異次元の殺し屋   作:クライングフリーマン

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跳んで来たのは・・・雀荘だった。
その部屋は、雀荘の中だった。
入口に受付があり、恐る恐る札を出してみた。
どうやら使える札だったようだ。



83.【踏み絵(allegiance test)】

 

======== この物語はあくまでもフィクションです =========

ここは、『歩の国』。

俺の名は、「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋だが、殺すのは、人間とは限らない。

 

俺には聞こえる。殺してくれ、と。

どこの次元でも聞こえている。

 

跳んで来たのは・・・雀荘だった。

その部屋は、雀荘の中だった。

入口に受付があり、恐る恐る札を出してみた。

どうやら使える札だったようだ。

何となく、見渡すと、テーブルは皆満席だった。

出直すと言って出ようと思ったら、打っている一人がやってきて、肩を叩いた。

「仲間がまだ来ないんだったらさ、俺、『2抜け』するから代わりに打ってくんない?歯が痛くてさ。虫歯みたい。」と言って、大きく口を開けた。

「確かに。早めに歯医者行った方がいいね。」

彼は、仲間に言って、出て行った。

学生時代はよくやったが・・・あれ?そうだっけ?まあ、いいや。

「ヤツの分で精算するから、存分に負けてくれ。」と、リーダーらしき男が言った。

麻雀をしながら、彼らは政府批判を始めた。

情報収集する手間が省ける。

「昨日もテレビでさ。30年後の地震のこと言ってた。どういう感覚なんだろうね、今のことほったらかして。」

「テレビの人間は税金払わなくていいらしいよ。だから、下々の生活なんかいつも『他人事』。」

「それじゃ、政治家と同じじゃん。甲良とか言う、政府の事務員も払わなくていいらしい。」

「統裁選始まったけど、ここぞとばかり、予定通り『80年なんちゃら』を国国連盟で、演説したらしい。で、観客が・・・3人。」

「えー。ドサ回りの演歌歌手か芸人みたい。」

「帰ったんだって。午後10時過ぎて、演説聞きたい?」

「嫌ですい!!」

「で、統裁選で、それも俎上に載せるんだと。」

「え?もう終ったんだろ?」

「終ってるよ、とっくに、誰がなっても、貧乏くじだよなあ。前統裁は無茶苦茶やりやがったから。税金、税金、税金。減税しろってデモに『財源がありません』。甲良が国民から巻き上げた税金は、大金庫に入れる。で、外国にばら撒く。」

「施しでばら撒くんなら、皆に優しいね、で済むけど、『お釣り』を貰って、また金庫に。投資じゃないか、効率のいい。」

「ギャンブルや宝くじなんか、『屁』だよな。スパイ天国、銭ゲバ天国。」

「まだ、あるよ。法律で決まってないのに『忖度』で健康保険料、生活保護費。その外国人の分、徴収した税金から穴埋めしているらしい。」

「そう言えば、もうばれてるのに、輸出企業の関税の『お釣り』、企業と政府で山分けだって?」

どうやら、他の次元と変わらないな、と思っていたら、歯医者で抜けた人物が、歯を抜いて、帰って来た。

俺は、そいつと交替して、外に出た。

 

外に出ると、あちこちスラムが出来ていた。

どうやら、中流階級どころか。下層階級も分断されているようだった。

 

財布を取られそうになったので、俺は跳んだ。

警察署。この国の民族以外でないと運転免許証は交付されなくなったようだ。

陳情に来た人は皆、泣いて帰った。

市役所。この国の民族以外でないと、生活保護は受けられない。健康保険証も発行されない。

テレビ局。笑顔で行き交う人々。そうか。『出自』で分断されたんだ。

元々のDNAがこの国の民族は冷遇される。

誰もが、身分証のネームプレートみたいなのを肩からぶら下げていた。

雀荘の連中も、お役所に来ている人間も、ぶら下げている人間は、普通の生活だ。

 

「外国人以外ファースト」は、議論の言葉では無く、現実にあった。

いつかの次元の混血の黒人を思い出した。

 

俺は、図書館に跳んで、新聞記事を漁った。

あった。先日辞めた統裁より前の統裁の時期から始まっている。

『移民政策』。世界のメディアを誤魔化す為に、『協生』だの、『故郷タウン』だの言葉遊びをしていた。

 

俺は、また、跳んだ。

今の統裁石粉の前の統裁選挙の会場に。

 

いた。既知田宗男は、いた。

 

トイレで顔を洗っている既知田は、顔を上げて、真っ赤なのを確認した。

同じ頃、既知田を推薦していた人物は、場所を問わず急死した。

 

既知田は、当選しなかった。何故か、体から無数の銃弾が発見された。

そして、着用していたメガネから文字が浮かんでいた。“racist“

 

さあ、次の仕事が待ってる。俺は、腕時計を弄った。

 

―完―

 

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