======== この物語はあくまでもフィクションです =========
ここは、『質の国』。
俺の名は、「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋だが、殺すのは、人間とは限らない。
俺には聞こえる。殺してくれ、と。
どこの次元でも聞こえている。
跳んで来たのは・・・病院のロビー。
精算待ちで人々が整理券を持って、椅子に座っている。
え?前の世界、いや、前の次元に跳んだのか?
いや、違う。
俺の隣にいるのは、老夫婦だった。
「もう、この国は終ったね。」「私達は『お迎え』待つだけだけど、さ。」
「稼ぎに追いつく貧乏なし、だったねえ。」
「あのー、何故、終るんですか?」
「あんた、テレビしか観ないんだろう?外のデモ、見てごらん。金務省解体デモ、双務省解体デモ、文句省解体デモ、交国省解体デモ、計算省解体デモ、凜々省解体デモ。自衛省以外は、デモだらけ。デモのデモ行進。この病院は、骨会議事堂とかに続く道にあるからね。日本中のお祭りが来たみたいだ。曹魏代臣は、葬式代臣なんて言われている。この間、やっと辞任したけど、後継者が、まんま引き継ぐんじゃないかって言われてる。土台変えなくちゃどうしようもない。代臣変えてもね。『質の国』の人口が少なくなったからって、外国人を『輸入』するらしい。『据え膳上げ膳』で。お客の『おもてなし』するだけで、家のしんしょう潰したら、家は無くなる。輸入外国人は人口の半分以上だ。ものには程度ってものがあるだろう。テレビとかのオールドメディアは、双務省の『天下り』が役員やってるから、政府の肩持って、都合のいいことばかり報道する。」
お爺さんの方は、整理券の順番が来たから、精算に行った。
「どうすれば、いいんでしょう?」俺は、そっと尋ねてみた。
「今、『媚びている』国とは国交断絶。問題は、そこからだ。外国人も、『帰化して、この国のルールを守る』ことが出来ない者は、本国に送還。」
そこへ、取材記者らしき者達がやって来た。
「あんた、困るなあ、割り込んで貰っちゃ。」と、その一人が言った。
「割り込みは、あんたらだろ。友人と雑談して何が悪い。私の家に放火したのは、あんたの会社か?」
「ち、違いますよ。」「サンゴに悪戯書きして、『サンゴに悪戯書きされてます』って言ったのは、あんたとこだろ?」
「私じゃ有りません。」「あんたの会社だろ?って言っている。まともな会社ならな、『私は預かり知りませんが、失礼があったなら、会社の一員としてひとまずお詫びいたします。偶然お見かけしたので、色々ご意見を頂戴頂ければ幸いと思い、はせ参じました』ぐらいは言うよ。アポないんだから、帰るよ。」
お婆さんは、お爺さんに目配せし、俺に腕を回し、堂々と外に出た。
そして、自動車に乗ってから、「あんた、お茶飲める?」とお婆さんは言って来たので、思わず俺は頷いた。
彼らの家の茶室で『お点前』を頂いた後、お婆さんは尋ねた。
「私を中村温子と知って現れたの?天使か悪魔か知らないが。急に現れたから、ただ者じゃないよね。」
俺は、素直に正体を明かした。
「ふうん。次元を渡り歩く『殺し屋』か。幾ら?代金は???」
「無料です。」「そうか。あんたを動かしている何者かが給料払うんだ。10人殺せるかい?今夜、ある料亭に集まることは分かっている。殺し屋だから、簡単か。」
料亭の様子は、翌朝早く、全世界にSNSで流れた。
中村女史は、元与党議員で、元曹魏代臣の相棒である監房長官だった。
その10人は、解体デモを潰そうとしている実力者だった。言い換えれば、『金満政治』の大元だ。彼らがいなくなれば、事務員も開放される。
税金減らせない原因は、彼らの『私服』だった。
中村は、10人の悪行を「テレビ」とSNSで同時に流させた。
「カットしたければ、カットすればいい。世界の人は何て言うかしらね。」
中村は、会見場のテーブルに載ったコップの水を近くにあった花瓶にさした。
花は、見る見る内に枯れた。
「後で、セッティングの時の様子を放送しなくちゃね。」と、中村は笑った。
さて、俺もおいとまするか。
俺の名は、「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋だが、殺すのは、人間とは限らない。
―完―