頭ハッピーな悪魔が全員をハッピーにする   作:よくメガネを無くす海月のーれん

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残念ながらクソ強い悪魔ではありますが、頭がポンコツなので…


それはそれとしてデンジ可愛いね…可愛いね…


プラスマイナスで言うと若干マイナス(強さは圧倒的プラス)

「まぁ、民間のデビルハンターを。それはそれは…、失礼ながら大変ではございませんでしょうか?他のお仕事はなかったのでしょうか?」

 

 唐突に部屋へと転がり込んで来たかと思えば、至近距離で話し始める絶滅の悪魔がさもなんでもない事のように問いかける。

 

 吐息が掛かるほど近い距離と独特の匂い…大人になってから気づくのだが麝香と呼ばれるもの…を纏った女に仰け反ると、ぐいっと それ以上に距離を縮ませてくる。瞳に掛かる髪すら厭わず耳を傾ける姿が間近にあるものだから、デンジは頬を少し赤らめ、声を上ずらせた。

 

「あア…ま、まぁ今日のだってグーゼン上手くいったって感じだけどよ。でも、俺とポチタでも出来ることだぜ?ガキを働かせてくれるところなんてないし、ちまちま稼いだところで借金返済にゃ足りねぇし…」

 

「ふむふむ…なるほど~~~、それならば名案がございます。私わたくし、絶滅の悪魔、絶滅の悪魔が~~~お手伝いさせていただきましょう」

 

「ワウゥ?」

 

「はい、ポチタ様。私は滅びの悪魔様よりデンジ様並びにポチタ様のお世話を仰せつかっておりますが、合わせて邪魔をしないようにとも言われております。大方、過干渉で嫌われたくなかったのでしょう。可愛らしいお方です。」

 

「だからその手伝いってことか?」

 

「はいデンジ様!わたくしは人の世界にそれほど興味がありませんし、出来ることと言えば殺す事。普通に働く事等まず無理でしょう」

 

「ワウッ!」

 

「えぇそうですポチタ様!そんなロクでもないわたくしでも出来ることと言えば…!同じくデビルハンターのみ!一人よりも二人!悪魔一体倒して10万円なら二体悪魔を倒せば20万です!私、絶滅の悪魔もデビルハンターとなりましょう。幸いにも人の形をしていますから、適当な眷属を契約悪魔にすれば民間のデビルハンターに偽装出来るでしょう!」

 

「一人よりも…二人。そうだよな!」

 

「はい!頭数二倍で報酬も二倍!いえ、わたくしは滅びの悪魔様の最優の眷属ですので、報酬数千倍!」

 

「なァ!どんな悪魔と契約すんだ?」

 

「そうですねぇ~~~。この日本においてのみ強大な力を発揮する者も居りますが…いろんな場面で使える者がいいでしょう!」

 

「ソイツ強いのか!?」

 

「えぇ!えぇ!私ほどではありませんがねぇ~~~!そうです。見せて差し上げましょう!わたくしの可愛い眷属…デカくて牙が生えて…なにより、デカイ!」

 

「かっけぇ!」

 

「えぇ!かっけぇのです!此処では少し狭いので、少々外に出ましょう!本体が巨大ですからここだと壊れてしまいますからねぇ。デンジ様、この近くに人気がない広い空間はありませんか?」

 

「アぁ、あ。親父の墓があるところなら誰も来なくて広かった…はず」

 

「ではそちらに向かいましょう。ささ、デンジ様。外は寒いのでこちらに。」

 

 立ち上がりあすなろ抱きのように抱えられるデンジとポチタはくすぐったそうに身をよじる。鼻歌を歌う絶滅の悪魔はびくともせず外へと向かう。

 しばらく感じてこなかった温かさ、それを今日、ポチタという存在と、後ろに居る絶滅の悪魔から感じ、少し、ほんの少しだけ涙が落ちそうになった。

 

 それに気づいたポチタが見上げてデンジをのぞき込み、胸に頭を擦りつける。後ろからもぎゅっと、力強く、されど優しく抱えられて、しばらく抱えていた暗迷というものに光明が見えた気がした。

 

 とりあえず、なんとかなる。そんな根拠のない安心にデンジは顔を綻ばせながら

 

「わッかんねぇけど今、すげぇ楽しいな。ポチタ!」

 

「ワゥッ!」

 

「まぁ!まぁまぁまぁ!私、ものすごい感激です!デンジ様にもポチタ様にもお喜びいただけるとは…!滅びの悪魔様~~~貴方様の最ッ優ッの眷属は顧客満足度1000万%ですよ~~~!!!」

 

「滅びの悪魔ってつえぇのか?」

 

「えぇえぇ!わたくしの仕える滅びの悪魔様は超越者と呼ばれているサイキョーの悪魔でございます!闇の悪魔とボコボコのボコにして逃げおおせる程に!」

 

「逃げてンじゃん!」

 

「闇の悪魔にも痛手を与えていますからねぇ~~~!フィフティフィフティセーフです!」

 

「ンだそりゃ!」

 

「闇の悪魔はチートですからねぇ~~~!ズルですよズル!暗闇の中ではムテキなんですから!あの時だってマブダチのチェンソーマン様を呼んだからどうにかなったものの…」

 

「そいえば、マブダチっていうけどよ。友達なのか?」

 

「それは~~~…………まぁ滅びの悪魔様が一方的に思ってるところもあるかと思いますが権能的には滅びの悪魔様はチェンソーマン様もといポチタ様と相性がいいと言いますかそういった観点でのマブダチ的な意味合いで使ってると言いますか」

 

「なんて?」

 

「滅びの悪魔様はポチタ様と相性的な面で良いということでございます!ささっ!向かいましょう!私の眷属

 

恐竜の悪魔、お見せいたしましょう!」

 

 

 

 

~~~~~

 

 

 

…それからいくばくかの年月が経った。恐竜の悪魔を出したことでとある悪魔に存在を察知されてしまい、絶滅の悪魔が動きにくくなってしまったというデメリットが出来てしまったものの、本人もとい本悪魔としてはデンジに喜ばれたことが何よりも喜ばしいことだった。だからこそ、デンジの借金を無くすほどにデビルハンターとしての仕事を粉骨砕身で励むつもりだったが…結果は散々たるものだった。

 

「なァ~、今日もあんま稼げなかったな」

 

「そうですねぇ~~~。とりあえず生活していく分にはなんとか稼げていますが…借金は一向に減りませんねぇ」

 

「ワゥ…」

 

 もしゃもしゃと食パンを貪りながらいつもの反省会が始まる。

 

 …一人よりも二人、その言葉の通りデンジ、ポチタ、絶滅の悪魔は出会った時から今日まで、日がな一日デビルハンターの仕事に繰り出していた。

 

 今日だって、デンジとポチタはトマトの悪魔をぶっ殺し、絶滅の悪魔…ゼツという名をデンジから名付けられた…だってピーマンの悪魔をぶち殺したのだ。トマトもピーマンも野菜の中ではそれなりに強い部類に入る悪魔であり、後者は契約悪魔が大雑把なのもあって大変苦労したのだが、そこらへんは割愛する。

 

 兎角、二人と一匹はあくせく働いていたが、ストレートに言うのであれば良いように搾り取られていた。幸いにも、デンジが内臓を売るほどまでは困窮していなかったが、それでも借金は減らなかったし、生活は食パンオンリーだった。合わせて言うとゼツが大食いな面もあったのだろう。

 

『なかなかに…なかなかですねぇ』

 

と言いながら、買ってきた食パン(8枚切り)全てを食べ尽くした時、さしものデンジとポチタでも開いた口が塞がらなかった。

 そこにあれば食うというスタイルはどうしようにも変えられなかった為、報酬が上がろうとも食費分が嵩んで生活水準はそこまで上がらなかった。理由を問いただせば

 

『まぁ…絶滅の悪魔ですからねぇ~~~~』

 

 とかよくわからないことをぬかすので、一人と一匹は揃って苦い顔をした。どうやら、絶滅(あるものを無くしたい)させたいらしく、ジャムを買ってこようと一人で全部使い切るので喧嘩になることもままあった。

 

 役に立っているのか。そう問われるとデンジは悩むだろうが、居ない方が良いか?と聞かれれば即答で否定する。デンジにとってゼツはポチタ同様に大切なものになっていた。…まぁ大雑把な為に被害を多くしてしまい、報酬が減ることもしばしばだが…

 

「どうしましょうかねぇ~~~。デンジ様、いっそのこと借金取りをすべて焼き払いますか?」

 

「ソレな。俺も考えたけどよォ~。俺じゃあ勝てねぇし、ゼツがやったら俺もポチタも死ぬじゃん」

 

「それは~~~~申し訳ありません。わたくしが大雑把なばかりに…」

 

「ツェェから良いと思うぜ」

 

 しょんぼりと膝を抱え込んで蹲るゼツに、ポチタがゲシゲシと小さく蹴りを入れた。大方、死にかけたことを思い出したのだろう。

 

 デンジとポチタが危うい目に遭った時、ゼツはその悪魔の力を遺憾無く発揮した。

 

『デンジ様とポチタ様を害するゴミクズめ!絶滅しなさぁぁぁぁい!!!!』

 

 その言葉と共に遥か空より降り出したのは巨大な氷山、氷の牙、数多の生物を絶滅させた地球の寒冷期、氷河期の招来によりデンジポチタ共々凍え死にかけたのだ。

 

 他に聞けば、隕石、噴火、津波…果ては圧死、病魔、炎上と多くの力を持つことがわかったものの如何せんどれも規模がデカかった。

 

 みたことあるのは圧死と炎上、圧死は小型悪魔一体の為にビル一棟を丸々潰し、炎上は人から人へ燃え広がるという地獄絵図を作り出した。『ちょっと最近の事例で病魔が混ざってしまって…』と言っていたが、どちらも被害者の為の費用で報酬が消えたどころか増えてしまったことを思い出してうえぇ…と顰める。

 

「また借金が増えるようなことすンなよ」

 

「えぇ、えぇ。肝に銘じております。それに明日こそはお任せください。デカい依頼がありますのでドーンと報酬が入ることでしょう!」

 

 そう意気込むものの、そのデカい依頼とやらもどこか怪しい所からの依頼らしく報酬の高さが怪しさを増長させていた。まぁデンジも明日、ヤクザの長にとある場所にて呼び出しを食らっているのだが…。

 

「まぁなんでもいいけどよォ…。あぶねぇなら逃げろよ?ゼツはツエェけど攻撃避けねぇし」

 

「はい。委細承知しておりますデンジ様。危ない攻撃は避けますとも。ただ…今のところあまり避ける意味がない物ばかりと言いますか…」

 

「ンまぁダイジョブならダイジョブで良いんだけどよ。とりあえず、今日は寝ようぜ」

 

「ワゥッ!」

 

「はい!明日の為に英気を養いましょう!」

 

………

……

 

『私は、デンジの夢の話を聞くのが好きだった』

 

『火薬臭い…何とも火薬臭いですねぇ…』

 

『これは契約だ』

 

『まぁ良いでしょう。猟銃、わたくしの好きな物の一つです。人の娯楽によって絶滅した動物は多く存在していますからねぇ』

 

『私の心臓をやる』

 

『少しばかり手加減してあげましょうとも…それに…もう手遅れな匂いがします。あぁ、なんと悲しいことでしょう。わたくしは失敗したのかもしれません』

 

『かわりに、デンジの夢を』

 

『それでも、向かわないことにはまだわかりません。人は希望を持つものでしょう?なら、私も希望を持ちましょう』

 

『私に見せてくれ』

 

『覚悟は良いですか? ()()()()  目には目を…人の娯楽による絶滅(ハンティング)

 

 デンジとポチタの新たなる契約が始まると同時に本来あり得ない戦いが始まろうとしている。チェンソーの音が新たな生を祝福し、響き渡る銃声が生を呪う。

 

 デンジがチェンソーマンになると同時期、人の業で呪い合う悍ましい戦いが始まろうとしていた。




デンジに心臓を託すことはどうにも変えられなかった(変えてストーリー変更するのがむつかしかった)ため、そこは変えずに銃の悪魔を弱体化させる方針に変更…!これでアキ君生存ルートだぜガハハ
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