異次元の殺し屋   作:クライングフリーマン

101 / 150
跳んで来たのは・・・どこかで声がする。
「嫌だよ。自分がなれないのが分かってて立候補するなんて。阿賀市が双裁になって宗理になった時、お呼びじゃないって言われるのがオチじゃないか。


101.【票割り(Vote split)】

 

======== この物語はあくまでもフィクションです =========

ここは、『去の国』。

俺の名は、加賀見進。別名「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋だが、殺すのは、人間とは限らない。

 

俺には聞こえる。殺してくれ、と。

どこの次元でも聞こえている。

 

跳んで来たのは・・・どこかで声がする。

「嫌だよ。自分がなれないのが分かってて立候補するなんて。阿賀市が双裁になって宗理になった時、お呼びじゃないって言われるのがオチじゃないか。自治体議員の時も『票割れ要員』なんかしたことないのに。」

「お前しかいないだろ?柳生よう。」「でも、君田さん。」

 

そこは、どこかの料亭だった。

俺は、政府事務員の振りをして、仲居が持って来たビールを横取りした。

「料理は少し時間がかかるそうです。」と、ありきたりのことを言い、俺は下がった。

どうやら、与党の偉いさん会議のようだ。

「僕も嫌だな、『当て馬』なんて。誰かの台詞じゃないけどさ。人間は馬じゃ無い。『出馬』って、新聞が勝手に言い出したんでしょ。で、政治家は『尻馬』に乗った。」

「ウマいなあ。そうだったんだ。知らなかった。明日、後援会で話そう。」

どうやら、国のトップになる、与党双裁選挙の候補者と後援者らしい。中心にいるのは、前前宗理か。『どんぐりの背比べ』か。

 

引き揚げようとあいた時、女将らしきオンナに手招きされた。

和室だが、施錠をし、女将は俺の手を和服の襟に滑り込ませた。

「アンタ、どこのスパイ?私の体で聞いていい?」

「デブは嫌いなんだ。ごめんな。」

俺は跳んだ。

 

一旦、新聞社に跳び、この与党の実力者を調べ、江藤二郎という名前を覚え、『江藤二郎の自宅』と腕時計を触って念じた。

ここでも、驚かれたが、大物はやはり態度が違った。

俺は、自分の話をかいつまんで話した。

「面白い。君の使命は、歪んだパラレルワールドの各世界を修復することか。大抵は、その世界の隣国が黒幕で、下半身や銭にだらしない議員を操り、国を衰退させて乗っ取ろうとしている。で、双裁選挙で私が押している、破壊地菜絵子の命が狙われている。」

「そうです。私が見て来た世界では、女性のトップが決まっても、やはり命を狙われたり誹謗中傷を受けたりしていました。」

「政治家なんだから、誹謗中傷は受け止められて当然だ。殊に破壊地は強い、だが、君の言う通り、ただ命を狙われているだけでなく、隣国のヒットマンが来ると厄介だ。実は、私のいとこの元双裁も暗殺された。暗殺グループの策略だろう。洗脳されたに違いない犯人の裁判はまだ始まらない。ヤツはダミー、いや、囮で、本当のヒットマンがいると私も思っている。君が、そのヒットマンから破壊地を守ってくれるのかね?」

「はい。つきましては、狙われそうな時間と場所をお教え願いませんか?」

「よかろう。明後日、公会堂で、双裁選公開討論会がある。午後1時だ。それで、報酬は幾ら欲しい。」

「ヒーローはボランティアだから要りません。実は、次元管理局からも貰っていません。」

「分かった。任せよう。」

俺は、江藤と堅い握手を交わした。

 

討論会。破壊地の発言の時、異変が起こった。

破壊地以外の立候補者とMCのオンナが銃口を向けたのだ。

傍聴席にいた俺は、破壊地を跳ばした。自宅に。

弾丸は、空の椅子に全てめりこんだ。候補者達は、呆然として立っていた。

操られたのだ。

俺は、演壇に跳んだが、あのオンナのそっくりさんは、すぐに消えた。

俺も、すぐに跳んだ。

 

破壊地の自宅。

「候補者全員消えて、怪事件が起これば、オールドメディアは、『無かったこと』にするでしょう。記者会見では、貴方に化けたSPが素早く逃げたことにすればいい。」

止揚の言葉に、破壊地は、「結婚式には呼んで下さる?」と冗談を言った。

 

数時間だったが、体を合せた俺と止揚は、また別別に跳んだ。

 

俺の名は、加賀見進。別名「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋だが、殺すのは、人間とは限らない。

そう。『歴史の修復』も『殺す』ことになるのだ。

 

いざ行かん、次の戦地へ。

 

―完―

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。