異次元の殺し屋   作:クライングフリーマン

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「今、聞いてきたんだけど、あれが現れる前に地震があったらしい。ここじゃなく、西の地方で。」と、ミミーが言った。
「2ツ巴から3ツ巴(みつどもえ)か。」



143.【再出発(A fresh start)】

 

======== この物語はあくまでもフィクションです =========

ここは、???

俺の名は、加賀見進。別名「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋だが、殺すのは、人間とは限らない。俺のことを仲間は、仮の名の「五十嵐」と呼ぶことが多い。

 

俺には聞こえる。殺してくれ、と。

どこの次元でも聞こえている。

 

しかし・・・。

※前回の粗筋。

万華鏡が跳んだ先は、何もない世界だった。

いや、以前、力石に連れて行かれた、不思議な空間だった。

危機感を覚えた万華鏡は、ミミーがいた『正の国』に戻った。

ミミーも跳べない状態だった。

次元管理局に何かあったに違い無い。

外に出た万華鏡とミミーは、敵側のオンナと遭遇した。

そのオンナも跳べないでいた。

敵側も、組織がエージェントと跳ばしていて、エージェント自身は自由に跳べる訳ではないようだった。

万華鏡やミミーが身に着けている腕時計型の機械も動かなかった。

この機械は、次元管理局とシンクロしないと、自由に跳べないようだった。

そして、3人が空に見たのは、不思議な紋様だった。

 

暫く眺めていると、その紋様の尾が、崩れ始めていた。

「今、聞いてきたんだけど、あれが現れる前に地震があったらしい。ここじゃなく、西の地方で。」と、ミミーが言った。

「2ツ巴から3ツ巴(みつどもえ)か。」

俺が呟くと、「何だ、それ。」とオンナは尋ねた。

「尾が2つある巴は2つ巴とも言われ、均衡を現わしている。だから、くるくる回る。ところが、みつどもえ(3ツ巴)は『三すくみ』とも言って、動かない。動けない。そうか。今しかないな。2人とも俺に掴まれ。」

「どうするの?万華鏡。」「どうする気だ、万華鏡。」

2人の言葉に、俺は冷静に応えた。

「跳ぶんだ、一か八か。」

 

跳んだ先は、教授が、いや、管理官がいる『水の国』だった。

 

教授に会う前の、時計屋の前に跳んだのだ。

「アンタは、帰れ。離れた方がいいだろう。多分、ここからなら、アンタの組織に跳べると思う。」

「何故、分かる?」「カンだ。」

「やっぱり変わってるな、聞きしに勝る・・・。」

オンナは俺に近づき、尋ねた。「妊婦とも寝るのか?万華鏡。」

「おい。」「冗談だよ。今度会ったときは、真っ向勝負だ。いいな?」

「ああ。」

オンナは、どこかへ跳んだ。

 

「聞いたぞ、五十嵐。あのオンナとも寝るのか?」

「俺にも選ぶ権利がある。タイプじゃない。それより、急ごう。」

前回はタクシー移動したが、100メートル先に、教授の研究室、いや、次元管理局の分室があった。

 

俺達の報告を受けて、「そうか。次元全体が揺れたのかも知れんな。」と管理官は言い、「皆が次元に閉じ込められた原因は、その大規模地震だな。地震という表現が適切かどうかは分からないが。」と力石が言った。

そこへ、いつかの3人が来た。

教授と2人の教え子だ。

「メンテナンスが有効でない訳だ。」と、その教授は言った。

俺は手短に、『正の国』の出来事を話した。

「多分、三つ巴の紋様に変わったら、その次元から出られなくなった、いや、消滅したかも知れない。次元と共に。」

 

「じゃ、一服したら、跳んでくれ。万華鏡は左、ミミーは右の扉を使え。」と、力石が言った。

 

跳んだ先には、止揚が待っていた。

止揚は、一目を憚らず俺にキスの集中砲火をした。

 

止揚の気分が落ち着いたところで、『遅れた』原因を俺は話した。

「私も構ってよ、五十嵐。」

気づけば、ミカもそこにいた。

「ここは、『備の国』。この国では、新政権が産まれた後、大使館の大使が暴言を吐いた。ココまでは、他の次元でも起こっている。だが、その大使は、クーデターを起こした。隣国では、いざという時の為に『民族総活躍法』という法律が制定されている。早い話が、有事になったら、祖国に協力して、その国を支配下におけ、というものだ。だが、『お前の汚い首を切ってやる』と暴言を吐いた大使は、文字通りの行動に出た。工作員として潜入させてある留学生やバイトを使って、暗殺を謀ろうとした。そこで、お前の『恋女房』と『妹分』の出番だ。」

恋女房?そうなの?

 

「新政権の宗理は守った。だが、今度は、今言ったクーデター軍が組織された。」

「厄介だな。」「ああ、市民国民は闘いに慣れていない。大使は、自分の国を作ろうとしている。この国の民族を『奴隷階級』にしてな。」と止揚が説明し、「この国の『防衛隊』も必死に闘っている。だが、劣勢だ。」とミカが付け加えた。

「原因になる時間軸は?」

「暴言を吐くキッカケは、ある新聞記者の『ちょっかい』らしい。」

 

一週間前。問題の暴言が吐かれる前の日に俺達は跳んだ。

そして、『ゲラ』になる前の原稿に手を加えた。

 

大使は暴言を吐かなかった。

 

再び、新聞社に跳び、編集会議に潜り込んだ。

「だから、何でボツにしたんですか?」

「ボツにしてねえよ。お前が心変わりしたんだろ?」と、デスクと呼ばれる管理職は言った。

 

「入れ替えられたんだろ?出てこいよ、下品な奴ら。」と、黙っていた、非常勤取締役が言った。

 

俺達は3人揃って姿を現わしたが、止揚が記者達をホワイトホールに跳ばし、ミカがSNS録画をセットした。

 

急襲した、敵側のオンナを鎮圧した俺は、大使館に跳んだ。

オンナと大使はナイフを差し違えした。

 

俺達3人の腕時計が光り出した。

「止揚。ミカを初め、俺に接触した女性を『側室』にしたのは管理官で、『おんな戦士』が必要だったんだと思う。俺は今、思い出した。お前と結婚して籍を入れたことを。平和になっても、『用済み』で捨てたりしない。仲間だから。」

 

俺の名は、加賀見進。別名「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋だが、殺すのは、人間とは限らない。

 

俺が言った後、すぐに跳んだ。

2人に届いたかどうかは分からない。

 

でも、俺には死命がある。

正面の敵も、第三者の敵もやっつけるさ。

十一人のオンナ達とな。

 

―完―

 

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