異次元の殺し屋   作:クライングフリーマン

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さっきの男がやってきた。
「店、いいの?」「ああ。俺は『私服警備員』みたいな仕事だから。忙しい時はレジするが。1ヶ月前までは店長だったのに。」



86.【養殖(Aquaculture)】

 

======== この物語はあくまでもフィクションです =========

ここは、『鯉の国』。

俺の名は、「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋だが、殺すのは、人間とは限らない。

 

俺には聞こえる。殺してくれ、と。

どこの次元でも聞こえている。

 

跳んで来たのは・・・スーパー。

ある高齢者。店の前に駐めてあった自転車の荷台と前カゴに、買った商品をワゴンから移している。

バランスを崩して、自転車がこけた。

隣国語らしき言葉でしゃべりながら、カップルが通り過ぎる際、わざと指を引っかけたのだ。

俺は、荷物を戻すのを手伝ってやった。

店長らしき人物が来て、囁いた。「ありがとな。俺が手伝うと大変なことになるから。」

高齢者を送り出してから、バナナを買って、精算する時に、さっきの人物に尋ねた。

「この辺に公園ないかな?知り合いに会って帰りで、この辺詳しくないんだ。」

「店の裏に『小さな公園』があるよ。」

 

その公園は、『小さな公園』だった。

さっきの男がやってきた。

「店、いいの?」「ああ。俺は『私服警備員』みたいな仕事だから。忙しい時はレジするが。1ヶ月前までは店長だったのに。」

俺は、わざと南極ぼけをした。

「そうか。今の状況知らないのも無理はないな。『鯉の国』階級は、鑑賞していると面白いって、『鮎の国』が出自のオンナ議員が笑ってるよ。」

元店長によると、世界に『自治区』宣言された、この国は、『鮎の国』階級、共生国階級、『鯉の国』階級に、はっきりと階級制度区分が出来上がった。

『鯉の国』民は、最下級だ。男子は、唯一生産者階級だ。そして、女子は性奴隷階級か、下女階級かだ。もう『風俗』もない。彼女達は、子供を産むことが出来ない。昔、『生産性がない』と言った女性議員をコテンパンにしたのは、『鮎の国』が出自のオンナ議員だった。遙か50年前から、こういう世界を作ることを画策されていたから、ばれていないのにカッとなった、と言われている。今にして思えば、と元店長は付け加えた。

彼女達は、ビールスの枠朕として『永久不妊剤』を打たれ、服用された。

カップルの男性にもだ。『人工的少子化』は完成した。

ところが、その副作用の為、『鯉の国』民は、予定以上に激減した。

絶望が大きすぎると、人は『不感症』になる。

もう生きる希望なんかない。

最下級人口が激減した為、共生国階級の一部を再構成して、無報酬労働者階級に下げる案が議事国会で通ったそうだ。

『鯉の国』民族が出来なかったクーデターを共生国階級が起こすらしい。

 

俺は、元店長と別れた。

 

元店長は、店に帰らなかった。用意したロープで首をくくったからだ。

引き返して、俺は、理解した。『声の主』を。

 

俺は、歯を食いしばり、腕時計を弄った。

確かめるまでも無かったのだ。この国の為政者達は、媚びて媚びて媚びて、蹂躙され、臓器を抜かれたのだろう。ロボットはもうロボットでさえ無くなった。

 

『二国共存共生条約』調印式。

過去の次元にも、こんな風景があった。

 

天髙が現れた。

総合大尽、外部大尽は、撃たれた、

「1分以内に退去せよ。今から余が統治する。『鮎の国』の『計画書』は既に世界に衆知した。『鮎の国』とは、永劫断交、味方する国も同様。大使館員も退去せよ、帰化していない『鮎の国』民は、強制送還。『外患誘致罪』は重罪である。我が国憲法の名において売国奴は処刑し、暫定政権として髙室が管理する。」

 

思想家は、『憲法違反』を言うかも知れない。

でも、『戦争は放棄』している。

武力で制圧したのでもない。

ある政治評論家は、言う。「曖昧過ぎる法律」だと。

では、「曖昧」な結末に文句は言えまい。

 

俺の名は、「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋だが、殺すのは、人間とは限らない。

 

元店長が報われたかどうかは分からない。

だが、敢えて言おう。「君に幸あれ。」

 

―完―

 

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