俺は、警備員に起こされた。
「もしもし。閉門するんで出て貰えます?」
「すいません。徹夜明けだったから、つい・・・。」
======== この物語はあくまでもフィクションです =========
ここは、『足の国』。
俺の名は、加賀見進。別名「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋だが、殺すのは、人間とは限らない。
俺には聞こえる。殺してくれ、と。
どこの次元でも聞こえている。
跳んで来たのは・・・ベンチ。
俺は、警備員に起こされた。
「もしもし。閉門するんで出て貰えます?」
「すいません。徹夜明けだったから、つい・・・。」
警備員と正門まで歩く内に、ここが大学らしいことが分かった。
「お子さんですか?」「え?」
「入学するのは。」「ああ。姪っ子がね。」
「すみませんでした。」と、俺は警備員に深く礼をして、別れた。
歩いていると、「ちょっと・・・。」と女子中学生らしき女の子に呼び止められた。
女の子は、近寄って来て・・・「違うか。」と、がっかりした。
「誰か、探しているの?」「オジサンに似ているけど、違う。」
そこに、喫茶店のウエイターらしき男が走ってきた。
「忘れものだよ。」と彼は、彼女に財布を差し出した。
何かのアクセサリーが付いている。
「ねえ、オジサン、その話、しない?」
俺はウエイターに尋ねた。
「お勧めは?」「今日はコーヒーゼリーが1割引です。」
「じゃ、行こう。」
3人で、喫茶店に向かった。
ウエイターが去ると、俺は彼女に尋ねた。
「世の中にさ。自分のそっくりさんが3人いるって話、聞いた事ある?」
「ある。俺と、そのオジサン、そっくりさんなの?」
「うん。おじさんさ、鼻の所にほくろあるよね。それと、耳たぶにも。多分、それが印象。声、違うし。私さ。絶対音感、あるんだ。」
「へえ。じゃ、そのオジサンと俺はその特徴が似ているけど、声が違うから別人だと判断したんだ。凄いね。ピアノとか弾けるの?」
「小学校の時、習ってた。お父さんの会社、倒産して・・・それから弾いてない。」
一応、南極ぼけをした。
「面白いけど、4年前にバカ政権になってから、越冬隊は引き揚げた。儲からないから。この通りの、短大、行ってるんだ、バイトしながら。」
女子中学生じゃなかったんだ。
「ひょっとしたら、バイト先、ここ?」
「うん。私、鼻もきくのよ。何か探している、いいおじさんだと思った。」
俺は思いきって、全てを話した。
「ふうん。その、そっくりさんも『殺し屋』って言ってた。」
「この次元で奴らに狙われそうなのは?国のトップ?」
「分からない。でも、フェミニストって言ってるくせに、女性宗理が決まると、非難している「ババア」が3人いる。実はね、テレビの司会者が『皆に嫌われているんだから、死んでしまえって思う人もいるでしょうね』って言ったの。明くる日、何故か首つって死んでた。」
俺は、ババア達の居場所を聞くと、店を出た。
「借りは返したよ、万華鏡。」
1人目。シャーミン党党首、福井みずほの自宅。
跳んで来た俺は、ナイフを投げたオンナに、ナイフを返した。オンナの腹に。
「アンタを助ける義務も義理もない。強いて言えば、新宗理の為だ。警察呼んで処理してくれ。言っておくが、新宗理が放った刺客なんて言いふらすなよ。このオンナはストーカーだ。分かったな。」
「言ったらどうなるの?」「お腹にナイフが刺さる。」
2人目。虚産党党首。田丸銭子の自宅。
跳んで来た俺は、撃たれた拳銃の弾を消した。いや、撃ったオンナの足にめり込ませた。
「アンタは、粛正の邪魔をするのか?関係ないだろう?」
「ある、女子中学生に頼まれてね。義民党党首が宗理になったのは、民意だと聞いている。こいつらの工作が失敗だったのは、『指導不足』じゃないのかな?」
「田丸さん、警察を呼んで、こう言うんだ。私の任期に嫉妬したオンナが暴漢になって現れた。慣れていないのか暴発した、と。」
「私がアンタを売ったら?」
「うったら、撃ち返す。そのオンナよりは腕がいいぜ。」
3人目。フェミニスト連盟。
拳銃の点検を行う、反社。
「代表は・・・ま、いいや。」
俺は彼らをブラックホールに送り込んだ。
俺は、短大に飛んだ。
違う建物だった。年代物の建物だ。
更に跳んだ。喫茶店に。
「更地」にしている最中だった。
「工事予定」を読んだ。
やっぱりか。
すると・・・まあ、いい。
俺の名は、加賀見進。別名「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋だが、殺すのは、人間とは限らない。
時には、「命を狙っている者を助ける」ことで、「狙った相手を助ける」こともある。
この次元の国の未来を守る為に、手段は選ばない。その辺の判断は「殺し屋」かな?
さあ、跳ぶぞ。
―完―