異次元の殺し屋   作:クライングフリーマン

103 / 150
跳んで来たのは・・・歯科クリニック。え?
受付けで、健康保険証を忘れた、外国暮らしをしていたと言い、札が使えるかどうかを確認した。そして、初診票に書き込む。



103.【暴言の代償(The price of abusive language)】

 

======== この物語はあくまでもフィクションです =========

ここは、『代の国』。

俺の名は、加賀見進。別名「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋だが、殺すのは、人間とは限らない。

 

俺には聞こえる。殺してくれ、と。

どこの次元でも聞こえている。

 

跳んで来たのは・・・歯科クリニック。え?

受付けで、健康保険証を忘れた、外国暮らしをしていたと言い、札が使えるかどうかを確認した。そして、初診票に書き込む。

ロビーには、この国の政党ポスターらしきものはない。

新聞受けから新聞を取り出して、ざっと目を通す。

この次元も、『初の女性総理』を喜ぶ声が多い一方、党の内外からバッシングを受けていた。

トントンと歯科衛生士が俺の肩を叩く。

「キャンセルが出たので、診察受けられますか?」

俺は、歯科医師にこう言った。

「堅い煎餅かじって、ガリって音がして、歯が欠けたかと思って。」

「いやあ、歯の欠片は見当たらないなあ。細かいまま呑み込んだんじゃないですか?堅いものと食べる時は、小さくかじる様にしましょう。隙間用の歯ブラシを進呈しますから、食べた後はよく掃除をして下さい。」

 

クリニックを出て、ポスターが目に入った。

あいつか。

新聞に『新葬祭になったのを気に連立を解消した』と書いてあった。

気になるので、コンビニで何紙か買って、公園で読み比べた。

どうやら、歯科にあったのは良心的な新聞らしい。他の新聞は、『個人的感情丸出し』で、新葬祭が冷酷にも首を切った、と書いてある。

近くを通りかかった女子高生にインターネットカフェの場所を教えて貰い、移動した。

やっぱり。SNSの情報は、ほぼ正確だ。

与党地味党と長年コンビを組んでいた青梅党が、新葬祭候補が新葬祭選挙で有利になった途端、連立解消を申し出た。そして、新葬祭は初の女性葬祭の道上幸子に決まった。青梅党代表も野党も大慌てになった。予想外だからだ。地味党では、伝統的に後援者(党員)と現役議員が投票して、選挙する。党員は若者が多く、圧倒的に道上指示だった。議員の方は大きく2分され、若手議員は道上を推し、古参議員は他の候補を推した。「民主主義」の「多数決」の結果、道上以外を押す、前葬祭を含めた反対派議員は認めたがらなかった。新葬祭は、世襲議員でもないし、女癖が悪い訳でもなく(女性だから)、裏金にも関与していない。党員以外にも若者に人気がある。

面白くないのは、隣国買いの国であり、隣国に懐柔された議員、多く天下りしているマスコミ、出自が隣国の年貢省事務員達だった。

新葬祭は賢かった。テレビは出演拒否、記者会見は『文字興し』して、記者達とのやりとりは広報から公表された。

完全に負けていた。地味党古参議員も野党議員もオールドメディアも。

彼らは「アナログ」過ぎた。甘すぎた。

だが、彼らにとって、救世主が現れた。

彼らを隣国に呼んで手懐けた、『乙姫様』の使いだ。

ヨー・ヒキと名乗っていたことは後から知った。。

 

俺は、道上のピンチを感じて、科国会疑似堂に跳んだ。

 

議会は、今日からで、『師範指名選挙』が行われた。

選挙の結果、野党統一候補の玉置等が優勢かと思われた。

「偽物の票で開票しても意味がないわ。」若い女性議員の一人が言った。

その議員が投票箱の底を抜いた。

二重になっていた。

開票する直前、引っくり返したのだ。

「邪魔をするな!!!!!!!」

あるオンナが現れ、そう言った。

「邪魔はアンタよ、ヨー・ヒキ!!」

2人のオンナの激しい闘いが始まった。

 

俺は悟った。若い女性議員はナオだ。

「警備員!!!!!!!」

女性議員がねじ伏せたヨー・ヒキを警備員が連れて行った。

 

道上が目を覚ました時、葬祭に指名されたのは、道上だった。

圧倒的多数だった。

 

道上が引き揚げた控え室には、俺がいた。

「あの議員は誰?久保田議員じゃなかった気がするけど、万華鏡さん。」

「初めまして。万華鏡の『側室』です。」

「おい。今・・・。」

俺とナオが跳んだ先は、どこかのベッドだった。

 

体を合せた後、ナオは消えた。「今日も美味しかったよ、シン兄さん。」

どこかへ跳んだのだ。

どうやら、俺は正室にとっても側室にとっても、『まぐあいの道具』らしい。

 

俺の名は、加賀見進。別名「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋だが、殺すのは、人間とは限らない。

でも、正当な理由でなく、人殺しさせるのは好まない。

この国は、道上が守るだろう。

 

さ、跳ぶか。

 

―完―

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。