ここは、力石や局長と出会った場所の風景だが・・・。
ガンバーガーショップの厨房には誰もいなかった。
外に出ると、何もない空間。
======== この物語はあくまでもフィクションです =========
ここは、???
俺の名は、加賀見進。別名「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋だが、殺すのは、人間とは限らない。俺のことを仲間は、仮の名の「五十嵐」と呼ぶことが多い。
俺には聞こえる。殺してくれ、と。
どこの次元でも聞こえている。
跳んで来たのは・・・どこだ?
ここは、力石や局長と出会った場所の風景だが・・・。
ガンバーガーショップの厨房には誰もいなかった。
外に出ると、何もない空間。
やばい。俺は、すぐに戻った。『正の国』へ。
「お帰り・・・てか、忘れものしたの?五十嵐。」
「いや・・・。」
俺は、教授、いや管理官のいる次元を念じて腕時計を触った。
何も起きない。跳ばない。
「ミミー。お前の腕時計、光ったか?」
「いや。まだだけど。」
管理官のいる次元を念じて腕時計を触ってみろ。」
何も起きない。ミミーも跳ばない。
「何かが起こった。」
俺は、事の次第を手短に話した。
「やだ。この次元に閉じ込められた?」
「そうなるな。ここの『払い』は?」
「1日分。」
「この札は使えるか?」とミミーに俺の財布の中を見せた。
「五十嵐。お金持ちだね。使えるよ。」
「じゃ、宿を確保しておこう。着替えろ・・・って、もう着ているか。」
このラブホテルの受付に行って、2日分の料金を払った。
「旦那、浮気かい?未成年?」
「未成年じゃない。童顔なんだ。どういう訳か、女房が嗅ぎつけたらしい。取り敢えず出て、様子見だ。誰か来ても、頼むよ。」と、俺は、その男に向かって、唇に人差し指を当てるポーズをした。
「お安い御用だ。いいなあ。もてて。」と、男は笑った。
外を歩いて、公園まで来た。
ミミーが新聞を探し出してきた。
「出てる、出てる。局のプロデューサーが隣国のスパイで人越ししたことで、放送免許取り上げが閣議決定で決まったって。」
「まあ、スパイだらけだけどな。」
俺は、ポケットサイズの異民族探知機を出した。
行き交う人によって、青く光る場合もあるが、そうで無い場合もある。
「この機械は正常だが、異次元に跳ばす装置に異常が起きた、としか思えないな。」
「どうするの、五十嵐。」
「何か食べよう。腹が減っては、なんとやら、だ。」
「はあ?」
「この辺にファミレスないか?」
「300メートル先にある。」
「行こう。」俺は、ミミーが安心するように手を繋いで歩いた。
傍目には、パパ活する若い子と、デレデレのオッサンに見えるかもな。
「パパ活じゃないよ。一応・・・旦那だからね。」
どうやら、テレパシーは使えるらしい。
ファミレスでランチを食べた後、イチゴパフェを食べながら、「本部は把握しているのかな?」と、ミミーは言った。
「俺達の腕時計じゃなく、元の装置の故障なら、気づかない筈はない。だが・・・。」
「だが?」
「第三者の介入だな、万華鏡。」と、オンナがやってきて、同じテーブルに着いた。
「詳しい事は言えないが、私達も自分の意思で跳ぶんじゃやなく、跳ばされている。私は、あんたら始末したプロデューサーに入れ知恵して、あんたらと闘う筈だった。ところが急に跳べなくなって、プロデューサーは逮捕されることになった。」
「じゃ、休戦だな。起こった何かが収まるまでは、お互い、この次元に閉じ込められることになる。アンタが嘘ついていない限り。」
「嘘つくくらいなら、あんたらを殺すよ。」
「こちらに運びましょうか?」とウエイトレスが、オンナに言った。
「ああ、そうしてくれ。」
「あのプロデューサーに何させる予定だったんだ?」
「世論誘導。失敗だな。所詮、政府のお役人の考えだ、幼稚だ。」
「何か外が騒がしいみたい。」
俺は、勘定を済ませ、ミミーと、敵側オンナと一緒に外に出た。
驚いた。空に大きな丸いものが浮かんでいる。
「渦巻き?違うな。」
「あれは、『ともえマーク』だ。」
「知っているのか、万華鏡。」
「魔除けにも使われているが、俺が昔聞いた話では、『永久』を意味する。それで、家紋、家のシンボルマークによく使われている。」
「永久?」
「メビウスリングなら分かるか?永久ループだ。」
「ああ、それなら分かる。しかし・・・。」
その時、この次元の守備隊戦闘機らしいものが飛び、付近を飛んだが、帰って行った。
「ひょっとしたら・・・。」と、俺は呟いた。
―つづくー