英雄に憧れるのは間違っているだろうか? 作:カステラ
第10話
───下界は刺激的だ
───天界での暮らしに退屈した神々がこぞって降りてくるほど
───この下界は、刺激に満ちていた
───神々は下界の住人に
───自らの派閥、ファミリアを結成し
───下界の住人はダンジョンに潜り
───神は娯楽を求める
───ここは迷宮都市、オラリオ
───ダンジョンと共にある街
───そして、ここはそんなオラリオの最大派閥
───ロキ・ファミリアの話である
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「はあ、これは、困ったことになったかもね」
ここはロキ・ファミリア黄昏の館、その執務室である。
その執務室で報告書を読んで思考しているのは金髪に青い目の少年、のように見える
彼が難しい顔をしてみているのは、ギルドから渡されたある一件の報告書。
「これは、都市外に冒険者を派遣するべきか?いや、今の状態では戦力を分散させるだけ。確実に無駄になる。だがこれを放置するのも、外聞にかかわる」
と、彼が難しい顔をしそうになっていると。
コンコンコンと扉が叩かれる。
「フィン、入るぞ」
そう言って入ってきたのは、翡翠色の髪と目を持つ美しきエルフだった。
名を、リヴェリア・リヨス・アールヴ。
エルフの王族である。
「珍しいな、フィンがそこまで悩むとは」
「僕だって、悩むときくらいあるさ」
その様な軽口をたたきながら、フィンはリヴェリアにも説明をする。
「この報告書をみてくれ」
そう言って手渡された報告書には、リヴェリアも驚きの内容が書かれていた。
「馬鹿な!都市外でインファント・ドラゴンの強化種だと!しかもそれを、子供一人で討伐?」
「そう、さすがに僕も驚いたよ」
リヴェリアが驚愕するのも無理はない、強化種が生まれることは百歩譲ってあるとしても、それを子供一人が討伐とはありえない。
しかもよりにもよってインファント・ドラゴンの強化種である。
Lv1冒険者のパーティーでは壊滅は免れないモンスターの強化種。
「古代の英雄のよう、かい?」
「!」
内心をフィンに言い当てられ少し驚く。
フィンの洞察力がすさまじいのはとっくに知っているが、それでも情報の濁流で少し驚いてしまった。
「わかるさ、僕も同じことを思ったからね」
彼が苦笑しながら言う。
「そして、問題なのはここからだ」
リヴェリアは今度こそ驚く、
今までのが副題?では本題とはなんなのか?
「
「─────!」
なるほど、それは確かに本題だ。
もしそれが本当なら、都市外の人々では対抗できない可能性がある。この件が特例中の特例だということだろう。
「目星はついているのか?フィン」
「恐らくヴァレッタかオリヴァス・アクトの仕業だろう、僕たちが嫌がりそうなことを率先してやりそうな奴らさ」
「……なるほど」
ありありと想像できるのが嫌なところである。
「そのインファント・ドラゴンを討伐した彼のことも気になるけどね、優先事項はこっちだ」
「わかっている……あとは、アイズには知らせない方がいいだろうな。私で留めておく」
そうリヴェリアが言った途端フィンが苦笑し始める。
なぜ笑われているのかわからないリヴェリアは困惑するがすぐにその理由がわかった。
「────!アイズ!」
とてとてとてと、可愛らしい音を出しながら廊下を走るのがわかる。察するに、今の会話は聞かれていたということだろう。
「はぁ、無駄だったようだな」
「だね」
フィンは苦笑し、リヴェリアは難しい顔をしていた。
読んでいただきありがとうございます。
ようやく原作キャラを出すことができました。
口調が崩れていないか気になるところですね。