廃校の再利用か。
「遅いぞ、五十嵐。」と、ハンバーガーショップのオンナは言った。
「足の国だったか、あの時はお世話になりました。」と、俺は一応礼を言った。
======== この物語はあくまでもフィクションです =========
ここは、『益の国』。
俺の名は、加賀見進。別名「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋だが、殺すのは、人間とは限らない。
俺には聞こえる。殺してくれ、と。
どこの次元でも聞こえている。
跳んで来たのは・・・どこかの私塾のようだ。
廃校の再利用か。
「遅いぞ、五十嵐。」と、ハンバーガーショップのオンナは言った。
「足の国だったか、あの時はお世話になりました。」と、俺は一応礼を言った。
「礼はいい。私はお前のオンナの一人だからな。」
「五十嵐は、局次長のことも覚えていないのね。」とナオは呆れた。
「あの空間で『再会』した時も覚えていなかった。改めて紹介しよう。局次長の宇田梅子さんだ。お前の『側室』の一人でもある。それより、五十嵐。信の国は、どうだった?後を任せたままだが。」と、力石は言った。
「俺が来ることを言ってくれてたんですね。結局、香川さんの叔父を助けるのでなく、香川さんの叔父と同じ奸計を企む奴らを世間に衆知、香川さんの決意をみせつけました。」
「上出来だ。お前を呼んだのは他でもない。ここ、『益の国』でも『信の国』のように債務相が狙われている。新しい政権の債務相に選ばれた、女性大臣は、元債務省主計局長だった。暴君達の黒幕として暗躍していた税金調査長宮田与一は、事実上『降格』になった。この意味が分かるな。」
「はい、局次長。」「では、引き継ぎ終了。我々は、次の任務に向かう。お前を『食べる』のは、お預けだな。」
そう言うと、力石、ナオ、梅子は消えた。
どうやら梅子は『雌カマキリ』タイプらしい。止揚も相当なものだが。
俺は、債務省に跳んだ。昼休憩の時間だ。
それとなく、事務員のPCを操作した。
そして、新債務省大臣の田山弥生の家に跳んだ。
医師らしき男が、田山の肩に注射を打とうとしていた。
俺は、注射器を男の手から、空中に跳ね飛ばした。
「何をする?」
「何をする?質問が違うな。本物の医師なら、先ず注射器を拾う筈だ。そして、『あなたは誰?』と尋ねる。」
男はナイフを取り出し、田山の首に押し当てた。
俺は、外のSPの所に男を跳ばした。
「聞いています。私を守りに来て下さったのね。何故?」
「新宗理もそうですが、貴方が亡くなれば、また跳梁跋扈が始まる。貴方と新宗理は『大型太陽光エネルギー集積パネル』の設置中止を決めようとしている。ところが、それをよく思わない連中がいる。元税金調査長が親玉だ。失礼。情報収集する暇がないから、貴方の頭の中を読ませて貰いました。」
「頼もしい、エターナル・セキュリティー・パーソンだわ。」
田山を乗せて宗理官邸に向かう途中、お決まりの『煽り運転車』が来た。
しかも、機関銃をぶっぱなして来た。
俺は、中央分離帯のガードレールを少し曲げて、奴らを押し込めた。
奴らは気を失っている。
田山は、警察を呼び、後始末を依頼した。
宗理官邸に到着すると、トラックが横から突っ込んで来た。
俺はハンドルをきることなく、トラックを瞬間移動させた。
トラックは、工事現場に突っ込んだ。
夕方、新宗理は、田山と共に記者会見を行い、『再生エネルギー交付金制度』の廃止を閣議決定した、と報告した。
ついでに、田山は『冒険譚』を面白おかしく話した。
「私には、幸運の女神がついているようです。」
その時、元税金調査長宮田が拳銃で撃った。
弾は暴発して、宮田は手を負傷した。
「ほらね。」と、2人のチャーミングな大臣が言った。
「宮田は自白しました。拳銃は隣国製品です。警察は家宅捜索をして『宝の山』を発見したそうです。利権政治では、国民は納得しません。時代錯誤は、もう終わりにしないと。」
新宗理今市早苗は、笑顔で俺と握手した。
俺の名は、加賀見進。別名「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋だが、殺すのは、人間とは限らない。
時には、荒っぽいこともやるが。
俺が消える前、2人は深くお辞儀し、言った。
「ありがとうございました。天使様。」
照れるな。さ、跳ぶぜ。
―完―