俺の目の前には、この国のトップらしい人物。
そして、数メートル先には、目の前の人物とは違う、国のトップらしい人物。
しかも、その人物の前には、俺に似た人物。
======== この物語はあくまでもフィクションです =========
ここは、『混の国』。
俺の名は、「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋だが、殺すのは、人間とは限らない。
俺には聞こえる。殺してくれ、と。
どこの次元でも聞こえている。
跳んで来たのは、ええっ!!
俺の目の前には、この国のトップらしい人物。
そして、数メートル先には、目の前の人物とは違う、国のトップらしい人物。
しかも、その人物の前には、俺に似た人物。
「お前は誰だ?」「お前達は誰だ?」
四人同時に言った。
まるでコメディだ。
待てよ。あの教授の話では、並行世界はどこかで混じり合っている。
次元を越えるのは、その接触ポイントを跨ぐことだ、と。
「風船がくっついている場合の考え方が、パラレルワールドだが、例えば泡のくっついている場合なら、タイムパラドクスでなく、混じり合っている為お互いが干渉する。」
今が、その時だ。
俺は、2人の、国のトップがいるとややこしいから、時計を弄って場所を変えた。
「あんたは、だれだ?俺の名は、「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋だ。」
俺から名乗ると、もう一人の俺が返事をした。
「俺の名は、『異次元のパトロール警官』。次元の『調整係』だ。」
「推測だが、俺が跳んで来た世界と、本来のあんたの世界は別々に存在している、何らかのアクシデントで・・・世界がクロスした。あぶくが混じるように。」
「すると、『融合世界』が出来たと言うより、元に戻る可能性があるな。」
「提案だが、お互いの時間軸や場所を変えるのはどうだろう?」
暫く考えた、もう一人の俺は応えた。
「いいだろう。これ以上お互いに干渉しない方が無難のような気がする。」
俺は、今までの、他の次元での経験から、この国のトップも悪政を行い、国民に嫌われていると考えた。
モールに行ってみたが、そうすれば分からない。
本屋の従業員口から、『早番』らしき女性店員が出てきたので、後をつけた。
公園のベンチに腰掛けた彼女の後ろ側のベンチに座り、俺は声をかけた。
「その本なら読んだことがある。結末を教えると白けるから言わないが、メインの人物は、他の作品からのゲスト出演だよね。
「ストーカーじゃないのね。」「ご明察。色んな知識を持っていそうな君の協力が必要だ。助けてくれないか。」
俺は、単刀直入に、彼女に事情を話した。
「パラレルワールド。本当にあったのね?詰まり、この『混の国』のトップはまともか?って話ね。何十年も前からの計画だったらしい。隣国覚の国は、『混の国』に怨みがあって、いえ、妬み嫉み、詰まり嫉妬心が大きくて、軍事侵攻だけでなく、『国のトップの洗脳』に成功したの。ところが、彼を辞めさせられる権限の人がいない。「国家反逆罪」も「外患誘致罪」もあるのに、簡単には罰せられない。強いて言えば、帝に権限があるけど、帝は動かない。貴方が出逢った帝は、珍しいタイプ。大抵『事勿れ主義』なんだわ。」
どうしたものか?と思ったが、それは俺の仕事だ。
彼女には、礼を言って別れた。
時間軸を国のトップ、島太蔵の小学校時代に跳んだ。
あのコンプレックスは異常だと彼女が言ったからだ。
案の定、彼はイジメを受けていた。
彼が所謂『帰国子女』だったからだ。
彼の中学校時代に跳んだ。
彼はイジメを受けていた。
彼の母親が帰化し、日本人の男性と再婚したからだった。
彼の高校時代に跳んだ。
母親は、レイプされ、自殺した。
彼は、不良の仲間にはならなかった。不良を仲間にした。
彼は社会人になり、選挙という「お祭り」を経験した。
彼は、彼の後見人になった男性を殺し、入れ替わった。
「金があれば、人生を変えていける」
彼には、変な自信がついた。
やがて、彼は国民議会議員になった。
議員になった時、挨拶に行った先、国民材務省で過去のことで、脅迫された。
簡単には、大大臣にはなれなかったが、その内、国内外防衛省の大臣になった。
昨年、ようやく層理大臣の座を射止めた。
もう離すもんか。今の地位は、誰が邪魔をしてもへいちゃらだ。
俺は、最初の選挙、県議員の時間軸に跳んだ。
彼は、参謀になった盟友にナイフを刺した。
彼が、その盟友の死体を処分するとき、警察に囲まれた。
逮捕連行された。
出入りしていたボランティアの団体の、通称一心太助が告発したから、死体はすぐに発見された。
獄中で彼は、国のトップになる夢を見続けた。
もう一人の俺は、国のトップに何をしたのかな?
いつか、この時計を弄って教授の下に行った時、報告をしよう。
俺の名は、「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋だが、殺すのは、人間とは限らない。
さ。次の世界だ。
―完―
「あんたは、だれだ?俺の名は、「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋だ。」
俺から名乗ると、もう一人の俺が返事をした。
「俺の名は、『異次元のパトロール警官』。次元の『調整係』だ。」