目の前に、いつかの敵のオンナがいた。
「借りは返したぞ、万華鏡。」
「・・・ああ、旨かったな、コーヒーゼリー。あれ、君が作ったのか?」
======== この物語はあくまでもフィクションです =========
ここは、『造の国』。
俺の名は、加賀見進。別名「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋だが、殺すのは、人間とは限らない。俺のことを仲間は、仮の名の「五十嵐」と呼ぶことが多い。
俺には聞こえる。殺してくれ、と。
どこの次元でも聞こえている。
跳んで来たのは・・・公園だった。
目の前に、いつかの敵のオンナがいた。
「借りは返したぞ、万華鏡。」
「・・・ああ、旨かったな、コーヒーゼリー。あれ、君が作ったのか?」
「そんなことは、どうでもいい。どうやら、ここは私の『派遣先』じゃなかったらしい。貸しを作る積りはないが、この次元ではテレビを巡って面白いことになっているらしい。今度会ったら、真剣勝負だ。」
「分かった。」
オンナは消えた。その代わり、ミカが出てきた。
というより、どこかで見ていたのだろう。
「いけすかないオンナだな。知り合いか?」
俺は、ざっと一緒に脱出した話、他人に化けてヒントをくれた話をした。
「寝たのか?」「まさか。案外良い奴なのかも、とは思うが。折角ヒントをくれたんだ。手分けして当たろう。」
そう言って。俺は公園のゴミウケに入っていた新聞を拾った。
「成程。この次元では『自国救助隊』って言うのか。テレビ局が、自称自国救助隊員が給料の不満を言ったことで、名誉毀損で国に訴えられた、と書いている。面白いと言えば面白い。他の次元では、新しい国のトップが『電波オークション』していたが。」
「じゃ、私はテレビ局を当たろう。五十嵐は、黒会の方を頼む。」
なんで、あいつが指示しているのか、とよく考えたら、未来人だ。俺より年上になっている。
交通省大臣、私室。
交通省大臣稲葉圭祐、双務大臣大島悟、宗理大臣太宰香苗がいる。
「また、マスコミが騒ぎますよ、宗理。警察が家宅捜査なんて。」
「構わない。『司直の手が入った』という、既成事実が大事さ。」
そう言って現れたのは、副宗理阿南真介だった。
俺は姿を消して、経緯を見守ることにした。
「ひょっとしたら、宗理。スパイをあぶり出す為ですか?」
「ええ。ヒットマンがくるでしょうね。」
「恐くないんですか?」と稲葉が拳銃を構えた。
「警察を管轄する大臣だから、何とでも言い訳出来るってことね。相田元総理も葬ったチームのヒットマンが来るのかしら?ゴマメ党から遺民党に移ったのは、やがて連立解消して遺民党単独政権になることを見越していたのね。」
「テレビ局のスタッフは全て自供したわ。貴方の下部組織の警察がね。」
そう言って、ミカが入って来た。
早いな、。そうか、タイムリープしたか。
稲葉は、拳銃を乱射した。
「拾っておいたよ。こういうの、一度やってみたかったんだ。」
そう言って、俺は稲葉の拳銃の弾を、稲葉の、大きな机に置いた。
「弾の出所を聞こうか。」そう言って、阿南はSPを呼んだ。
1時間後。
「敵はいなかったが、あの小悪党に委託したのでしょう。猟銃免許持ってるし。」
「万華鏡さん、どうして、それを?」と太宰が尋ねた。
俺達が、身分と役目を伝えた後だった。
「稲葉の頭の中を覗きました。」
「次元管理局は、要するに超能力集団か。昔読んだコミックにあったことが現実の世界にもあるとは。つかぬことを尋ねるが、万華鏡さん。勝算は?」
「ありません。でも、やるしかない。パラレルワールドは本来は自然現象なんです。」
「悪用して人口的に増やしている奴らの正体も目的も分からない。でも、我々は選ばれた以上、死力を尽くします。」
「先にそれ言うなよ。」
俺達の腕時計が光り始めた。
俺の名は、加賀見進。別名「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋だが、殺すのは、人間とは限らない。
だが、ミカの言う通り、死力を尽くすしかない。
また、俺達は、別別に跳んだ。
新宗理と新副宗理は深々とお辞儀をした。
―完―