異次元の殺し屋   作:クライングフリーマン

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跳んで来たのは・・・地震の被災地だった。
ある男が街宣カーで怒鳴っている。
俺は、聴衆の中に交じって聞いていた。



115.【待っていた来訪者(The waiting visitor)】

 

======== この物語はあくまでもフィクションです =========

ここは、『訪の国』。

俺の名は、加賀見進。別名「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋だが、殺すのは、人間とは限らない。俺のことを仲間は、仮の名の「五十嵐」と呼ぶことが多い。

 

俺には聞こえる。殺してくれ、と。

どこの次元でも聞こえている。

 

跳んで来たのは・・・地震の被災地だった。

ある男が街宣カーで怒鳴っている。

俺は、聴衆の中に交じって聞いていた。

どうやら、新しくできた政権の前の前の宗理らしい。

「皆様の為に・・・。」

「何が皆様の為に、だ、中途半端に放り出して支援しなくなったくせに。政府が支援続行しなければ、何しているんだ、って突っ込む気だ。」

俺は、その猟師に南極ボケをかましてから、現状を尋ねた。

「今、小麦国の大統領が来ていて、新宗理と会談が進んでいる。隣国『麻辣国』の手下だったから、『麻辣国』とばかり仲良くして、小麦国は『小国』扱いだった。この岸部も、次の石焼も酷かった。石焼は、露骨に小麦国を敬遠していた。『麻辣国』は乗っ取ろうとしている敵国で、小麦国は同盟国だと言うのに。大統領の来訪に立ち会いたくないから逃げてきたのさ。核僚でもないのに、何を公約するって言うんだ。」

猟師は、漁協長だった。震災のお陰で漁は壊滅、補助金は『予算オーバー』だと言って、打ち切られたようだ。その分、裏金に回った、という噂がある。『予算オーバー』というのは、『一般会計』で随時用意された災害補助金で、『復興用』は『特別会計』から用意されたのに、『使途不明金』は『行方不明』になった。

 

俺は、石焼の様子を見る必要がない、と感じ、新宗理官邸に跳んだ。

新宗理は、ナイフで首を切られる寸前だった。俺は、『追っ手』の右手に、そのナイフを跳ばした。

「宗理。警備かSPを呼んで下さい。話は、その後で。」

俺は一旦、姿を消した。

実際は、その部屋にいるのだが、姿は見えない。

 

警備もSPもやって来た。

「暴漢に襲われました。合気道を披露しようかと思いましたが、その必要は無かったようです。暴漢は手を滑らし、自分の手にナイフを刺してしまいました。」

 

1時間後。俺は、率直に事情を話した。

「では、他の次元でも政権交代した、国のトップが襲われているのですね。そして、貴方たち次元管理局が事前に、あるいは、その場で助けたのですね。今夜の大統領とのディナー、大丈夫かしら。」

「常に警護出来る訳ではありませんから、SPや警護は厳重に願います。貴方の核領も同様です。」

「分かりました。せめて、貴方のお名前を・・・。」

「万華鏡、と呼ばれています。」

「万華鏡。素敵なお名前ね、ありがとうございます。万華鏡さん。」

 

俺は、ゆっくりと、姿を消した。

とうとう、『おいつおわれつ』になってしまった。

 

だが、俺はやる。

 

俺の名は、加賀見進。別名「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋だが、殺すのは、人間とは限らない。

 

パラレルワールドの次元修復は、いつ終わりになるか分からない。

俺にまつわるオンナ達の幸せも来るかどうかは分からない。

 

迷っている暇はない。跳ぶぞ。

 

―完―

 

 

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