天草四郎になった私のテイワット旅行記 作:通りすがりの希望厨
—とある教会にて
「.....ん?寝ていましたか....」
と言いながら私は教会に配置してあった席を立つ。ふむ...昨日はよほど眠かったようですね。サーヴァントでありながら眠りたいと言う欲求があると言うのは少し不思議ですがこれも以前聖杯に触れたことによる影響なのでしょうか...あの時とはもう違う体なのでおかしな話でもありますがそれだけ聖杯の効力は凄まじいと言うことなのでしょう。とそのようなことを考えながら私は体をほぐしながら窓から外を見る。
「現在時刻は...午前6時、と言ったところでしょうか。さて、とは言え今から何をしたものか...教えや救いを求める方々が来るまでは少し時間に余裕がありますし...と、おや?」
とその様なことを私が呟いていると入り口付近で右往左往している気配を感じ取った。敵襲...とは思えませんね。ルーラーの私に手を出すリスクは皆さん織り込み済みのはずですし何より襲うなら襲うで気配を消していないのはおかしい。サーヴァントにしろ、ダインスレイヴあたりの実力者にしろ、私を暗殺しに来るにしては手際が悪すぎる。とは言えそれ以外の人となれば正直誰も思いつきませんがね。とその様なことを考えながら私は一度ドアから教会を出る。すると教会のドアが開いたと同時に、
「ひゃう!?」
と女性の声で驚いた様な声が聞こえてきた。その声を聞いた私は声の聞こえた方に目線を向ける。そこにはみたところ普通の少女がびっくりしたような表情で私を見つめていた。...誰でしょう。少なくとも戦場ではみたことないので一般のカーンルイア人ではあるのでしょうが...とそのようなことを私は考えながら、
「おや、このような早朝に何かご用でしょうか?」
と笑顔を作りながら私はそう言う。その私の言葉にその少女は、
「あ...えっと...その...」
と体をもじもじさせながらなかなか要件を言えずにいた。ふむ...この様子からして私のファンか何かなのでしょうか...しかし私はこの少女と会ったことはないので私のどこに惹かれたのかはわかりませんが...ふむ、言葉に詰まるのなら私から話しかけてあげた方がよさそうですね。とそこまで考えた私は、
「そう緊張する必要はありませんよ。深呼吸して、落ち着いてから言葉を発しましょう。貴方が落ち着けるまで私は待ちますから。」
とそう落ち着く様に促す。その私の言葉を聞いた少女は、
「は、はい....すぅ...はぁ...」
と一度深呼吸を挟んだ後、
「わ、私はティレルって言います!えっと...貴方が聖者様であってるんでしょうか!?」
と結局照れた様子でそう聞いてくる。聖者様...そう呼ばれるのも慣れてきましたね。まったく、私には少し荷が重い名です。...さて、それはそれとしてティレルですか...今の言葉からして私に会いにきたのは間違いなさそうですが要件はなんなのでしょうね...などとその様なことを私は考えながら、
「聖者様と言うのは私であっているはずです。それとティレルさんですね、名前は覚えておきます。それでどの様なご用件でしょうか?」
とそう改めて用件を聞く。その私の質問にティレルさんは、
「えっと...会いにきただけと言いますか...聖者様に一度直接会ってみたくて...め、迷惑でしたか!?」
と顔を少し赤くしながらそう答える。私に会いにきた、ですか...会ったこともないと言うのにわざわざここまで来るとは相当の私のファンなのでしょうかね。戦場にいる彼らには嫌われていますので少し新鮮な感覚です。なんと言うか少し嬉しいですね...とその様なことを考えながら、
「いえ、そんなことはありませんよ。それと立ち話もなんです、どうぞ中へ。ああ、心配せずとも教えを説く気はありません。ここの方々は私とは違った宗教観を持っているのはわかっていますから。」
とそうティレルさんを中に入るように言う。その私の言葉にティレルさんは、
「あ、そんな大丈夫です!私は本当に聖者様と会いたかっただけなので...そ、それじゃあまた!」
と申し訳なさと照れが混じった様な表情と声をしながら走って教会から離れていく。ティレルさん、ですか...私の教えを聞きにきたわけでも感化されて私の教えに従おうとするわけでもない、ただのカーンルイア人の少女。彼女ならもしもの時の保険としてちょうどいいのかも....いえ、それはまだ早計です。ティレルさんはまた、と言っていました。つまり彼女は遠からずまたここに来るでしょう。その時に彼女の人となりと目的、そして心の強さをしればいい。もし彼女が私の理想に届いているのであれば....彼女に保険を任せるのもいいかもしれません。もしそうなれば彼女は未来の私に少し依存気味になってしまう可能性もあるにはありますが...そうなりすぎない様に手もうっておくとしましょうかね。とその様なことを考えながら私は教会内に戻っていくのであった....