異次元の殺し屋   作:クライングフリーマン

126 / 150
跳んで来たのは・・・病院。
目の前にいたのは、『輸の国』で出逢った、蔵前悦子看護師長だった。
「お待ちしておりました、神様。」
「神様は止めて欲しい。ひょっとしたら、蔵前さんもスカウトされた?」
「私では、お役に立てませんか?神様。」



126.【クマ被害(Bear damage)】

 

======== この物語はあくまでもフィクションです =========

ここは、『熊の国』。

俺の名は、加賀見進。別名「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋だが、殺すのは、人間とは限らない。俺のことを仲間は、仮の名の「五十嵐」と呼ぶことが多い。

 

俺には聞こえる。殺してくれ、と。

どこの次元でも聞こえている。

 

跳んで来たのは・・・病院。

目の前にいたのは、『輸の国』で出逢った、蔵前悦子看護師長だった。

「お待ちしておりました、神様。」

「神様は止めて欲しい。ひょっとしたら、蔵前さんもスカウトされた?」

「私では、お役に立てませんか?神様。」

「あだから・・・五十嵐って呼んで下さい。皆そう呼んでる。ところで、ここは、『輪の国』じゃないよね?」

「はい。ここは『熊の国』です。名前の通り、熊を祀った神社もあります。でも・・・私が調べたところ、熊は神様でなくなりました。太陽光抽出パネルを無尽蔵に設置した為、エサを求めて山を下りた熊たちは、人間がいようがいまいが、食料を漁り始めたんです。もう冬眠もしないのではないか、と言われています。他の次元同様、党内政権交代が起こりましたが、『輪の国』のあの男に似た男が、党内の反対派になって、色んな攻撃をしています。その1つが『熊対策』です。法律の縛りがあって、愛国隊は直接銃で撃てません。何故か撃つ許可証がある猟友会のみ自由に発砲出来ます。警察も同様です。『やむを得ない場合』でも、内外から愛国隊と新宗理が責められます。」

「他の次元に習うと、設置するだけで補助金が出て、発電なんかどうでも良くなっている。それどころか設置の為の賦課金を電気代に上乗せしている、本末転倒で、人民の電気代節約にならないでいる・・・違ってる?」

悦子はいきなり俺にキスをした。

後で・・・と言おうとしたが、政府事務員だ。

「お盛んだな。」と言い捨て、事務員は去った。

「済みません、はしたないことを。」

「いいよ。楽しみは後にとっておこう。この国のキーパーソンは?」

「10年前、その補助金制度が刻会で決まる前、危険性を説いた学者がいます。暗殺されました。」

「よく調べた。タイムリープは使えるか?」「まだ、能力は何も・・・。」

俺は、悦子を『お姫様だっこ』して、その時間軸に跳んだ。

歩いている高校生からスマホを掏摸して、その学者の位置を掴んだ。

悦子が、高校生を追い掛けた。「これ、落したわよ。」

「ありがとう。」

 

俺達は、新町恒安教授の自宅に跳んだ。

教授は、驚いていたが、興味を示した。

「SFは大好きだよ、明日の参考人聴取会で意見を言った者全員が暗殺され、賦課金反対派の口が塞がれるのか。で、私は何をすればいい?私達かな?」

俺は、用意した地図と原稿を渡した。

 

翌日。新町教授他四人は、『熊ハザードマップ』を開き、危険地域以外のみの設置にし、メーカーは国内限定にするべきだと。どの次元でも、先行きを考えていなかったから隣国の罠にかかったのだ。

 

その頃、設置推進派のピンチを知った隣国から、入国した5人は、空港で足止めを食った。手荷物から麻薬犬が麻薬のにおいを嗅ぎ分けたのだ。

別室に悦子が案内し、俺はホワイトホールに送り込んだ。

ある人が待っている、と言って。

 

空港のホテル。

悦子は大胆なことはしなかった。

だが、局長から聞いた話をしてくれた。

「五十嵐さんとクロスオーバーすると、静まっていた能力が開花するそうです。私、お妾さんでいいです。ほんの少しでもあなたの役に立てるなら本望です。」

 

クロスオーバー、は短かった。

いつか、本気で抱いてやろう。まずは任務だ。

 

2人の腕時計が光った。

俺の名は、加賀見進。別名「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋だが、殺すのは、人間とは限らない。

今回は、悦子の望み通り、『無血解決』だ。それでも、あの男の政策はいつかはコケる。

今は、クマを救っただけでも上出来だ。

さ、跳ぶぞ。

―完―

 

 

 

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。