ここでは、自衛隊とは呼ばないか。パラレルワールドだからな。
すぐにパイロットは後部座席の異常に気づいた。
「こちら青島機。計器に異常が見られたので、直ちに直近の無人島に不時着し、点検します。」
「了解。」
======== この物語はあくまでもフィクションです =========
ここは、『砂の国』。
俺の名は、「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋だが、殺すのは、人間とは限らない。
俺には聞こえる。殺してくれ、と。
どこの次元でも聞こえている。
跳んで来たのは、自衛隊機複葉機の中。
ここでは、自衛隊とは呼ばないか。パラレルワールドだからな。
すぐにパイロットは後部座席の異常に気づいた。
「こちら青島機。計器に異常が見られたので、直ちに直近の無人島に不時着し、点検します。」
「了解。」
不時着するまで、五分とかからなかった。
青島は身構えた。「何者だ。どうやって搭乗した?」
俺は、包み隠さず話した。
初めは警戒心で一杯だった青島は、すぐに理解し、名乗った。
「俺は、青島二尉。殺し屋さんとは呼びたくないから、仮名でいい。名乗ってくれ。」
「室井だ。室井伸吾。」
「あんたの話を纏めると、世界は並行世界、パレレルワールドで構成されていて、その、どこかの次元で起きた事象が影響して、それぞれの次元が歪んだ世界に変容していっている。その中心にいるのが国のトップであり、そのトップを動かしている元凶が隣国か。確かに、この『砂の国』は、どんどんおかしな方向に向かっている。国民の命を守るのが国衛隊なのに、もう守り切れない位隣国は領空侵犯・領海侵犯を繰り返しているのに、政府は知らん顔だ。今の宰主相芝家は、以前、国衛省大臣だった頃、隊員を切り捨て逃げ出した人物だ。結果的に失敗に終ったようだが、隣国の属国宣言をしようとしていた。俺のオヤジは、国衛隊の飛行機乗りだった。爺ちゃんもだ。そして、先の大戦では軍隊の飛行機乗りだったのが、ひい爺ちゃんだ。災害時、必死に救助活動しているのに、頭のおかしい者達が、戦争の準備をしている、人殺しの準備をしている、と罵った。」
「実際は、有事に国を守る為に訓練しているのにね。」
「あんた、殺し屋なんだろ?誰を殺す?」
「異次元の殺し屋だ。殺人とは限らない。違う方法を採ることもある。」
「詰まり、『広義の殺し』、歴史の改ざん、いや、修正か。いいだろう、あんたはあんたの『計器の異常の確認』をしてくれ。俺に何か役立てることは?」
「国の議事を行う建物の緯度・経度を教えてくれ。」
「了解した。」青島は、筆記具を使わず、口頭で答えた。
「殺し屋、と言ったが、室井さん、あんたは天命で、歴史の調整をする任務を行っている、と俺は判断した。俺は、愛機を調整する。お互いに任務を果たそう。」
青島は手袋を脱ぎ、握手を求めた。俺は快く応じ、握手をした。
俺が数歩歩くと、青島は敬礼をした。
俺は跳んだ。天命か。考えたこと無かったな。
気が付くと、俺は芝家の近くにいた。
国家議事堂だ。俺は、省事務員の1人に見えたかも知れない。
芝家は、『返答場所』に移動し、しどろもどろだった。
芝家が、カンニングする為にこちらに来たので注射を打った。
芝家は、倒れた。別の事務員が救急車を呼んだ。
俺は、救急隊員に言った。「枠朕を打つのを忘れていたので、打ってくれと言われて。」
俺は、偽の身分証を見せるのを忘れなかった。
翌日。全国で、枠朕の副作用が話題になった。
時の、国のトップが枠朕を打って倒れたからだ。
『1回目』は、大衆の面前で芝家は枠朕を打った。いや、打ったことになっている。
連鎖反応か?国中の枠朕予約はキャンセルになった。
来年の秋までは、もつかな?注射は。
国がもつかどうかは、宰副相次第だろう。宰副相筧は、全てにおいて芝家と反対の方針だと青島から聞いていた。
青島、筧、国を守ってやってくれ。
俺は念じながら、時計を弄った。次の世界に行くために。
―完―
不時着するまで、五分とかからなかった。
青島は身構えた。「何者だ。どうやって搭乗した?」
俺は、包み隠さず話した。
初めは警戒心で一杯だった青島は、すぐに理解し、名乗った。