異次元の殺し屋   作:クライングフリーマン

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跳んで来たのは・・・どこだ?
何もない空間?跳ぶ先を間違えたか。
俺は、教授のいる世界に、と念じて腕時計を触った。
あ。跳べない。万事休すだ。



91.【不感地帯(dead zone)】

============= 第二部 ===========

【不感地帯(dead zone)】

======== この物語はあくまでもフィクションです =========

ここは、????。

俺の名は、「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋だが、殺すのは、人間とは限らない。

 

俺には聞こえる。殺してくれ、と。

どこの次元でも聞こえている。

 

跳んで来たのは・・・どこだ?

何もない空間?跳ぶ先を間違えたか。

俺は、教授のいる世界に、と念じて腕時計を触った。

あ。跳べない。万事休すだ。

 

すると、どこからか声が聞こえた。

迫水だ。いや、迫水に化けていた男の声だ。

 

「万華鏡。こっちだ。」

俺は、声の方に目を向けた。穴がある。ドアノブ位の。近寄ると、ドアノブだった。

俺が出ると、迫水がいた。

ハンバーガーショップ?

 

「ここでは、『外貨』が使えないんだ。奢るよ。」

俺が黙っていると、迫水は、いや、迫水に化けていた男はハンバーガーセットを2セット頼み、席に運んできた。

「迫水隊長・・・?」「ああ、自己紹介がまだだったな。俺の名前は力石ルチル。友人は『パワーストーン』と呼んでいる。取り敢えず、『豚止め』バーガーを食え。」

恐る恐る食べると、『トンカツバーガー』だった。

食べ終わり、コーヒーを掻き混ぜていると、「シュガーが要るのか?」と力石に尋ねられた。

「いや、癖で。」と説明しようとすると、力石はタブレットを出した。

タブレット型PCではなく、ドロータブレットだ。

電子メモパッドでもある。

力石は、ゲージのようなものを描いた。

「何に見える?」「何かののゲージみたいだ。クルマのメーターの近くにもある。」

「そう。真ん中が『標準』だ。お前さんが行ったり来たりしていたのは、この外側の線のどれか。真ん中が、ここだ。ここは平和だ。ケメちゃん、今の国のトップは?」

カウンターの、先ほどの女の子に力石は声をかけた。常連???

「店長。また、力石がカスハラしてくるんですけどぉ。」

「ダメだろ、ルチル。あ、いらっしゃい。今の総理は明石紗菜。前の総理がやった不始末を大急ぎで『手直し』している。バッシングに耐えてね。」

店長は、表の掃除に行った。

 

詰まり、力石は、こここそが正常な世界だと言いたいのか。

「いよいよ、敵が本性を現わしたみたいだからね。教授に指示されて、お前さんを追い掛けてきた。詰まり、援軍だ。さっきの空間は、敵が仕掛けたトラップだよ。」

「遅ればせながら、ありがとうございました。じゃ、力石さんと俺は、同じ組織?」

「ま。そういうこと。お前さんはお前さんなりにやってきた。我流で。だが、相手が大きいと、何時までも単独では危ない。そう判断されたのさ。」

「どこに?いや、誰に?」

「どこに?だな。次元管理局だよ。お前さんが、スカウトされた後の記憶をある程度無くしているのは、所謂『バグ』、欠陥だ。」

「じゃ、力石さん、俺の『本名』は?」

「忘れたか。お前の本名は加賀見進。『加える』に『賀正』の『賀』に『見る』の見、進は『前進』のススム。覚え直せ。」

「はい。『次元管理局』って、ひょっとしたら?」

「ああ。未来の組織だ。パラレルワールドの存在は、古くから知られていた。自然現象として。だが、お互いに干渉しだした。そして、爆発的に増えた。どこかの次元で『故意に』歪められた。時間軸は、西暦2000年代初頭、それしか分からない。『次元管理局』のあった未来は消滅している。消滅する前に、あちこちに散った。」

「どうして無くなる事が予測出来たんです?」

「縮まって行ったから。お。お呼びのようだな。お前さんの方も、だな。また会おう。」

そう言って、迫水は、いや、力石は消えた。

 

カウンターを振り返ると、誰もいない。

 

俺は跳んだ。

俺を呼ぶ、声に導かれて。とにかく、俺の本名と死命は分かった。

 

俺の名は、「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋だが、殺すのは、人間とは限らない。

ここが、どこの次元かは分からない。だが、ここでの「死命」は無かったから、誰も死なず、何の事件解決も無かった。

 

とにかく、俺、加賀見は跳ぶ。死命の為に。

 

―完―

 

 

 

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