「・・・・・・あの箱は何だったんだよ」
「それ、聞いちゃうんだ」
「俺だって、何度も忘れよう、気にしないようにしようとしてた。
けど、忘れようとすればするほど、あれは何だったのか気になるんだよ!」
「・・・・・・あれは“お姉ちゃんと一緒”っていうアニメに出てくる、“ショウタ”ってキャラのゲームよ」
「キャラゲー?」
「そうよ。ショタコンと間違われるのが嫌だったから、忘れてほしかったのよ!」
――そんな理由かよ!
最初にキャラゲーって、言っとけばよかったんじゃね?
いや、姉貴の奴、変な所で抜けてるからなー。
「やっぱ、翔君にもう一度頼んで、なんとかBL展開に・・・・『おいっ!
物騒な単語言うなよ‼』
姉貴は苦虫を嚙み潰したような顔をしながら、つぶやいているが、これは聞きずてならない。
なぜなら、翔は彼女に惚れている。彼は彼女のたのみならば、はいはいと聞いてしまうところがある。
なので、彼なら彼女に頼まれたらBL展開でもわりとやりそうである。冗談が冗談にならない。
『俺には月夜がいるんだよ!!
翔とのフラグを立てるぐらいなら、月夜とのフラグを立てるわ!』
「心の声が駄々洩れよ、あんた・・・・・・」
「てか、普通にあれはキャラゲーだって、言えばよかったじゃんか」
俺はようやくornの形から体をあげると姉の姿を見つめた。
「だって、オタクだってばれたら、私のイメージが崩れるじゃない」
「いや、べつに・・・・・・」
「とにかく!
このことを言ったらまた女装させるわ」
こんなやつがなんで、もてるんだろうという疑問しか湧かない。俺以外には猫をかぶってるんだろうけど、こんなめちゃくちゃなこと言うやつ奴だってばれた方が、イメージを崩れるだろう。
「まあ、BL展開よりは・・・・・・」
「よし!
これからも女装けってーい!」
――しまった!
ハメられた!!
**数日後**
「さあ、瑞樹どれがいい?」
「・・・・・・姉貴かわいらしい服、こんなに持ってたんだな」
姉貴はキラキラした目でかわいい系の服を俺の前に置いていった。今の彼女は男性も顔負けのかっこいい系をぴしりと着こなしている。大きな胸がなければ男性に間違えられそうだ。
服だけじゃない。今いる姉貴の部屋だってそうだ。かわいらしい小物はまったくなく、シンプルな雰囲気で、むしろ殺風景に近い。
「これはね、コレクションなのよ!
私にはかわいい系は似合わないから、誰かに着せるために集めたのよ」
「姉貴・・・・・・苦労してたんだなー。
分かった、俺でよければ好きなだけ着てやんよ」
姉貴は男性が好みそうな服をいつも着ている。
でも、本当はかわいい服が着たいのに、着れないだけではないのかと思うと同情心が湧く。俺は少し涙声になりながら言った。
「うんうん、ほんと瑞樹はチョロじゃなかったやさしいわねー」