「店、いいの?」「ああ。俺は『私服警備員』みたいな仕事だから。忙しい時はレジするが。1ヶ月前までは店長だったのに。」
======== この物語はあくまでもフィクションです =========
ここは、『鯉の国』。
俺の名は、「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋だが、殺すのは、人間とは限らない。
俺には聞こえる。殺してくれ、と。
どこの次元でも聞こえている。
跳んで来たのは・・・スーパー。
ある高齢者。店の前に駐めてあった自転車の荷台と前カゴに、買った商品をワゴンから移している。
バランスを崩して、自転車がこけた。
隣国語らしき言葉でしゃべりながら、カップルが通り過ぎる際、わざと指を引っかけたのだ。
俺は、荷物を戻すのを手伝ってやった。
店長らしき人物が来て、囁いた。「ありがとな。俺が手伝うと大変なことになるから。」
高齢者を送り出してから、バナナを買って、精算する時に、さっきの人物に尋ねた。
「この辺に公園ないかな?知り合いに会って帰りで、この辺詳しくないんだ。」
「店の裏に『小さな公園』があるよ。」
その公園は、『小さな公園』だった。
さっきの男がやってきた。
「店、いいの?」「ああ。俺は『私服警備員』みたいな仕事だから。忙しい時はレジするが。1ヶ月前までは店長だったのに。」
俺は、わざと南極ぼけをした。
「そうか。今の状況知らないのも無理はないな。『鯉の国』階級は、鑑賞していると面白いって、『鮎の国』が出自のオンナ議員が笑ってるよ。」
元店長によると、世界に『自治区』宣言された、この国は、『鮎の国』階級、共生国階級、『鯉の国』階級に、はっきりと階級制度区分が出来上がった。
『鯉の国』民は、最下級だ。男子は、唯一生産者階級だ。そして、女子は性奴隷階級か、下女階級かだ。もう『風俗』もない。彼女達は、子供を産むことが出来ない。昔、『生産性がない』と言った女性議員をコテンパンにしたのは、『鮎の国』が出自のオンナ議員だった。遙か50年前から、こういう世界を作ることを画策されていたから、ばれていないのにカッとなった、と言われている。今にして思えば、と元店長は付け加えた。
彼女達は、ビールスの枠朕として『永久不妊剤』を打たれ、服用された。
カップルの男性にもだ。『人工的少子化』は完成した。
ところが、その副作用の為、『鯉の国』民は、予定以上に激減した。
絶望が大きすぎると、人は『不感症』になる。
もう生きる希望なんかない。
最下級人口が激減した為、共生国階級の一部を再構成して、無報酬労働者階級に下げる案が議事国会で通ったそうだ。
『鯉の国』民族が出来なかったクーデターを共生国階級が起こすらしい。
俺は、元店長と別れた。
元店長は、店に帰らなかった。用意したロープで首をくくったからだ。
引き返して、俺は、理解した。『声の主』を。
俺は、歯を食いしばり、腕時計を弄った。
確かめるまでも無かったのだ。この国の為政者達は、媚びて媚びて媚びて、蹂躙され、臓器を抜かれたのだろう。ロボットはもうロボットでさえ無くなった。
『二国共存共生条約』調印式。
過去の次元にも、こんな風景があった。
天髙が現れた。
総合大尽、外部大尽は、撃たれた、
「1分以内に退去せよ。今から余が統治する。『鮎の国』の『計画書』は既に世界に衆知した。『鮎の国』とは、永劫断交、味方する国も同様。大使館員も退去せよ、帰化していない『鮎の国』民は、強制送還。『外患誘致罪』は重罪である。我が国憲法の名において売国奴は処刑し、暫定政権として髙室が管理する。」
思想家は、『憲法違反』を言うかも知れない。
でも、『戦争は放棄』している。
武力で制圧したのでもない。
ある政治評論家は、言う。「曖昧過ぎる法律」だと。
では、「曖昧」な結末に文句は言えまい。
俺の名は、「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋だが、殺すのは、人間とは限らない。
元店長が報われたかどうかは分からない。
だが、敢えて言おう。「君に幸あれ。」
―完―