異次元の殺し屋   作:クライングフリーマン

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38.【因果(cause and effect)】

 

======== この物語はあくまでもフィクションです =========

ここは、『廻の国』。

俺の名は、「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋だが、殺すのは、人間とは限らない。

 

俺には聞こえる。殺してくれ、と。

どこの次元でも聞こえている。

 

「敗戦の日」祈念式典会場。今日は8月15日。

え?時間軸がまた、ブレた。

前の次元では、式の直前だったが。

国のトップは『80年前談話』とやらを言ってしまったか。

 

俺は迷った。タイムリープするべきか。

会場を、国のトップらしき人物が取り巻きと一緒に降りて来る。

その時、1人の少年の声が聞こえた。

「なんで、何でこの国を売ったんだ!アンタを育ててくれた国を。そのくらい愛野さんが憎いのか?これで仕返しが出来たと思っているのか!!」

 

取り巻きや記者達には聞こえなかったらしい。

 

1時間と経たない内に、隣国の軍隊がやってきた。

空から、海から。

翌日。隣国人以外の外国人の移民は暴動を起こした。

『自治区暫定政府』が「『廻の国』元国民は、勤勉だから奴隷にしてやる、他の民族には何も与えない。死、以外は。」

 

『廻の国』の神領達・政治家達は、忠誠を誓っていたのだから、一般人と違って優遇されると思い込んでいた。だが、『用済み』だから、と放り出された。

既に多くの人間が隣国人と入れ替わっていたから、『整理』しただけだった。

酷会議擬餌堂から出てきた、国のトップに、少年が立ちはだかった。

 

「これが、アンタの望んだ未来か。個人的な復讐の為に国民民族を巻き込んで不幸にすることが。」あの少年の声だった。

少年は、泣くこともなく、叫ぶこともなく、冷静に国のトップに向かっていた。

 

「誰だって欠点はある。短所はある。短所を長所に変えることが出来るのは自分自身だ。アンタは分かっていた筈だ。自分の中の『意地っ張り』が命取りだということを。いつも誰かがアンタを庇っていた。味方していた。甘やかされて育った。アンタが振るっていた『透明の斧』はもうない。」

 

俺は気づいた。少年の正体を。

 

俺は、国のトップ夢野大介に言った。

「あんたには見えてたんだろ?その少年。他の人間には見えてないけどな。」

「あんたは、誰だ?」

「異次元の殺し屋・万華鏡。でも、俺の出番はないな。きっと、『自分自身』を求めれば昇華できると思うよ。」

 

国のトップだった男は、泣きながら少年に手を差し伸べた。

少年は、男の手を堅く握りしめた。

 

2人は、いや、1人は消えた。

2人に気づいてやってきた、隣国の兵隊は、近づき虚空を掴むことになった。

 

「あんたは、魔法使いか?」と隣国語で兵隊は尋ねた。

「通りすがりの、殺し屋さ。」

 

今度は兵隊が消えた。

街は静けさを取り戻した。ある男の『存在』と引き換えに。

 

俺の名は、「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋だが、殺すのは、人間とは限らない。

今回は、俺の出番は少なかったな。

 

じゃ、次の世界に跳ぶか。

 

―完―

 

 

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