「なんの、騒ぎなのかしら?」
――月夜!?
俺は黒のレースがついたビキニを着た、月夜の姿を凝視した。彼女を見つめていると鼻から、何か液体が流れてくるのを感じる。
――鼻血が・・・・・・。
Side 美波
「・・・・・・うわっ、あからさま」
みーちゃんの態度を見て、つい声が出てしまった。彼のそんな態度を見ながら、私はちらりと明の方を見つめた。
――明も少しは私に興奮すればいいのに。
そんなことないか、前も私の水着見て変なこと言ってたし。
私ははぁとため息をついた。それもこれも自分の貧相な体のいや瑞希や翔子たちのスタイルがいいせいだ。
Side out
「明~、湖行きましょう」
「えっ、うん。美波」
美波さんは明久君の右腕をつかんで、湖の方に連れて行こうとする。
「待ってください!
明久君は私と行くんです!」
瑞希さんは明久君の左腕をつかみ、湖の方へ連れて行こうとしている。
――なんだ、あれ?
明久君がまるで洗濯物みたいだな。
俺は2人から引っ張られる明久君を見て思った。彼は両腕を力いっぱい引っ張られてるせいで、ミシミシと言い始めている。
「まて、2人ともそろそろ明久君を開放しないと壊れるぞ?」
「「だまってて(ください)」」
瑞希さんと美波さんの声はきれいにはハモった。2人の顔は鬼にも近いほど恐ろしく真剣だ。
「てか、声をハモらすくらい仲がいいなら、3人で湖に行けばいいのに」
「いえ、そういうわけにはいきません」
「そうそう、明はうちの物なんだから、殴ってでも連れて行くわ!」
「いえ、わたしの物です!
私だって痛めつけでも一緒に連れて行きますから」
「・・・・・・物? 殴る? 痛めつける?」
――何を勝手なことを言ってるんだ、こいつらは・・・・・・。
Side 雄二
なんかみーちゃん、やばくないか?
よくアニメで眼だけが光ってる描写があるけど、あんな感じになってきてるぞ。
俺はみーちゃんから黒いオーラを感じ始めた。ムッツリーニもいつの間にか起き上がっていて、俺たちの一番後ろまで下がってきて、小さく震えている。
「よしわかった。誰かロープをもってきてくれ。
こいつら2人を縛り付けて、湖に沈める」
――冗談だよな?
だれか、冗談だって言ってくれ。怖えって。
「てか、誰か止めろ!
みーちゃんが人を殺しかねないぞ!」
俺は慌てて明久たちを見回すが、彼らのほとんどがおびえてしまっている。みーちゃんの幼馴染の月夜さんですら、この状況に固まって動けないようだ。
「「なっ、口出さないで(ください)」」
――あいつら、言い返したぞ。
殺されるつもりか?!
姫路と島田は頭に血が上りきっているのか、みーちゃんの様子に気がついてないようだ。
「そういうこと言うのはその口か??
明久君はお前らの彼女でもなければ恋人でもないんだぞ??」
みーちゃんは両手で2人の顎をつかむと力いっぱいつかみ、そのまま持ち上げながら言った。
「それどちらも同じ意味・・・・・・・」
――ムッツリーニ、ナイス突っ込みっ!
じゃない、あの2人おわった!!
「瑞樹、やりすぎ!」
月夜さんはようやく動けるようになったのだろう。みーちゃんに近づくと膝カックンさせた。
そして、みーちゃんはそのまま後ろに倒れ気絶してしまった。
「「こ、こわかった~(です)」」
――お前ら漏らすなよ?