廃品回収業者の倉庫の前だった。
少し前までの状況なら、記事を読めば分かるかも知れない。
「あんた・・・『想の国』か?」
黒人の男は、慌ててシャッターを締めた。
======== この物語はあくまでもフィクションです =========
ここは、『想の国』。
俺の名は、「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋だが、殺すのは、人間とは限らない。
俺には聞こえる。殺してくれ、と。
どこの次元でも聞こえている。
跳んで来たのは・・・ここは、どこだ?
廃品回収業者の倉庫の前だった。
少し前までの状況なら、記事を読めば分かるかも知れない。
「あんた・・・『想の国』か?」
黒人の男は、慌ててシャッターを締めた。
南極ぼけは、通じない予感がして、『記憶喪失』を装った。
「そうか。新聞読めば思い出すかと思ったんだね。俺はさ、クォーターなんだ。純粋な『想の国』人じゃない。婆ちゃんが、この国の人なんだ。婆ちゃん、死んでるのに、何かやらかそうとしたから、追い出した。アンタを逃がす前に、おおよその事を教えてやるよ。昨年、流行病がまた流行った。10年位前に、隣国『理偽の国』の科学者が作ったウールスの亜種で、『想の国』人の殆どが死んだ。前のウールスが流行った時、免疫力がかなり落ちていた。体裁悪いから、枠朕作った。勿論、誰も助からなかった。他の国には流行らなかったから、枠朕作ったが、ウールスの方が強かった、と世界に発表した。『理偽の国』人は、『想の国』人を奴隷にしたかった。だから、他の国他の民族を受け入れる『懐の深い国』だと、外国代臣に宣伝させ、世界中の人が集まって、暮らし始めた。でも、働いて税金払うのは『想の国』人だけで、外国人は遊んでも暮して行ける。自殺や心中も流行った後だ。どんな怨みがあるのか知らないが、『理偽の国』は、『想の国』人を奴隷に従っていた。双務代臣以下、政府はハニトラ・マネトラ・脅しで牛耳られ、とうとう政府は乗っ取られた。そして、帰化するしないに関わらず外国人は本国に送還された。俺や仲間が生き残れたのは、『想の国』人の血が入っていたから。奴隷階級だから。」
「その後、新しい人工ウールスのお陰で奴隷候補が激減した。新しく経済を建て直さなければいけないな。」
「うん。そこで、クーデターが始まった。『想の国』人は絶滅危惧種になった。元々のイデオロギーがおかしかった。新しい革命だ。」
「代臣達は?」「自分達が優遇されると思い込んでいたが、同じ血である限り、『奴隷』に格下げ、財産没収。そりゃあそうだろう。国を売った時点で王室も皆殺しにしたくらいだから。俺達は、クーデター軍に組み込まれた。『根っこ』が『勤勉』だからな。だが、肌の色が元々の『想の国』人のアンタは危ない。正規軍に捕まり殺されるか、クーデター軍に捕まり、生け贄にされるか。」
「どっちもゴメンだな。」
俺は、改めて自分の正体を明かした。
「自分で逃げられるなら、そうしてくれ。アンタが聞いた、その声は『想の国』人全体だ。」
「どうすればいい?」
「分からないな。」
俺は跳んだ。時間軸を、初めの人口ウールスが流行る前にして。
理偽の国、貴賓室の一つ。「おもてなし」の間。
『想の国』の政治家達が、案内人に案内され、部屋に入ろうとするが、入れない。
案内人は、ドアの向こうに消えた。
何人かで、寄ってたかってドアを開けた。
すると、漆喰になった壁に貼り紙があった。
『ウールスが発生したため、閉鎖しました。検疫の末、速やかに帰国して下さい。』
『想の国』、『理偽の国』両方の文字で書かれていた。
翌々日。『理偽の国』は世界地図から消えていた。
俺の名は、「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋だが、殺すのは、人間とは限らない。
もう、あのクォーターには会えないな、多分。
さ、感傷に浸っている場合じゃ無い。別の次元が俺を呼んでいる。
―完―
双務代臣以下、政府はハニトラ・マネトラ・脅しで牛耳られ、とうとう政府は乗っ取られた。そして、帰化するしないに関わらず外国人は本国に送還された。俺や仲間が生き残れたのは、『想の国』人の血が入っていたから。奴隷階級だから。