異次元の殺し屋   作:クライングフリーマン

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跳んで来たのは・・・どこかの会社。
外の看板に、『気象予知センター』と書いてある。
「予知?予報じゃないのか、」
「そうよ、五十嵐さん。」
「え?今日、あなたは、この国の災いを取り払って、お礼にと差し出した私の体を抱くことになる。」



127.【地震(earthquake)】

 

======== この物語はあくまでもフィクションです =========

ここは、『紛の国』。

俺の名は、加賀見進。別名「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋だが、殺すのは、人間とは限らない。俺のことを仲間は、仮の名の「五十嵐」と呼ぶことが多い。

 

俺には聞こえる。殺してくれ、と。

どこの次元でも聞こえている。

 

跳んで来たのは・・・どこかの会社。

外の看板に、『気象予知センター』と書いてある。

「予知?予報じゃないのか、」

「そうよ、五十嵐さん。」

「え?今日、あなたは、この国の災いを取り払って、お礼にと差し出した私の体を抱くことになる。」

「君は?」「あなたの何番目かのオンナ、木津葉子よ。よろしくね。」

そう言って、彼女は私に腕を回し、会社に入って行った。

「皆に紹介するわ。私のハズの、五十嵐進さんよ。私、寿退社するの。後の事は、副社長の宮本君に譲るから、しっかりやって。」

驚く社員を尻目に、葉子は宮本も連れて社長室に入った。

「宮本君は元カレ。ある日、目合(まぐわ)っていると、未来人が現れた。3年後に次元管理局のエージェントに加わってくれ。お前のまぐあう相手がやってくるから準備しろ、と。それで、同じ気象予報士だった宮本と会社を立ち上げた。予知能力は、世間から疎まれる。だから、ずっと隠してきた。私は次元管理局も五十嵐さんも予知していた。宮本は全てを受け入れた。君は大きな世界を守れ、俺は小さな世界を守る、と言ってね。」

「幼なじみなんです。だから、嘘や狂気と思えなかった。何かご質問は?」

「この世界で起きている妙なことは?」

「他の次元と同じように、悪政から国を取り戻した新政権が生まれた。隣国曽の国は面白く無い。大使が露骨に『首を切ってやる』と言って、世間が騒いだ。同盟国A国は、戦争準備を始めたわ。地震は明日、やってくる。国の北部。中くらいだけど、農作物が被害に遭って、また野菜の値段が上がる。それだけじゃない。混乱に乗じて隣国曽の国が攻めてくる。もう仮想敵国じゃない。そして、世論を操作して、また傀儡政権で悪政を行う。」

 

翌日、葉子と俺は、MHKの中にいた。

隣国に向けて発信する、全ての機器を通信不能にした。

昨日の内に、国中の『太陽光電気開発装置』に設置されたミサイル誘導装置に細工をしておいた。

そして、新政権の曹祭穴子真介に、宮本の会社からの『本物の地震予報』を受信し、国民に『お悔やみと注意喚起』をSNSで発信するように助言しておいた。

 

国の北部の海岸。

葉子は、「宮本君、5分前よ。」と合図した。

地震が来た。

これから、パニックが始まり、『気象管理庁』から発表がある。

従来の政権は、その後、対策に追われる。

 

地震15分後。余震と共に隣国からのミサイルが列島付近に到達した。

だが、ミサイルはUターンした。

他の国でもやった手だった。

A国は、隣国曽の国に向けた核爆弾のスイッチを押さなかった。

曹祭は、『お悔やみと注意喚起』をSNSで発信、隣国のミサイルは全て撃ち落とした、と発表した。

 

宗理官邸。宗理は、歓待してくれた。

「どうやって、ミサイルを?」

「『太陽光電気開発装置』に設置されたミサイル誘導装置を誤作動させただけです。山肌を削り、自然破壊を繰り返しながら、二枚舌で『再生可能エネルギー』と称して設置させた装置の鎌首を回転させたのです。失礼なことを言った大使に『鎌首』を固定した。こちらはミサイルは用意しない。そちらが撃った弾の跳弾が多くなるだけだ、と言ってやりなさい。」

「了解しました、万華鏡さん。」と言って、宗理は俺と堅い握手をした。

「もう、行かれるのですか。」「はい。長い旅路です。」

 

俺と葉子が消える時、宗理は深い礼をした。

 

俺は、葉子とのまぐあいの後、あの会社に戻った。

「もし、この国がピンチになったら、駆けつけてくれますか?万華鏡さん、葉子。」

「ああ。その時は念じてくれ。念じるだけでいい。」

 

俺の名は、加賀見進。別名「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋だが、殺すのは、人間とは限らない。

 

俺達が跳ぶ時、新社長は深くお辞儀をした。

 

―完―

 

 

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