「だれ?」
「あ。間違えました。」
俺は、彼女の頭の中を素早く読んだ。
======== この物語はあくまでもフィクションです =========
ここは、『進の国』。
俺の名は、加賀見進。別名「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋だが、殺すのは、人間とは限らない。俺のことを仲間は、仮の名の「五十嵐」と呼ぶことが多い。
俺には聞こえる。殺してくれ、と。
どこの次元でも聞こえている。
跳んで来たのは・・・テレビ局。MHK(マニュアル放送協会)だ。どこかの部屋だ。
「だれ?」
「あ。間違えました。」
俺は、彼女の頭の中を素早く読んだ。
どうやら、この次元でも、悪政が続いていた後、新しい、国のトップが決まったらしい。そして、同盟国との会談が。
「済みません、総務電波省の真下さんから、メッセンジャーとして来たんですが、ここは、大空常務のお部屋じゃないですよね。」
「大空は私。同じ名字の社員は聞いたことないわ。」
「失礼しました、常務は男性の方だとばかり・・・。」
「頼りないメッセンジャーね。竜崎さんもちゃんと言えばいいのに。で?」
「明日の会合は急遽取り止め、ということです。」
「なんで、電話じゃないの?分かった。下がって。」
「失礼しました。」
成程。新総理と大麦国大統領の会談の中継があるのか。常務直々に陣頭指揮とは。
午後7時。テレビ生中継が始まった。
両首脳が挨拶をし、セレモニーが始まった。
通常はチーフプロデューサーが仕切る所を、大空が仕切っている。
「ぼかし。」
首を傾げながら、コンソールの前の職員が操作する。
「アナウンス。」
「映像が乱れております。暫くお待ちください。」
「屋外。」
社の屋外のヘリが社屋を映す映像に切り替わった。
「つなぎ。」
無関係の映像が暫く流れる。
約1時間の生中継は、「ぼかし」に戻ったところで終了した。
生中継は、この国からはMHKしか行っていない。
隣室では、一斉に電話が鳴り出しだした。
全て計算ずくの妨害か。謝罪オペレーターまで用意しているとは。
街中に跳んだ。
街頭ビジョンを観ていた、ナオやミカと同じ年頃?の女性に尋ねてみた。
「何か、ぼけてたね。折角なのにね。」
「わざとよ。わざと。デモ起こす。起こしてやる!!」
1時間も経たない内に、デモが起こった。
『MHK解体デモ』だ。
『隣国の阿辺の国の命令か?』
『放送免許取り消せ!!』
『MHKなんか要らない』
『嫉妬心丸出し』
『だから、オールドメディアって呼ばれる』
『税金から払ってる援助金、打ち切れ!!』
俺は、総務電波省の真下の家に跳んだ。
30分後。真下と大空の『生中継』と、本物の『首脳会談のセレモニー』がSNSで流れた。
デモが行われている場所に戻った。
いた。「ねえねえ、この投稿、凄いぜ。」と俺が彼女に言うと、皆集まってきて、『鑑賞』した。
俺の名は、加賀見進。別名「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋だが、殺すのは、人間とは限らない。
後は、この世界の若者に任せよう。
さ。跳ぶぞ。
―完―