「待っていました、万華鏡さん。先ほど、貴方の上司の方が来られて、あなた方の使命を教えて頂きました
======== この物語はあくまでもフィクションです =========
ここは、『渡の国』。
俺の名は、加賀見進。別名「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋だが、殺すのは、人間とは限らない。俺のことを仲間は、仮の名の「五十嵐」と呼ぶことが多い。
俺には聞こえる。殺してくれ、と。
どこの次元でも聞こえている。
跳んで来たのは・・・宗理官邸。
「待っていました、万華鏡さん。先ほど、貴方の上司の方が来られて、あなた方の使命を教えて頂きました。貴方がこの国、『渡の国』を救って下さるのですか?とお尋ねしたら、『後ほど部下が参ります』と、おっしゃって。私はパラレルワールドのことも、それが故意に膨脹されていることも知りませんでした。」
「では、宗理。困っていることを伺いましょう。」
「他の次元のこともお聞きしております。悪政が続いた後産まれた新政権が、様々な形で妨害を受けていると。この次元、この国だけかも知れませんが、今まで依存していた隣国との交易を整理していくと発表した所、隣国から『渡航制限』を通告してきました。12億の民が黙っていないぞ、と脅しをかけて。私は、例えばレアアースなど、この国の資源があるにも関わらず『無理矢理』輸入して来た、隷従貿易を止めたいだけです。貿易はお互いの利益の為、対等であるべきです。太陽光発電にしてもそうです。『原子力エネルギー』の新しい形もあれば、他の『補助エネルギー』を捨ててまで、『欠陥品パネル』を輸入する必要はありません。極端な隣国依存を正したいだけです。でも、隣国は、『属国扱い』して脅しをかけて来ました。党の内外、マスコミ。敵は多いです。でも、多くの国民が目覚めてくれました。」
「皆までおっしゃるな。ここで死ぬ訳にはいかない。そうですね。」
「はい。」
「理屈の通る国ではないと思います。枝分かれした世界ですから、短絡的な民族が治めているのでしょう。私は、外部より内部から攻めるべきだと思います。国内のツーリスト・海外旅行斡旋会社の所在地、分かりますか。」
すぐに、彼女は、自国防衛大臣を呼んだ。
彼は、宗理のPCを起動させ、パスワードを入力、大手のツーリスト本社の地図を出した。
「どうするんです?」という彼の質問に、「説得するんです。各社のシステムに。」
俺は、『お札』が使えるかどうかを確認してから、一番近いインターネットカフェに跳んだ。
そして、ハッキングしまくった。
どのシステムにも、隣国への旅行がどれだけ危険かというデータを顧客のメールに送り、広報から注意喚起をした。
『隣国からの渡航制限』は、隣国の民の観光客を減らすことだけのことで、自国への観光客は受け入れるだろうからである。それならば、所謂『鎖国』にはならないのだ。
『優位に立っていると錯覚』するヤカラには、逆転させるしかない。
ついでに、『自国から渡航させない』という報告書を各社から自国政府に文書として送った。
宗理官邸に戻ると、外国務大臣が弱り切った顔をしていた。
「政府の姿勢を貫いて下さい。自分から出て行って、『連立解消』した、かつての相方の党と同じ事だと考えて下さい。情に流されては、外交とは言えません。後はヒットマンを食い止めます。新しい国作りを進めて下さい。国民の為に。」
俺は、すぐ、密航が多いと言われる港に行った。
「邪魔するな、万華鏡。」
「断る。」
俺は、最大限の力で闘い、勝利した。
彼は、『溺死』した。
俺の名は、加賀見進。別名「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋だが、殺すのは、人間とは限らない。
今回は別だった。ヒットマンは葬った。
「よくやった、五十嵐。」
後ろに気配を感じて振り返ると、力石だった。
「力石さんが根回しを?」
「ああ。増えて行くからな、次元が。いたちごっこは、いつか終らせないとな。」
「何で、俺をスカウトしたんです?」
「スカウトしたのは、俺じゃない。局長だ。その質問は、今度会った時に局長に直に聞け。」
力石の腕時計も俺のも光り始めた。
「これだけは言っておく。お前は、見込み違いじゃなかった。」
力石も跳び。俺も跳んだ。
次なる戦地へ。
―完―