『学校無双〜実は世界最強の俺が以下略〜』って本読んだけどこれ私のことだ…   作:んえその木

13 / 15
エマージェンシー!たいいく祭の始まりだ!

12話

 

 

 えー、どうしてこうなったんだろうね。

 

 目の前で馬鹿みたいな顔をしながら吹き飛んでいくライネルを眺めながら呆然と立ち尽くしてしまう。

 

 ちなみに右の方ではパランが爆発してアフロになってるしミラは木の上で宙吊りになってる。

 マルルは相変わらず眼鏡が割れて倒れてるし。

 

 うん………

 

 どうして、こうなったんだろうなぁ……

 

 

 

 ***

 

 

 

 

「やあユニ、また来ちゃったよ」

「……もしかしてアルって意外と暇なの?」

「まさかぁ、僕はいつでも大忙しさ」

 

 

 授業を受けつつ、皆と課題をやったりだとか色々としているつい最近。

 慣れてきた事もあり段々とこのクラスのヤバさとか私の常識外れな部分や皆のイカれた部分が分かってきた頃。

 突然アルが部屋の窓から侵入してきた。

 

 ちなみに私は今お姉ちゃんのベッドで布団にくるまってゴロゴロしている所だ。

 少しばかり恥ずかしい。見んなバカ。

 

 

「あのね、最近知ったんだけど女の子の部屋に無断で入るのって普通はいけない事なんだって、アル、ダメだよ」

「まあまあまあまあ」

「カレンちゃんも皆も他の人を部屋にあんまり入れちゃ行けませんって」

「それはこの部屋が…………いやまあ、いいけどさ。」

「アル、私少しは常識的になってきたんだよ。アルもそうしなきゃダメだと思う」

「悪いけど本気で君にだけは言われたくないかな」

 

 

 窓際でまた格好つけているのか腰掛けながら魔法陣をクルクルと回して弄りながらこちらを適当にあしらってくる。

 なんか、昔と比べると随分カッコつけになったね?

 …………大人になるってそういう事なのかな?

 

 

「それで、なんの用?その魔術式?」

「ああ、これは気にしないでくれ。今頑張って調整してるからね」

「?」

「話っていうのは来週あるチキチキ!ましい賭けてくまでぶち殺しあえ!いく千の時を超えて恨みを晴らせ!クラス対抗魔法り!!のことについてさ」

「なんて?」

 

 

 あれか、たいいく祭の事か。

 私はてっきり市街にある学校みたいな普通の体育祭なのかと思っていたけれど、どうやら違うらしい。

 ここは魔法学校。

 ならば魔法を使って運動しなくちゃ意味ないからね。

 

 正直最初にこの名前を聞いた時は気でも狂ったのかと思ったけれど、正式名称らしく皆空でこの名前を言えるのだ。

 

 

「……それで私に、なにかして欲しいの?」

「ん?ああ違う違う、別に任務とかそういう類の話じゃない、そんなに警戒しないでくれよ」

「ならいいよ、アルが私に頼み事するの珍しいし」

「おやそれは嬉しい……それじゃ、えい」

「おっ…………?なにこれ」

 

 

 アルはそう言うがいなや、突然私に手元で弄っていた魔法陣を私に向けて発動してくる。

 普段ならその時点でそいつの事はミンチにするけれどアルならまあいいかとそれを受けると身体に力が入らなくなる。

 ……えーっと、かかった効果は…身体弱体化、魔力半減、出力弱化、強化無効……かな?

 わあ、戦場なら死ぬね、これ。

 

 

「良かった、これも無効化されたら打つ手がなかったよ」

「……あ、成程、たいいく祭で手加減して欲しいってこと?」

「そうそう、その魔術式キミならすぐに壊せるだろ?だからいざって時は破壊していいけど暫くはそれで我慢してくれ」

「うん、分かった…一週間もあれば慣れると思う」

「相変わらず頼もしいね、それじゃ僕の用事はこれで終わりさ。また来週」

「うん、またね」

 

 

 そういえばこの前も学食で思わず私の秘奥義をぶっぱなしそうになってたし、こうやって手加減できるようになるなら有難いや。

 正直やろうと思えば一人で全員相手しても………………

 ……………………

 

 …………いや……結構難しいかな…………?

 カレンちゃんとかなんかおかしい戦闘能力してない……?

 まあいいや、とりあえずアルを見送ろうと布団にくるまったまま立ち上がると何故かアルが微妙な顔をしていた。なぜ。

 

 

「…………その布団、しっかり洗っておいた方がいいんじゃないかな?埃とか凄いだろ?」

「え、でもお姉ちゃんの匂いとか……」

「洗った方がいいと思うな」

「やだ…」

「洗いなさい、ばっちいから」

「ばっちくない」

「………………僕は知らないからな…」

 

 

 そうため息混じりに呟き、アルは帰っていった。

 カレンちゃんもアルも皆してこのベッドを洗おうとするけどなんてこと言うんだ。

 少なくとも私の匂いに上書きされるまでは洗わないからな。

 

 

 **

 

 

 というのが一週間前、私は今軍事演習場で皆と一緒に並んでいる。

 このたいいく祭は皆で運動しようとか競い合おうとか色んな目的があるけれど、その側面には将来有望な魔術師を見つけてどの部署に送るか軍のお偉方が見る目的もあるそうだ。

 

 現にアルとかがニヤニヤしながら観客席の1番見晴らしが良さそうなところにユリアと一緒に座っている。

 ……ん、こっちに手振ってる。久しぶり。

 なんか手でやってるな……えーっと、『後で』『話』『する』『来て』と。

 分かった、と手で返すと満足そうに笑ってる。

 

 2年ぶりに顔を合わせたけど、ちょっと疲れてそうかな。後でヨシヨシしてあげよう。喜ぶんだ、何故か。

 

 

「では選手宣誓を行う。生徒代表アーテル=ゴルギアーニ、前へ」

「はい」

 

 

 前ではこの前の残念爽やか君が堂々と前へと進んでいる。

 …………いや、何か明らかに固定魔術とか水魔術とかが足元に飛んできてるけど堂々と進んでいる。凄いな。

 というかよく見たらC組の方からも飛んできている。

 何やったんだB組。

 

 

「宣誓、我々生徒一同は、魔術を使う者として日々の成果を発揮し、正々堂々最後までこのチキチキ!ましい賭けてくまでぶち殺しあえ!いく千の時を超えて恨みを晴らせ!クラス対抗魔法りを戦い抜くことを誓います。」

「ありがとうございます、それでは軍部よりお見えになられました元帥、アルシーダ=サラヴァン様からのお言葉です」

「やあ、ご紹介にあったアルシーダだよ。今日は幸いにも良い天気だ。邪魔するものは無い、君達の出せる実力をぜひ僕らに見せて欲しい……勿論、魔術師としてね」

 

 

 アルも喋るのか、見に来ただけかと思った。

 こうしてつつがなくたいいく祭は進行し、カレンちゃん達が殺気だっていたにも関わらず案外平和に終わるものかと思っていた。

 

 ……思っていた。

 クラス毎に集まりカレンちゃんが話し始めるまでは。

 

 

「よし、じゃあ今からB組の連中を暗殺しに行くけど一緒に行く人」

「はーい、俺行くわ」

「じゃあ俺はここの防衛だな、ミラとフリアンは置いてけよ、防衛の要だからよォ」

「え?」

「ユニはどうする?防衛と暗殺、どっちがいい?」

「え?え?」

「ユニちゃんは目立つし防衛でいいんじゃないかな〜ライネル君の爆破魔術に誤魔化して突っ込んできた人を狩る係〜」

「じゃあ僕は競技に出てくる、援護頼むよ」

「「「はーい」」」

 

「え??」

 

 

 当然のような顔をして競技が始まった裏で襲撃を仕掛けようとするカレンちゃんを思わず困惑。

 当然のようにそれに同調するクラスメイトにも困惑。

 

 私……私の知ってる体育祭じゃない……

 いや体育祭じゃないんだけど……

 もっとこう、お話とかで聞いたやつはキラキラしてて努力友情青春って感じだったのに、なんか血と陰謀と策略に塗れてるよこのたいいく祭……

 

 

「ちょ、ちょっと待って?カレ、カレンちゃん?」

「あれ?やっぱユニも狩りに行く?」

「え?あれ?私がおかしいの?何で堂々と卑怯千万な真似をしようとしてるの?」

「卑怯……?」

「千万……?」

「わかんない、何で皆がそんな綺麗な目をしてるのか私わかんないかな」

「魔術師何だから当然最初は本拠地を襲撃するでしょ」

「魔術師何だから!?さっきの宣誓ってそういう意味なの!?」

「……?そりゃそうでしょ」

 

 

 ……あいつか!あいつかあああ!

 あのクソバカボケナス眼鏡やりやがったな!確かに私達の頃はそんなんだったよ!?

 味方同士の筈なのに貴族の奴らと殺りあったし同時に勝てなかったら私達のせいにされるから必死にボコボコにしたよ!?

 でもこれは違うじゃん!!

 私のキラキラはどこ!?青春は!?皆で綱引きしたり玉転がしとかするんじゃないの!?

 

 そう思っていると本気で不思議そうな顔をしたカレンちゃんが悩んだ様に話しかけてくる。

 

 

「……ユニは知らないの?あの話」

「え…?なんの事……?」

「英雄の一人が開戦と同時に極大魔術を敵軍の本部に放って全部ぶっ壊してから戦い始めたって話。ユニは知ってると思ってたけどなぁ」

「……………………え」

「私は先達に学ぶ優良健康素敵委員長、殺るなら……きっちり、ね?」

「あの、その、いや………………あー……………………え?でもあれ………………えぇ………………」

 

 

 え…………

 あれ…………

 え?私のせいなの?

 いや……やったよ?確かにやったよ?

 開戦と同時に全魔力で当時完成した破壊魔術式で結界を押し潰してそのまま全員殺ったよ?

 正直あの辺から人殺しに対する忌避感とかもう無くなってたし感覚もおかしくなってたし……

 というか、あの辺で私自身の常識を疑い始めたし…………

 

 でもあれアルの策略じゃん!!!私が建てた作戦じゃないじゃん!!!

 私のせいなの!?

 

 

「ほら見て?ユニ、今パランがやってる綱引き(魔術的な意味)」

「え、あ、う、うん」

「ほらあれ……よく見たら縄に油が塗ってあるよね?」

「塗ってあるよね!?」

「まあアレは昨日パランがやったんだけど」

「パラン君がやったんだけど!?」

「でもほらB組の奴ら、昨日の時点でこの軍事演習場そのものに油を仕込んでた……そのせいであんなローション相撲みたいになってるんだよ」

「何でこの状況を冷静に受け止めてるかも分からないし何で当然のように受け入れてるのかもわかんないよ私」

「パランがキレて火をつける前に2.3人は殺っとかないと」

「あの超危険地帯に火を巻くつもりなの!!?!」

「うん」

 

 

 君ら仮にも軍本部の演習場でなんて事をしようとしてるんだ。

 そういう危ない事するから演習場だけどさぁ!?

 

 ま……不味い……私のせいか……?私達のせいなんだろうな……?

 これが負の遺産……?戦後の子供達はおかしくなるってこういう事なの……?

 わ、私達はとんでもない事をしでかしてしまったんじゃ……

 

 

 カレンちゃん……そんな澄みきった濁った目で私のことを見ないで……

 こんなの……こんなのおかしい……!

 

 こんなの絶対おかしいよ!!!

 

 

 

 

 

 ………………殺らなきゃ

 

 決めた、今決めた。すぐ決めた。

 

 私が…………普通の体育祭に私がしてみせる!!!!

 

 

 

 

 ****

 

 

 

 

 今の状況を整理しよう。

 

 アレはたいいく祭、第3競技の(たま)転がしが始まった時だった。

 競技は単純、ボールを持った3人が闘い、それを奪おうって言う単純な競技だ。

 出場メンバーは私、ライネル、ミラ。

 相手はアーテルとその取り巻き。

 

 

「ぎゃーーーーはっはっはぁ!!!!アーテルくうぅん!?ご自慢のメンバーは()()()皆出てこれないみたいだねぇ!!?」

「お前だろ!!!!お前が俺達の結界に固定魔術かけたせいで出られなかったんだろうが!!!!ふざけんなよ!!!」

「何言ってるのかちょっとわかんないかなw」

「言い訳おつ」

「あの程度の結界でかァ……w」

「ざけんな!!!というかなんでミラも出てんだよ!!お前はさっきの試合でも出てただろうが!」

「それはお前がマルルのメガネを割ったせいだろうが!」

「お前のせいでっ……!許せねぇ!」

「今度こそ正当防衛だろボケ!」

 

 

 本当なら呪対策にマルルを出す予定だったけれども、先程卑劣なB組による水魔術(粘度高め)により転けてしまい眼鏡が割れた。

 性格も悪ければ魔術まで粘度が高い。クソ!

 死者一名……!マルルの仇は私たちが取る!

 

 

「……まあいい、お前らみたいな非常識なボケ専共を相手にしてる自覚がなかった俺が悪い」

「そーだそーだ!」

「うちの委員長に常識を求めたお前が悪い!」

「お前らは味方してやれよ!!クソっ!!!」

「言ってくれるね!大体元はと言えばお前らが私達に「君らも僕らのクラスに入れるように精進しなよ」とか言うからこうなってんだろうが!」

「俺の人生における一生の不覚だ畜生っ……!」

 

 

 そう言いつつもしれっと加速魔術を味方に掛け、不意打ちする気満々の取り巻きの脚を固定。

 動けなくなった奴らに向かってライネルが爆破するも、またも予想されていたのかアーテルが結界に切り替えていた。

 ちっ……

 

 私とアーテルの非常に非常に、マジで死ぬほど嫌な共通点として魔法陣を描く速度がめちゃくちゃ早いという特技だ。

 私は誰かがワンアクション起こす時に既に2回は動ける自信がある。

 それくらい早い自負があったのだが、加速魔術なんていうカスみたいな魔術に手を染めてるせいかアーテルも同じくらいの処理速度で回してくる。

 

 要するに面倒くさいってことだ。

 

 

「ライネルはそっちの雑魚A!ミラはモブB!」

「ふざけんな誰がモブだ!」

「私だって雑魚じゃない!」

「……!まてお前ら!」

 

 

 適当に指示しているフリをしつつ私は気を逸らした取り巻きに固定魔術を仕掛け、そこにミラとライネルが襲いかかる。

 

 は?指示?

 全部嘘ですけど?

 

 一々口にしなきゃ行けないような、そんな甘っちょろい信頼関係築いてないわああああああっ!

 

 

「は!?なんでこっちに……ぎやああああああああああああ!!!」

「ちい!俺があのバカを止めるから他の足止めしとけ!」

「バカしか居ないけどどれ!?」

「1番だ!」

「わかった!」

「分かるな!!!おらああああああああ!!」

「ミラ!一旦引いとけ!」

「わかった!」

 

 

 ライネルが結界を前に出したまま殴り……殴りかからない。しまった、そういやあいつ極力女の子は殴りたくないってタイプだったか。

 

 場外押し出しで勝とうとしてるのか無理やり突撃するも魔術がバカスカ飛んできているせいで中々進めていない様子。

 ……というか私が今固定魔術をこっちに使ってるせいで他のB組の奴らも場外から撃ってきてるわ。酷いなこれ。

 

 

「ふん……卑怯千万、それがてめえだけの十八番だと思うなよ!俺にも秘策が、ある!!」

「別に十八番じゃないわ」

「おい!!ライネル!!!聞け!!!」

「っ!ライネル!聞いちゃダメ!」

「はっ!聞かねェよ!それに今こっちは忙し────

 

「英雄ユニア=クランケルの握手会参加券がここにある!!!!これが欲しければこっちに着け!!!」

 

────なん……だと……?」

「はあああああああああ!?!?」

 

 

 ゆ、ユニの握手会参加券がここにある!?

 は!?何!?意味不明なこと言うなよ!!

 

 というか出来ないでしょ!?

 ユニ……は今ちょっと何処にいるか分かんないけどそんな素振りなかったし、というかそんな握手会なんかあるならもっとユニの顔も知れ渡ってるわ!!

 

 大体、ユニは寮に居るんだから握手くらい何時でも

 

「往生しやがれカレンンンンンンンんんっ!!!!」

 

 この瞬間私達の信頼関係は全て失われた。

 

 

「ボケ!バーカ!エセ不良!!そんなんで裏切るなや!!というか要らないでしょ!!!それ!!!」

「うるせェッ…………!俺にも……俺にも引けないことがあるんだよ…………!」

「分かるとも、ライネル。男には……引けない理由があるんだよな」

「その参加券……!本物なんだろうなァ!?」

「ああ、さっきアルシーダ様に頼み込んで頂いた」

「お前心臓に毛でも生えてんのかよ……」

 

 

 鬼手ッ……!

 こんな場面でそんなとんでもないカードを切ってくるとは……私もアーテルの事を少し甘く見すぎてたってことかな…

 くっ…流石の超美少女パーフェクト神的委員長な私でもライネルとアーテルを同時に相手するのはキツい。

 ミラは今もうひとりと戦ってて手一杯……

 

 ……くっ!まさかこんな卑怯な手を使ってくるとは!

 

 

「そしてまだ俺のターンは終わっちゃ居ないぜ!」

「なにっ!?」

「俺はここに!アルシーダ様開催、魔術における回復術式の利用術と攻撃魔術への転換についての公聴会への参加券を更に召喚ッ!!ミラ=プリンスラン!!!こいつが欲しいんじゃないか!!?!」

「やっ……やめろおおおおお!!」

 

 

 そ、それは本当に不味いって!

 ミラが攻撃魔術があんまり使えない事を気に病んで何時か参加してみたいと言っていた講演会のチケットを的確に……!

 なんでこっちの事情が全部バレてるんだ……!?

 

 そして当然の様にリタイアしたはずのモブBに回復をかけて一緒に立ち上がるミラ。

 私達の友情はここに終わりを告げた。

 

 

「テルち……アタシ達…ズッ友だもんね!一応聞くけど本物何だよね!?」

「ああ、さっきアルシーダ様に土下座したら爆笑しながらこれもくれたんだ。まさかこんなに効き目があるとは」

「さすアル」

「っぱ英雄は違うぜ……!」

「あのドクザレクソ眼鏡がよォっ…………!」

 

 

 あの野郎私達の情報全部漏らしやがったなクソッタレ……!

 

 チラッと観覧席を見てみれば今まで見た事がないくらいニッコリとした笑顔でこっちに手を振ってやがる。

 そりゃ本人なら講演会の席なんて幾らでも用意できるしユニの握手会も同格なら用意できるよねぇ!?

 

 絶対事後承諾でしょ!?

 ユニそんな事知らないでしょ!!

 

 クソ……!5vs1は流石に厳しいか…

 

 一旦、ここはB組本拠地に乗り込んで、ライネルとかその辺が派手にぶっぱなした流れ弾でアイツら諸共……!

 

 

「かかってこいや…!救世美少女ウルトラ委員長はこの程度じゃ負けないんだってのを教えてやる……!」

「お前のその自認識を改めさせてやるよ…!」

「丁度いいぜ……!この前の腹痛の恨み…今ここで晴らさせて貰う……!」

「正直カレちの事は1回ぶん殴んなきゃなって思ってた所なんだよね…!」

「あんたら敵対したとなったら振り切れすぎだろちくしょう……!」

 

 

 こうして、私達がいざ激突しそうになった瞬間であった。

 

 ぼぉぉおおおんっ!!

 

 という派手な爆発音が聞こえ、すわライネルが何かやったのかと思い振り向くと、盛大な砂煙がそこを覆っている。

 そこはB組本拠地だった場所であり、案の定全て消し飛び倒れ伏した状態でその姿を現す。

 

 

「なっ……!何をした!?カレン=レーヴェ!?」

「わ、私じゃない!!あれは…………」

「…………まさか」

「……ゆ、ユニち?」

 

 

 死屍累々の倒れ伏したB組の面子……だけかと思いきや、先程数多の妨害によりキレ散らかしたパランがA組のメンツも引き連れて襲撃していたのかA組もかなりの人数倒れている。

 

 そして、その倒れた人らを背後にゆら…ゆら……と砂埃を割くようにマルルの首根っこを掴み引き摺りながら白い何かが現れた。

 

 というかユニだった。

 

 なんで???

 

 

「…………ユ、ユニ?」

「………………違うよね」

「え?」

「…体育祭は、もっとキラキラしてて、青春で、普通な筈なの」

「え?え?」

「陰謀とか…策略とか……違うよね、そんなの普通じゃないよね」

「ユニ、ちょっと……一旦落ち着いて……」

 

「バトンリレーとか…球投げとか…応援合戦とか…ダンスとかやるのが普通なんだもん……!こんなの認めない…………!」

 

 

 無理だよ。

 

 だって私たち魔術師だよ……?

 飛べるし光らせれるし加速もワープも出来る魔術師だよ…………?

 そんな一般人みたいな体育祭やらないよ…

 

というか、それは運動会だよ!ユニ!!

 

 

「………………………スゥー…………アーテル、今から黙って私達に協力しなさい」

「は?え?なん……え?何で?」

「マジか……!ユニちマジか……!?あんな普通の競技やると思ってたとかマジか……!?」

「俺ユニと戦うのもう三回目なんだけど!俺だけ多くないかなぁ!?」

 

 

 何かブツブツと呟きながらマルルをドサリとその場に落とす。合掌。

 ……多分体格的に引き摺れるのマルルしかいなかったんだろうなぁ…

 

 とにかく、またしてもキマッた目の普通強要マシーンと化したユニはビカーンと目を赤く光らせこちらに手を向けてくる。

 

 

「……このたいいく祭、全部ぶっ壊して最初からやり直そう?」

 

 

 エマージェンシー!

 レイドバトル、全二年生vsユニが始まってしまった!!

 

 

 私が悪いのか!!?!これ私が悪いのかなぁ!!?

 

 

 

 

 






遅れて大変申し訳ごめんなさいでした
次回からは元の速度に戻ったり戻らなかったり加速したりします
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。