異次元の殺し屋   作:クライングフリーマン

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跳んで来たのは、あるプールだった。
誰もいない。貸し切りか?




42.【錯覚(illusion)】

 

======== この物語はあくまでもフィクションです =========

ここは、『根の国』。

俺の名は、「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋だが、殺すのは、人間とは限らない。

 

俺には聞こえる。殺してくれ、と。

どこの次元でも聞こえている。

 

跳んで来たのは、あるプールだった。

誰もいない。貸し切りか?

 

1人泳いでいる人がいた。

ロッカーに行くと、レンタル用らしき海パンがあったから、着替えて、俺も泳いだ。

30分後。チェアに上がると、お互いを紹介した。

俺はまた、南極ぼけをした。

 

「そうですか。海乃さんは、ご存じないんですね、『根の国』の混乱を。」

問いかける迄もなく、秋川と名乗る男は、すらすらとしゃべった。

水泳のアスリートだったが、急に海外に行けなくなった。

「国が無くなるから、って所属団体が倶楽部を解散、クビですよ。私は独身だからまだマシだけど、家族いる人は大変。亡命しましたよ、『平和』な国に。」

「『根の国』は平和じゃなくなるから?」「まあ、そうです。」

 

「どんな人なんです?久留間総代って?あ。総大臣か。」

「かなり詳しく調べた人がいてね。子供の頃、この国に帰化して、産まれた隣国差異の国に恩義があるらしい。今まで、巧に隠していたらしい。で、本性をむき出しにしてきた。差異の国の方が上なんだから、この際併合して貰おう、と。」

「勝手ですね。」「そう。個人の感想じゃないですか、我々は恩義感じる理由がない。」

「議会も後押し、何核もスルーですか。民主主義もへったくれもない。」

「そうなんですよ。みんな怒ってる。『敗戦の日』だから丁度いいから『白旗上げる』って言ってましたが、流石に周りが止めたらしい。まあ、直接的で無かっただけでしたけど、式辞は。で、今度は9月2日にやらかすんじゃないか?って言われてる。」

「9月2日?何の日でしたっけ?」「国際的に『戦争の終結記念日』と言われていますね。」

「詰まり、『隣国白旗宣言の日』の予定をしていると?」

「残念ながら、そうですね。」

彼の頬から涙が一筋流れた。

 

「大叔父が、その戦争で戦死しましてね。母の、祖母の自慢でした。死ぬまで、この国を『母国』と呼びたいですね。」

彼が顔を上げた時、俺はもういなかった。幻だと思ったかも知れない。

 

久留間総代・総大臣の車中。

「久留間さん、ホントに差異の国に身売りしていいんですか?」

「ん?いつもの運転手じゃないのか。君、失礼なことを言うと・・・。」

「言うと?」

久留間はスマホを取り出した。

「あ。圏外みたいですよ。」

久留間は、脱出しようと試みたが、ドアは開かなかった。

 

自動車は、ゆっくりと停車した。

久留間が降りると、何故かどこかの部屋の大きなテーブルの前の椅子に括り付けられていた。

あ。

テーブルの上には、久留間の親族の生首が並んでいた。

「どうして、私達の臓器が〇〇〇〇・・・・。」

 

「た。助けてクレー!!」

「大丈夫ですか、総大臣。」と入って来たのは、以上にお腹の大きい垢坊長官だった。

「うっかり、寝てしまったよ、囃子君。今は、いつだね?」

「いつ?・・・9月3日午後3時ですが。」

「式典は?」「点滴足りなかったんかな?低血圧になられたので、途中退席されました。原稿が見当たらないので、司会が気を利かせて来賓の挨拶に進めました。」

 

コンコンとノックして、入ってきた男が言った。

「昨日、解散総選挙を宣言なさったので、いいタイミングでした。お聞きしたいことがありますので、御案内します。」

SPが数人で久留間を囲んで部屋を出た。

追い掛けようとした記者は、押しとどめられた。

 

昨日、俺は秋川に再会した。

南極ぼけを封じて話をした。

「明日、明らかになるでしょう。総代選挙には出られません。対立候補がいないから、臨時総代選挙はすぐ終るでしょう。後始末、大変ですけどね、貴方のお母さん。」

 

俺が秋川の家を出る時、次期総代は尋ねた。

「貴方、どなたと話していたの?」

「幻、さ。」

 

俺の名は、「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋だが、殺すのは、人間とは限らない。

 

後は任せたよ、秋川親子に。

 

さ、次は、どんな世界かな?

 

―完―

 

 




1人泳いでいる人がいた。
ロッカーに行くと、レンタル用らしき海パンがあったから、着替えて、俺も泳いだ。
30分後。チェアに上がると、お互いを紹介した。
俺はまた、南極ぼけをした。
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