「・・・・・・デッッッカ」
俺は超高層ビルを見上げた。青いビルの大きな窓に太陽の光が映えている。俺の住んでいる場所は都会からすこし外れた土地で、条例により2階より高い建物がないため、よけい高いビルに見える。
「おい、姉貴。
こんな
「大丈夫、できるできるできる・・・・・・」
姉貴は「お姉ちゃんと一緒」という、アニメに出てくる主人公の恋人キャラがよく着ているという、洋風と和風が合わさったキャラ衣装を着ている。
――うわあ~。
暗い顔で、ぶつぶつ言ってると不気味~・・・・・・。
「姉貴・・・・・・聞いてるのか??」
「えっ、あうん。ここの最上階、貸切ったって聞いてる」
「最上階?!
高いじゃねーの? どんな金持ちだよ!」
「ああ、うんそうだね・・・・・・」
「姉貴、どうしたんだよ」
――出かけるまではかなり強気だったくせになんだ、この反応は?
**回想**
「これはフリルが多くて、こっちは・・・・・・とくにこれっ! おすすめよ!
これっこれ!!」
姉貴は床に並べた6着のかわいい服を1つ1つ説明し始めた。中でも彼女は首元に大きなリボンのついたピンクのワンピースをぐいぐいとすすめてくる。
「てか、これ言っちゃあ悪いけど、それって小さな女の子が喜びそうな服なんじゃねーの?」
「はっ?!
これは“お姉ちゃんと一緒”の主人公ショウコの服よ!
子供向けの服ってなに??」
「いや、知らんし・・・・・・
この上下にするよ。なんかこのスカートチャックがついてて、ちょっとかっこいいし」
**回想終了**
「ほらっ、最上階に行くんだろ?」
俺はぶつぶつとつぶやきつづける姉貴の腕を引っ張るように最上階に向かった。
「ところでここでなにやるんだ?」
「今日のイベントはお姉ちゃんと一緒オフサークル略してお姉オフなの。ずっと参加したかったけど、わたしのイメージを守りたくて行かないでいたの。
でも、うちの近所でやるって聞いて、勇気を出すことにしたのよ!」
――ああ、それでやたらと主人公の服を推してたのか。
姉貴は武者震いだろうか、体が小さく震えている。俺はそれを見なかったことにするかのように、彼女から目をそらしながら言った。
「くだらねぇー。
イメージが崩れたくらいで人が離れていくくらいなら、もともとたいした関係性じゃなかっただけだろう」
「そっかそうだよね
よし! 早くイベント会場にいくわよー」
『あばばばっ』
姉貴は先ほどまでの態度はどこへやら、力任せに引っ張られていく。
まるで、荷物になった気分だ。