どうしようかと思っていたら、肩を叩かれた。
「あんた、今日休んでいる松戸の代わり?」
「え。ええ、まあ。」
======== この物語はあくまでもフィクションです =========
ここは、『激の国』。
俺の名は、「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋だが、殺すのは、人間とは限らない。
俺には聞こえる。殺してくれ、と。
どこの次元でも聞こえている。
跳んで来たのは・・・宅配便仕分けセンター。
どうしようかと思っていたら、肩を叩かれた。
「あんた、今日休んでいる松戸の代わり?」
「え。ええ、まあ。」
「そこの事務所にさ。作業服あるから適当なの使っていいよ。経験あるの?」
「はい。学生時代にバイトで。」
作業は、単純明快。誰でも出来る。要は荷物運びだ。
俺は記憶にないが、勝手に体が動いたから、本当にバイト経験があるのかも。
30分もすれば、正午。昼休みになった。
用意された弁当と箸を取って、適当にテーブルの前に座った。
「あんた、慣れてるなあ、助かるよ。午後からも頼むよ。」「はい。」
班長の期待に応えられるかなあ。
テレビがついていた。
誰かが、あっと声を上げた。
演説している人が倒れたのだ。
「暗殺だ。また、かよ。」班長は嘆いた。
「そうかあ。暫く外国にいたなら知らないよな。散々悪政していた、棄民党曹歳が辞めて、新しい曹歳内行双輪代臣が選ばれることになった。曹歳候補は5人。まあ、誰がなっても同じってのが下馬評だが、1番人気の候補Aが疎ましくて仕方がない、他の4人。テレビで依怙贔屓したり、勝手に候補Aを押す党員を離党させた。犯罪だよ、ここまで来れば。で、生け贄差し出して『こいつがやりました。私は無関係です。』ってほざきやがる。」
「政治家の、いつもの手口だね。」
「もう、この国は終ってるよ、むちゃくちゃやった後始末にとりかかるまで、時間がかかり過ぎる。で、その4人は現状維持がモットー。隣国人なら、とっとと出てけ!って言いたいが言えない。もう『白蟻』が食い尽くしている。」
俺は、トイレに行く振りをして、現場に飛んだ。
昔見た光景に似ている。
昔、暗殺された、国のトップがいた。
高潔の人だった。
流行病に、身を盾にして、国民を守った。
貧相な演説台だった。
ヒットマンには狙いやすい位置に立たされた。
周りを確認した。
やはり、ここは『選ばれた』場所だった。
あの時のように、候補者Aは騙されて連れて来られたのだ、『処刑場』に。
俺は時計を弄った。
時間軸を、暗殺の数時間前に。
候補者Aが自動車に乗り込む前に、運転手の頭の中を覗いた。
そういうルートか。
候補者Aの自動車は、煽り運転の割り込みで、崖に転落した。
曹歳選挙の結果が発表された。
候補者Aだけが満票で、他は1票ずつだった。
自ら入れた票だ。
「無効だ。死んだ者は曹歳になれない。」
「行方不明、の間違いですよね。」候補者Aが入って来て、こう言った。
「備えあれば憂い無し。行方不明は替え玉でした。」
テレビニュースになったのは、深夜だった。
SNSはリアルタイムで世界に発信したのに。
外国の問い合わせに、渋々放送された。
班長が言った通り、1番マシな候補者が選ばれた。
『茨の道』を覚悟して。
後始末、頼んだよ。
俺の名は、「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋だが、殺すのは、人間とは限らない。
さあ、次は、どこだ???
―完―