異次元の殺し屋   作:クライングフリーマン

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跳んで来たのは、あるビル。控え室から、ゾロゾロと大きな部屋に入っていく。
幾つものテーブルが並んでいて、テーブルの上には等間隔に電話と電話に繋がるヘッドホン。そして、マニュアルと割り当て電話番号。点呼はなく、管理者の説明が十数分あった。
どうやら、「どろーん調査」を人海戦術で実行する為に集められた集団のようだ。
両隣のオペレーターの様子を見ながら、俺は真似て電話をし、ノルマを果たした。



51.【総意(consensus)】

 

======== この物語はあくまでもフィクションです =========

ここは、『泪の国』。

俺の名は、「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋だが、殺すのは、人間とは限らない。

 

俺には聞こえる。殺してくれ、と。

どこの次元でも聞こえている。

 

跳んで来たのは、あるビル。控え室から、ゾロゾロと大きな部屋に入っていく。

幾つものテーブルが並んでいて、テーブルの上には等間隔に電話と電話に繋がるヘッドホン。そして、マニュアルと割り当て電話番号。点呼はなく、管理者の説明が十数分あった。

どうやら、「どろーん調査」を人海戦術で実行する為に集められた集団のようだ。

両隣のオペレーターの様子を見ながら、俺は真似て電話をし、ノルマを果たした。

 

2時間位オペレーションした後、次のグループと入れ替わった。

点呼は無かった。

 

少し離れた場所のビルに、コンビニとファミレスがあった。

両隣に座った、女子大生らしき女の子2人がいた。

他に空席がない訳ではないが、声をかけた。

「空いてる?さっき、仕事で一緒だったね、お疲れさまでした。」

「お疲れさまでした。オペレーター、色んな人がいたね。」

「実はね・・・なかなか仕事なくて。」

久しぶりに南極ボケをした。

「そうか。オジサン、今、大変なことになってるのよ。あの『どろーん調査』、総理位は辞めなくていい、って、誘導してるけど、選挙で国民はNOを突きつけてるのよ。詰まり、与党大敗。なのに、退陣しない。オマケに、こんな姑息なことして、『どっちでもいい』派を取り込もうとしている。どんな具合か確かめに来たら、案の定だった。オジサン、どう思う?」

「退陣すべきだね。今までの国のトップは潔く辞めて他の者と交替してきた。国民は、どんな人か分からないけど、一応は期待するよね。支持率は捏造しなくても、自然と少しは上がる。分かってないよね。」

「そうよ、そこなのよ。オジサンは見ていないだろうけど、外国人だらけになった街は荒れ放題、無法地帯よ。そんな外国人に、私達が納めた健康保険料や税金が転用されている。『生活困窮者保護』だって、法律に書いていないのに、平気で外国人を優先してお金あげてる。書類1つで。」

「あの人の考え方だと、この国の民族は下級民族、他の民族は皆上級民族。噂じゃ余所の民族らしい。総理位大臣も他の大臣も、野党の議員も。」

「野党の議員も?選挙要らないじゃない。」もう一人の女の子が言った時だった。

屈強な男達が俺達のテーブルを囲んだ。

「お嬢ちゃんたち、りんかんがっこうに行かない?」と、その一人が言った。

 

仕方がない。五分後。男達は万歳した格好で、窓際で立っていた。

精算をして、外に出ると、最初の女の子が「オジサン、もしかして?」と言うので、「うん。シーアイエー。大統領勅命で調査に来たんだ、内緒だよ。」と言い、呆然としている女の子達を尻目に、俺は駅に向かって歩き出した。

翌日。どの新聞も支持率について「ゼロ%」と書いた。

 

本当は、違う数字が下原稿には書かれていたが、俺は、ちょっと細工しておいた。

お昼前。記者会見が行われた。

「あり得ないだろう。デマだよ。」そう言う総理位の近くに紙飛行機を飛ばしてやった。その紙には、「実数」と訂正して書いた数字が書いてあった。

記者達は、こぞって、その紙片を拾い上げた。

拾い上げたのは、記者達だけでは無かった。

「退陣派推進」の議員達だった。

その議員の1人が俺に尋ねた。

「貴方は、一体?」

「かみ、の使いかな?」

 

俺は腕時計を触った。次の世界に跳ぶ為に。

もうこの次元では「自浄」するだろう。

 

―完―

 

 

 

 




少し離れた場所のビルに、コンビニとファミレスがあった。
両隣に座った、女子大生らしき女の子2人がいた。
他に空席がない訳ではないが、声をかけた。
「空いてる?さっき、仕事で一緒だったね、お疲れさまでした。」
「お疲れさまでした。オペレーター、色んな人がいたね。」
「実はね・・・なかなか仕事なくて。」
久しぶりに南極ボケをした。
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