受付けで、健康保険証を忘れた、外国暮らしをしていたと言い、札が使えるかどうかを確認した。そして、初診票に書き込む。
======== この物語はあくまでもフィクションです =========
ここは、『代の国』。
俺の名は、加賀見進。別名「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋だが、殺すのは、人間とは限らない。
俺には聞こえる。殺してくれ、と。
どこの次元でも聞こえている。
跳んで来たのは・・・歯科クリニック。え?
受付けで、健康保険証を忘れた、外国暮らしをしていたと言い、札が使えるかどうかを確認した。そして、初診票に書き込む。
ロビーには、この国の政党ポスターらしきものはない。
新聞受けから新聞を取り出して、ざっと目を通す。
この次元も、『初の女性総理』を喜ぶ声が多い一方、党の内外からバッシングを受けていた。
トントンと歯科衛生士が俺の肩を叩く。
「キャンセルが出たので、診察受けられますか?」
俺は、歯科医師にこう言った。
「堅い煎餅かじって、ガリって音がして、歯が欠けたかと思って。」
「いやあ、歯の欠片は見当たらないなあ。細かいまま呑み込んだんじゃないですか?堅いものと食べる時は、小さくかじる様にしましょう。隙間用の歯ブラシを進呈しますから、食べた後はよく掃除をして下さい。」
クリニックを出て、ポスターが目に入った。
あいつか。
新聞に『新葬祭になったのを気に連立を解消した』と書いてあった。
気になるので、コンビニで何紙か買って、公園で読み比べた。
どうやら、歯科にあったのは良心的な新聞らしい。他の新聞は、『個人的感情丸出し』で、新葬祭が冷酷にも首を切った、と書いてある。
近くを通りかかった女子高生にインターネットカフェの場所を教えて貰い、移動した。
やっぱり。SNSの情報は、ほぼ正確だ。
与党地味党と長年コンビを組んでいた青梅党が、新葬祭候補が新葬祭選挙で有利になった途端、連立解消を申し出た。そして、新葬祭は初の女性葬祭の道上幸子に決まった。青梅党代表も野党も大慌てになった。予想外だからだ。地味党では、伝統的に後援者(党員)と現役議員が投票して、選挙する。党員は若者が多く、圧倒的に道上指示だった。議員の方は大きく2分され、若手議員は道上を推し、古参議員は他の候補を推した。「民主主義」の「多数決」の結果、道上以外を押す、前葬祭を含めた反対派議員は認めたがらなかった。新葬祭は、世襲議員でもないし、女癖が悪い訳でもなく(女性だから)、裏金にも関与していない。党員以外にも若者に人気がある。
面白くないのは、隣国買いの国であり、隣国に懐柔された議員、多く天下りしているマスコミ、出自が隣国の年貢省事務員達だった。
新葬祭は賢かった。テレビは出演拒否、記者会見は『文字興し』して、記者達とのやりとりは広報から公表された。
完全に負けていた。地味党古参議員も野党議員もオールドメディアも。
彼らは「アナログ」過ぎた。甘すぎた。
だが、彼らにとって、救世主が現れた。
彼らを隣国に呼んで手懐けた、『乙姫様』の使いだ。
ヨー・ヒキと名乗っていたことは後から知った。。
俺は、道上のピンチを感じて、科国会疑似堂に跳んだ。
議会は、今日からで、『師範指名選挙』が行われた。
選挙の結果、野党統一候補の玉置等が優勢かと思われた。
「偽物の票で開票しても意味がないわ。」若い女性議員の一人が言った。
その議員が投票箱の底を抜いた。
二重になっていた。
開票する直前、引っくり返したのだ。
「邪魔をするな!!!!!!!」
あるオンナが現れ、そう言った。
「邪魔はアンタよ、ヨー・ヒキ!!」
2人のオンナの激しい闘いが始まった。
俺は悟った。若い女性議員はナオだ。
「警備員!!!!!!!」
女性議員がねじ伏せたヨー・ヒキを警備員が連れて行った。
道上が目を覚ました時、葬祭に指名されたのは、道上だった。
圧倒的多数だった。
道上が引き揚げた控え室には、俺がいた。
「あの議員は誰?久保田議員じゃなかった気がするけど、万華鏡さん。」
「初めまして。万華鏡の『側室』です。」
「おい。今・・・。」
俺とナオが跳んだ先は、どこかのベッドだった。
体を合せた後、ナオは消えた。「今日も美味しかったよ、シン兄さん。」
どこかへ跳んだのだ。
どうやら、俺は正室にとっても側室にとっても、『まぐあいの道具』らしい。
俺の名は、加賀見進。別名「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋だが、殺すのは、人間とは限らない。
でも、正当な理由でなく、人殺しさせるのは好まない。
この国は、道上が守るだろう。
さ、跳ぶか。
―完―