所謂、『罪状認否』が行われている。
俺は、傍聴席にいた。
======== この物語はあくまでもフィクションです =========
ここは、『判の国』。
俺の名は、加賀見進。別名「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋だが、殺すのは、人間とは限らない。
俺には聞こえる。殺してくれ、と。
どこの次元でも聞こえている。
跳んで来たのは・・・裁判所?
所謂、『罪状認否』が行われている。
俺は、傍聴席にいた。
検察官が罪状を読み上げた後、「間違いありません。」と、真上被告は言った。
どよめきが起こった。
その一声を聞いただけで、外に出た人物がいた。
俺は外に出て、注意深く尾行した。
裁判は、前前前前宗理の阿倍野氏に対する銃撃事件だった。
被告は、観衆の見ている前で、応援演説中の阿倍野氏を撃った。
状況は、俺が最初にいた世界と同じだった。
彼が何故『手製』の銃で撃ったか、何故阿倍野氏に近づけたか、何故狙われやすい場所で応援演説を行ったか、謎は多いが、情状証拠と本人の自供で殺人事件として立件された。
だが、有識者の間では、陰謀論や、手製の銃の殺傷能力や、自供の中の疑問点が討論された。
現役の宗理の殉職だった為、何日も討議された上、角義決定で国葬儀が行われた。
俺は、他の次元で、真上と同じ立場の男を見付け、真相を正したことがあった。
彼が言うには、ゲームキャラのコスプレを見せたことのある阿倍野氏の、パフォーマンスの助手として公募に応募しただけだった。新興宗教にのめりこんだ母親のカタキを撃つというシナリオは用意されたものだった。彼は、どこの宗教も信じていなかった。繰り返し見せられたVTRも、その宗教の『広告塔』的なものではなく、社交辞令的なものだった。だから、深く後悔していた。誰も信じられなくなっていた。俺が外に出したお陰で彼は自由になった。ここでも・・・。」
「ここでも、邪魔をする気か?万華鏡。」
阿倍野氏が亡くなって一番得をした、と思われる志田元宗理の家に行ってみた。
一足遅かった。
志田と一緒に倒れていた者達が、その時の『抹殺グループ』であることは、一目瞭然だった。
志田、芝、灘、八沢、林原、知本、県警本部長、SP隊長。
部屋には、火鉢があった。目張り?一酸化炭素中毒か。
一旦、外に跳び、阿倍野氏の「暗殺現場」に跳んだ。
何もなかった。時間軸は合っている筈だ。
「どうした?どうやって、助ける、万華鏡。」
「一人足りないな、と思っていたよ。真犯人のヒットマン。通称買物帰り女。買物カゴは空だったよな。裁判で流れた、真上の殺害現場の映像に、不審な女、不審な男がいた。不審な男は自転車に乗っていた。観衆の一人のように映っている。警察が噛んでいないと出来ない犯行だった。あの場所をセッテキングしたのは林原と志田と芝と部下だ。野党の知本とも組んでいた。皆、阿倍野氏が憎かった。その時、流行病をばらまいた隣国、この世界では『マーの国』の使いがやってきて、シナリオを話した。大した役者揃いだった。負けたよ。俺としたことが、時間軸の後に来るなんて。」
俺は、跳んだ。
県警本部長が、志田の自宅に集まっていた。
そして、『悪魔の訓示』を受けていた。
俺は、悪魔を撃って、火鉢を出現させた。部屋に目張りを忘れなかった。
悪魔の手に拳銃を持たせ、拳銃の弾痕を残した。
俺の名は、加賀見進。別名「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋だが、殺すのは、人間とは限らない。
今回は、忌まわしい事件を『殺し』た。
首謀者が現れなかったら、『広告塔』VTRの存在を消したかも知れない。
さ、次の世界が待っている。
跳ぶぞ。
―完―