異次元の殺し屋   作:クライングフリーマン

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跳んで来たのは、ある郵便局だった。
俺は、運がいいのか悪いのか、郵便局強盗に出くわした。
男は、紙を突き出し、ナイフを突き出していた。
俺の知ってる限り、郵便局には、大して現金はない。
恐らくは・・・え?郵便局員は、素直にバッグに現金を入れた。
強盗は、堂々と出て行った。



43.【不毛(barren】

======== この物語はあくまでもフィクションです =========

ここは、『努の国』。

俺の名は、「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋だが、殺すのは、人間とは限らない。

 

俺には聞こえる。殺してくれ、と。

どこの次元でも聞こえている。

 

跳んで来たのは、ある郵便局だった。

俺は、運がいいのか悪いのか、郵便局強盗に出くわした。

男は、紙を突き出し、ナイフを突き出していた。

俺の知ってる限り、郵便局には、大して現金はない。

恐らくは・・・え?郵便局員は、素直にバッグに現金を入れた。

強盗は、堂々と出て行った。

 

俺は、隣の『利用客』に尋ねた。

「今の、強盗じゃないんですか?」

「相手が『努の国』国民じゃないでしょ。だから、通報しないんです、警察に。」

「なんで?」

「なんで?って、知らないの?」

俺は、訝る女子大生に、南極ぼけをかました。小声で。

 

女子大生は、私の手を取り、郵便局を出た。

「オジサン、急ぎの用事だった?」

「いやその・・・切手買おうと思って。」

 

彼女が俺を連れて行ったのは、ラブホテルだった。

「ここが一番安全。ここの従業員は、『努の国』民しかいないから。オジサン、南極って作り話、信じると思った?」

「ごめんなさい。」

俺は素直に正体を明かした。

「殺し屋?どこに拳銃持ってるの?股間?・・・やだ。私、レイプされてから頭がおかしいわ。」

「え?」

 

彼女の話では、恐らく他の次元より早く『最悪の日』を迎えたようだ。

今まで、司法は外国人犯罪を『見て見ぬ振り』だったが、『合法』になってしまった。

この国の富裕層は、外国に逃げ出した。

外国人にレイプされても、「喜んで、産みなさい。」と、警察に説諭されてしまう。

労働の義務・納税の義務があるのは、『努の国』民だけだ。外国人は何をやっても許される。

 

見た目では分からないから、『民族IDカード』を、この土地に住む全員に持たせ、『民族IDカード』が『努の国』の場合と、そうでない場合は、ハッキリと区別された。

権利が認められているのは、『努の国』を話す権利と、『産む権利』だけだ。

話す権利の方は、『浄化』とやらに時間がかかるから、今現在だけの話。子孫は『努の国』語教育ではなく、『竜宮国』語教育だ。

古今東西、男は子供を産めない。だから、女性よりも身分が低い。

 

何か吐き気がしてきた。

この国、『努の国』のトップも『おもてなし』が過ぎて、洗脳されてしまった。

国会議員も自治体の議員も、僅か1%では、何も出来ない。

民主主義国家は、他国への『ハッタリ』に過ぎない。

 

俺は、女子大生に教えられた時間軸にタイムリープした。

 

「この国は、戦争に巻き込んでしまった。言葉や薬方を教えてくらた、大事な隣人、『竜宮国』に対して失礼なことをしたんだ。だから、『反省』して、2度と戦争を起こさないように『竜宮国』に統治して貰うんだ。それが『国を滅ぼさない方法』だ。邪魔をする者は『消えて』貰う。」

堂々と、国のトップ五味越智進は、内包閣議で宣言した。

そして、与党ミンミン党の党首選挙代表候補者は、暗殺されて行った。

 

五味越智が『全議会承認会議』で承認されようとした時、声がかかった。

「ちょっと待ったあ!!」

模様はテレビでもSNSでも中継された。

そして、インサート映像には、候補者三人が暗殺される様子が映し出された。

どの場所で、どのアングルで撮影されたか、は問題では無かった。

『殺されかかった』三人は、揃って唱和した。

「人殺しにトップの資格はない。文字や薬方を教えてくれた民族を滅ぼした民族に尻尾を振って、この国を滅ぼそうとした犯人に、トップの資格はない。」

どこからか、黒ずくめの男が現れ、五味越智に手錠をかけた。

そして、連行されて行った。

 

三人は口々に叫んだ。

「この国は、『努の国』国民のモノだ。」

「国際的に『鼻つまみ』民族に隷従する謂れはない。」

「他国人は要らない。そして、他国人の手先も要らない。出て行って貰う。一両日の内に。」

 

『努の国』は、女子大生が描いた政治体制『合議制』国家になり、主権は国民に戻った。

 

俺の名は、「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋だが、殺すのは、人間とは限らない。

五味越智のことは、国民に任せよう。

 

さ、次の世界は、どんなかな?

 

―完―

 

 

 




俺は、隣の『利用客』に尋ねた。
「今の、強盗じゃないんですか?」
「相手が『努の国』国民じゃないでしょ。だから、通報しないんです、警察に。」
「なんで?」
「なんで?って、知らないの?」
俺は、訝る女子大生に、南極ぼけをかました。小声で。
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