あ。跳んだ。
「だから、役立たず、と言ったんだ。特に宇南田朋美。LGBTが『防衛』に必要か?欧米で流行っている?どこのニュースソースだ。
======== この物語はあくまでもフィクションです =========
ここは、『無の国』。
俺の名は、加賀見進。別名「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋だが、殺すのは、人間とは限らない。俺のことを仲間は、仮の名の「五十嵐」と呼ぶことが多い。
俺には聞こえる。殺してくれ、と。
どこの次元でも聞こえている。
跳んで来たのは・・・この国の総理私邸か。
あ。跳んだ。
「だから、役立たず、と言ったんだ。特に宇南田朋美。LGBTが『防衛』に必要か?欧米で流行っている?どこのニュースソースだ。外国では失敗した『思想』、いや、『嗜好』だ。恋愛の自由は、憲法に書かれているじゃないか。読んだことないのか?貴志田も縊死場も、次の改造内閣で外す。」
俺と力石は、宗理私邸から程近いところにあるファミレスで、PCにイヤホンを挿してモニタリングしていた。
力石が仕掛けた防犯カメラでの盗撮録画映像を観ていた。
力石はカレーパン、俺はすいかフラッペ。
変なオッサン達だとウエイトレスは露骨に言った。
力石は「気にするな。あいつもお前の女、律子だ。」と言った。
「で、どう思う?」
「どう思うって・・・他の次元で見た、暗殺された元総理に似てますね。」
「ああ。ここでは、安倍真内閣総合大臣だ。問題は、あの女大臣だ。他の次元では、宇南田に該当する大臣は、安倍間総理の後の総理貴志田の時に大臣やって、『LGBT差別撤回法』を成立させて、縊死場が総理になった時、目立たなくなった。」
「そして、新政権、ですか。宇南田は総理になりたかったのかな?」
「冴えてるね。律子が奮起させたか?」
「止めて下さいよ。パワハラですよ。」
力石は直接の上司だが、次元管理局には偉いさんが多い。
1番話がしやすい先輩だ。
「三谷沢教授のことは覚えているか?先日、俺がいない間に会ったと思うが。」
「はい、北野君、南出君と共にスカウトしたんですね。女の子しかスカウトしないかと思いました。」
「やはり『寝た相手』以外は、よく覚えているか。せ、教授が言ってたんだが、お前が会った人間で、怪しい人物が、宇南田と、『裁の国』の赤藤登喜子だ。」
「会った人間って・・・。」
「勿論、データベースがあるよ。お前の履歴の」
「赤藤は老婆でしたよ。」「精神は?」「精神は・・・老婆じゃない。」
「話を戻して、安倍真元総理が亡くなって、一番得したのは?」
「あの、叱られている3人ですね。」「そう、だから、ヒットマンを頼んだ。どこかの次元のヒットマンに。」
「あ。次元が違うから足取りが掴め無かった。」
「そういうことだな。そして、次元をコントロール出来るのが・・・。」
「次元管理局。あ、異星人、って誰か言ったような。」
「これは、俺の推測だが、赤藤と宇南田の『憎しみのパワー』を利用した奴がいる。」
「あ。思い出した。力石さん。亡くなった敵のエージェントの一人が『本当の敵は異星人』って言ってました。」
「繋がったな。次元管理局に裏切り者がいて、同じような組織体系を作ったのではないか?と管理官が言っている。それが、俺達とおいつ追われつしている敵だ。次元管理局では、次元を増幅させることは不可能だ。三谷沢教授によると、ビールスと同じで自然に発生する次元と、人工的に作られた次元がある。増幅を止めるのが先決で、晴らそうとすれば、また禍いを導くお前が遭遇した次元だが、あの地震の影響で消滅した。」
「異次元野郎の次元の実験の失敗ですか?」
「そうなるな。ちょっと時間軸を先にしてみよう。」
タイムリープすると、焼け野原だった。
少しずつ跳んだから分かった。この次元では、縊死場の後を宇南田が継ぎ、敵国に蹂躙されて、進駐軍が滞在するようになった。
国民の男性は奴隷労働を強いられ、縊死場や貴志田は狂い死した。
国民の女性は、レイプされる為に存在し、衣類の着用は認められなかった。
本来の国民の『少子化』はストップした。いや、ゼロになったのだ。
子供は、隣国人か他の国民の子供しかいなくなった。
『虚産主義』は『軍国主義』でしか無かった。
彼らが散々バカにしてきた『軍国主義』でしか。
『負け犬』は負け犬でしか無かった。
俺と力石は、新政権の曹祭選挙時に潜り込み、初の女性総理高石克江を誕生させた。殺される前に救い出して。
宇南田を殺しに行ったら、俺達の目の前で消えた。
殺されたのでもなく、跳んだのでも無かった。
存在が消えたのだ。
詰まり・・・。
俺の名は、加賀見進。別名「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋だが、殺すのは、人間とは限らない。
力石は、気を利かせた積りか、「跳ぶのは明日でいい。」と言い残して消えた。
背後から律子にクビを締められて。気が付くと、ベッドの前で仁王立ちしている律子がいた。
恐怖を感じた。
―完―