになっていると思ってたのに普通に人間の状態でいたんですから。まぁ不老不死の呪いを受けているので厳密には普通の状態ではないのですが....と私がそう内心思っていると、
「....どうして私なんかのためにそこまでしてくれるんですか?」
とそうティレルさんが私に聞く。それは単純にゲームのストーリーで貴方が好きになったから....と言うのは転移者としての理由。シロウコトミネとしての理由は、
「....全ての人を救うために私はこの世界に生を受けたと思っています。故にどんな人物であろうと苦しんでいるとなれば手を差し伸べますし、助けてほしいと言うので誰であろうとも助けます。それが....私に定められた運命と、そう私は思うのですよ。」
と言う。元々の私はとても聖人君子とは言えませんが、今の肉体は天草四郎。そのような状況なのであれば私は聖人君子を演じ切りましょう。そうでなければ天草に申し訳がないですしね.....などと私が考えていると、
「シロウさんは本当に変わっていませんね。」
とティレルさんがそう言う。その表情は懐かしさと嬉しさと....そしてどこか悲しみを持った様な、複雑な表情であった。そしてその表情を見た私はその表情の理由を若干察しながらも、
「そうでしょうか?私には分かりませんがそうであるならよかったです。」
とそう返す。私の過去がどう言う話なのか.....それはまだ全貌は見えて来ませんが.....過去について話さないでほしい、と言ったのは正解の様ですね。私は過去について喋らないでほしい、と言っているのにその私本人は無意識のうちに少し踏み込んだ質問をすることが多い。私の好奇心が抑えられていないのか、それともこの体の影響か....どちらにしても今の不安定な状態の私に過去を言葉として伝えられたらあまりよくないことになりそうなのは明白ですね.....などと私が考えていると、
「シロウさん....シロウさん!」
とティレルさんが私の名前を読んでいたことに気づく。その言葉に私は、
「ああ、申し訳ありません。なんでしょうか?」
とそう返す。いけないいけない、二人だけの空間で熟考するのは相手に失礼ですね。そう思い私はティレルさんの話を聞く体制に戻る。それを確認したティレルさんは、
「大丈夫ならいいんですけど.....それより他に聞きたいこととかないんですか?」
と私に問う。ティレルさんに聞かなくちゃいけないこと....いけないこと.....ああ、そうだ。あれは持っているのか確認しなければ。とそれについて思い出した私は、
「そうでした。一つ聞きたいのですが金髪の旅人に会った事はおありですか?もし会っていたのならある物を渡されているはずですが.....」
とそう問う。私が確認したい事、それは旅人がテイワットに来た時に使ったとされる宇宙船の鍵が今ティレルさんが持っているかどうかです。私個人としても宇宙船には多少興味がありますし、なにより持っていたとしたら5.7のストーリー時にある程度展開を操作する必要がありますからね....などと私が考えていると、
「ある物って.....これのことですか?」
とティレルさんは言い、ポケットから何かを取り出す。それを見た私は、
「ええ、それです。ですが持っているなら問題はありません。そのまま大切にしまっておいてください。くれぐれも無くさない様に、ですよ。」
とそう言う。今回の目的は研究ではなく確認ですから触れる必要はありませんしそれを無くされては困ります。ストーリーが変わる、と言うのもありますが何より旅人がテイワットから出る方法がなくなってしまう可能性が出てきてしまいますからね。それは困ります。私の「テイワットにいる人全員救いましょう計画」が達成できなくなります。しかしこれでその心配もなくなりました。と私が内心安心していると、
「あの.....シロウさん。記憶を失っているって言う割には知っている事が多いと思うんですけど....それは何故なんでしょうか?前に言ってた、未来が分かるみたいなやつに関係があるんですか?」
とティレルさんがそう少し躊躇いながらそう問うのであった.....