公邸は、『執務を行う「官邸」』とは別に、国のトップが『待機している「私邸」』だ。
自宅とは違い、公務の為に住む別荘だ。
======== この物語はあくまでもフィクションです =========
ここは、『味の国』。
俺の名は、加賀見進。別名「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋だが、殺すのは、人間とは限らない。
俺には聞こえる。殺してくれ、と。
どこの次元でも聞こえている。
跳んで来たのは・・・ある政治家の公邸。
公邸は、『執務を行う「官邸」』とは別に、国のトップが『待機している「私邸」』だ。
自宅とは違い、公務の為に住む別荘だ。
当然、国のトップが替われば、住人も交替する。
「ここは私の家だ!と主張して、「馬鹿者!!」と怒鳴られている男がいる。
今まで多くの次元の世界を見て来た俺は、すぐに彼らの頭の中を読んだ。
その部屋には何故か、初代国のトップ宗理の銅像がある。
打って付けの隠れ場所だ。
怒っている方は、宗理経験者で、新宗理の後見人の赤穂同人だ。
怒られているのは、前宗理の今場しずくだ。
「いいですよ、赤穂さん。正式な宗理は明日からですから、今夜は、ここで『総括』の時間を楽しんで頂ければいいです。私は、官邸に戻ります。」
「自宅やホテルではなく、かね?」
赤穂は尋ねた。
「自宅は郊外です。どの道、公務の準備があります。官邸にも仮眠室はあります。」
赤穂と、新宗理間一(まいち)佐津絵は、秘書を連れて出て行った。
今場は、時間を置いて、色んなものを公邸に『セッティング』して行った。
諦めの悪い、で有名な今場とは、明らかに違う。
俺は、1時間後の時間軸に跳んだ。
成程。『時間設定』から推測すると、『儀式』が終わり、新しい内郭の組織作りをして、『帰宅』する時間を見計らったか。
宗理官邸。その帰宅時間。
秘書達が退室した執務室に俺は現れた。
唐突だが、新宗理間一は、全てを受け入れた。
秘書が入って来て、SPを呼ぼうとしたが、間一は押しとどめた。
「古い知り合いの、いが・・・伊賀さん。今夜はホテルで語らうことにするわ。すぐにホテルの部屋を用意して頂戴。」
秘書は一礼して出て行った。
「失礼。ちょっと確認に行って来ます。」
秘書の先周りをした俺は、秘書のスマホを取り上げ、『圏外』にした。
そして、本物の秘書の居る場所に跳び、偽物を閉じ込めて、間一の所へ戻った。
「SPは眠らされていましたが、本物のようです。秘書さんとSPで速やかに移動して下さい。」
秘書やSPが目を丸くしているので、間一は「極秘だけど、『個人SP』なの。急ぎましょう。」
翌日。『間一は精力的に動いた末、何者かの公邸爆破で爆死、新しい宗理は?』と新聞の見出しが躍った。
朝イチのテレビ番組でも、同じ内容が報道された。
が、その1時間後。
宗理官邸からリモート記者会見が行われ、新人事が発表された。
そして、前宗理のところへマスコミが殺到した。
前宗理が、巧に爆発物を仕掛ける映像がSNSで流れたからだ。
SNSでは、その後、「何故、オールドメディアは、『新宗理爆死』を報道したのか?」と投稿が拡散され、デモが動き出した。
「新宗理。命を狙ってでも『ないこと』を『あること』にして、捏造して報道するオールドメディアを掃除して下さい。」
俺の名は、加賀見進。別名「異次元の殺し屋・万華鏡」。次元を渡り歩く殺し屋だが、殺すのは、人間とは限らない。
本物の今場も『駄々っ子』だが、オールドメディアも『駄々っ子』らしい。
これじゃあ、『ジャーナリスト』じゃなく『ジャーマリスト』だ。
この際、『心中』して貰おう。
今場のそっくりさんの映像は、繰り返し流された。『ニューメディア』で。
―完―