『学校無双〜実は世界最強の俺が以下略〜』って本読んだけどこれ私のことだ…   作:んえその木

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飯テロ戦争

 

 

 

 どうしてこうなった

 どうしてこうなった??

 

 今この寮は戦場へと早変わりしてしまった。

 右手では大量の水や爆発とか火とか光とかが私に向かってきてるし、向こうでは木が生えてきたり呪いとかが飛び交っている。

 何だこの高レベル過ぎる戦場は。

 

 

「うおおおおおおおおっ!こんなバカみたいな理由でまた戦いたくなかった!!!」

「頼む!!俺らの命の為だ!!止まってくれえええええ!!!」

「ユニ!!僕らは友達だ!!!頼む!!止まってくれえ!!!」

「私闇堕ちでもしたの……?」

 

 

 わ、私が悪いの?

 だってカレンちゃんの手料理食べてみたかっただけなのに、私そんな変なこと言ったのかな。

 別にちょっと下手な位気にしないし、私そもそも味とかあんまりわかんないから気にしないし……

 た、確かにみんなは気にするだろうけど。

 ……1回くらい食べてみたいし……うぅ…………

 

 ……いや待った

 そういえばなんか『学校無双〜実は世界最強の俺がクラスで実力を隠しているとバレてしまいハーレムに!?〜』にもこんなシーンがあった気がする!

 

 そう、落ち着いて考えれば味方が魔術の暗黒面に囚われて主人公がかっこよく助け出すシーンがあったではないか!

 私!今そのシーンに居る!

 

 …………立場が逆な気がするけどまあいいや

 

 とは言っても私も少々この状況は焦っている。

 私はまぁ、確かに強い。

 強いけれど強さの理由は2つ同時に魔術が使える事にあるし、ド派手に蹴散らす方に重きを置いている。

 専ら遊撃手なのだ私は。

 だから私、正面切っての強いやつとの集団戦はあんまり得意じゃないんだよね……あんまり手加減できないし……

 うーん困ったな。

 と、とりあえず台詞読んどかなきゃ、えっとえっと……な、何ページ?

 まずい思い出せなくなってる……読み直さなきゃ……

 

 

「え、えっと『ワルイガ、テカゲンハデキソウニナイゾ』……あ、あの痣くらいは……ごめんね」

「この状況で痣で済ませてくれるだァ!?お前らチャンスだ!突っ込め!!!」

「その程度毎日作ってるわオラああああああああぁぁぁ!!」

「マジかよギリ天国の婆ちゃんと会うとこまで想像してたわ!!!おっしゃああああああああ!!」

「嘘でしょ」

 

 

 なんなのこのクラス!?

 ま、待って流石に怯むと思ったのに止まんないし!い、良いんだよね。

 私普通に爆破しちゃうよ?

 う、う…………

 

 ばく、ばくは……てかげん…………

 

 ダメだ!出来ない!無理だって!君たち私のトラウマに直撃させるのが上手すぎないかな!!!

 昨日から色々ありすぎて私今結構キてるんだけど!!

 ちょっと冗談半分とはいえ仲良くなってきた子達に向けるのは………………

 

 ムリ……

 またクラスメイトに魔術を向けるなんて……!

 だって私アルにも………………

 

 

 

 ん?

 

 アル?

 

 …………………………

 

 ……………………はっ

 そうだ………………あれは5年前……………………

 

 アルがふざけてお姉ちゃんに甘えていた私を記録水晶に残して、次の日皆に見せた時────

 

 私は───この寮ごと全部爆破してやった───

 

 瞬間脳裏にピカーンと過去の記憶が蘇ってくる。

 

 

「…………思い出してきた……クラスメイトをボコる時の感覚……!」

「あっれ!?なんか思ったより魔力籠ってないですか!?」

「おいやべぇ退避退避!アレ直撃したら痣じゃすまねえって!」

「やべぇユニが吹っ切れた!!」

「魔術式起動……!全部、全部ぶっ壊れろおおおおおおお!!!」

「ホントに闇堕ちした時みたいなこと言ってる!!」

 

 

 思い出せ楽しかった青春に添えられた一重の怒り!!

 そうだ、私そういえばほぼ毎日アルのことをぶん殴ってた!

 私あいつに対してなんかいい思い出しか思い出してなかった!

 違うぞ私、あいつはクソ眼鏡。

 別に頼れるお兄さんなんかじゃない!

 私はどこまで記憶を美化していたんだ……!

 

 『え?ユニまだこんな魔術も使えないのかい?wいやー折角新しく考えた魔術式もこれが分からないんじゃ話しても理解できないかなw』

 『おっとwごめんよユニ、小さすぎて見えなかったよw』

 『君に割られた眼鏡の数がそろそろ10を超えそうなんだが?』

 『あっれ〜〜〜〜〜〜〜〜!?もしかしてこんな単純な問題間違えたのかい!!?!僕は満点だったのにぃ!?今回は僕の勝ちかなあぁぁぁぁ!!?!あっ待ってくれヘレナ、待って、今のは冗談で……あっあっあっ右腕はそっちには曲がらない、待ってくれ悪かった、待つんだぐわあああああああああ』

 

 思い…………出した……………………!

 私は!

 正気に!

 戻った!!

 く、く、喰らえアルとかレオとかをボコるためだけに作ったこの創作魔術……!

 

 

超高度対眼鏡式爆破魔術(ゲンコツまじゅつ)!!う、うわあああああああああああ!!!!」

「ぐわああああああああお袋の痛みいいいいいいいいいいいいい!!!!」

「親父の頭突きより痛てええええええ!!!!」

「うわああああああハードタックで殴られたような硬さあああああ!!!」

「お前らあああああああああああぁぁぁ!!!!!」

 

 

 ふうっ……ふうっ……!ふう……!

 と、とりあえず馬鹿みたいに突っ込んできていた3人をは、排除。

 わ、わ、わたしは軍人。

 く、クラスメイトをボコる為に魔術を学んだえ、エリート。

 スラムだの、貧民だの言うカスを全員捻り潰すために生まれてきた女ぁ!

 

 あ、あの時のお姉ちゃんにキスしようとしたカス貴族をボコすのと同じ要領で、殴るだけ……!

 舐めるなよ私を……!

 

 

「ふーっ!ふーっ……!かかってこい……!」

「やべえって!なんかユニの目イッちゃってるって!」

「畜生どうしてこんなことになったんだ!」

「割と俺らのせいじゃないかな」

「うぉぉおおおおお突撃いいいいいいい!!!!」

「なんか魔法陣出したまま殴りかかってきてる!?」

 

 

 これは……!

 私がメガネを割る為だけに作った秘伝の魔術式っ……!

 

 当たれば即!眼鏡は崩壊し!

 ギリギリ鼻血が出そうになるくらいの痛みを的確に与える究極奥義!

 爆破魔術式に強化魔術式や微細魔術式を組み込み、パンチのような動作から発射地点を誤魔化し、遠距離魔術式を使う事で超高速で飛んでいく不可避の一撃!

 私が生涯で生み出した最も難易度の高い魔法陣……!

 

 

「ユニパアアアアアアアアアアンチ!」

「うわあああああ俺の眼鏡えええええええええっ!」

「マ、マルルうううううううううううう!!!!!」

「なんだそのバカみてえなネーミングの魔術は!」

「意味不明な超高難易度魔術式をこんなところで使うなよ!」

「割れたっ……!マルルがっ…………!馬鹿野郎……!こんな所でっ……!」

「畜生……!死者1名っ……!」

「そっちは本体じゃない!」

 

 

 そして残った2人にもう一度ゲンコツを叩き込むと、荒れ果てたカーペットの上へとダウンする。

 

 死屍累々、私一人だけが佇む静かな戦場跡──

 積み重なったクラスメイト(死体の山)──

 まるでかつての光景──

 

 スッ…と手を挙げ、一人勝利のスタンディングを取り荒い息を落ち着かせる。

 

 

 うん………………

 

 

 …………………………ど、どうしよう…………?

 

 

 

 ***

 

 

 

「は〜い♡という訳で私特製シチューを用意したわよ!」

「泣きっ面にメリケン」

「踏み潰してから蹴飛ばしてる」

「傷口に毒」

「言いたい放題じゃない!まあいいでしょう!今日は自信作ですもの!」

 

 

 キッチン争奪戦に何とか勝利を得た私は悠々自適に栄えある勝利の報酬である土地(キッチン)を我がものとして好きに扱わせてもらった。

 以前作ろうとして封印された特製シチューを振る舞うならここしかないと思い、私特製レシピを入れ込んだ完璧な1品である。

 味見をしたけどまぁ……私は好きな味だから大丈夫でしょう。多分。きっと。

 

 そんな言われるほどじゃないと思うんだけどなぁ?

 

 

「…み、皆ごめんね……あの、頭大丈夫……?」

「ごめんこのタンコブのことを心配してくれてんのはわかるんだけども」

「こっちの台詞なんだが?頭大丈夫か?なんかもう色んな意味で」

「ユニ…………恨むぞ………………」

「その……わ、私回復魔術式は使えないから……」

「ミラに直してもらったからそっちは平気…………」

「ここ2週間程毎日死にかけてる気がする」

 

 

 なーんかユニは吹っ切れたような顔をしつつも微妙に複雑な顔をしている。

 まあ友達を叩きのめすのなんて楽しいことでは無いもんね。私は楽しんだけど。

 このアホ共を名目アリで殴れるなんて貴重な機会だし。

 

 ちなみに私は女子組を相手にしたけれど、いかんせん火力が足りてないぜ。へっ。

 最大火力の子を止めてしまえば後は生えてくる木とか飛んでくる呪いとか全部避けて、後たまーに飛んでくる回復魔術式に割り込んで私が受けたりしてやってのしてやった。

 私、委員長、スゴク、ツヨイネ、反抗……ムダ……

 

 

「で、でもほら、美味しそうだよ、この………………ビーフシチュー?」

「見た目が悪かないのがタチわりいんだ」

「毒って言うのは見るだけでバレる様な見た目はしてないんだ」

「ユニち…………短い間だけど、楽しかったよ……」

「言い過ぎだろお前ら」

 

 

 まぁいい、勝者は私。

 敗者共に囀る権利は無いのだ。

 

 匂いもいい感じだし今回はちゃんと味見もした……!大丈夫!孤児院でも皆泣きながら美味しい美味しいと言ってくれてたし。

 あ、でもね。ユニこれ普通のシチューだよ。

 何故かビーフシチュー並に黒くなってるけどただのシチュー。

 

 

「では……いただきまーす!」

「うん、いただきます」

「………………いただきます……」

「…………うっ……うぅ…………死にたくねえっ……!」

「明日の授業……楽しみだったな…………」

 

 

 皆だーれも食べようとしないので私がまずは1口。

 うん…………まあ、普通?

 私がひとりで食べる時と対して変わらないふつーの味だ。なーんだ、皆言いまくるからちょっと不安になってたじゃん。

 

 

「うん、普通普通。ユニも食べてみて?」

 

 

 瞬間皆がすごく嫌な予感を覚えた顔をするじゃないか。

 なんだ?私なんかしたか?

 私がそう言ったからか、少し緊張していた様子のユニもようやくスプーンを手に取り口に運び始める。

 さあどうぞ!パクッと!

 

 

「う、うん。良かった……あー…………ん

 

 

 ん

 

 

 お」

 

 

 ね?普通でしょ?

 ……何今のおって?なんか変なものでも入ってたかな?特に入れた記憶は無いけど……

 

 ただちょっと隠し味に濃厚にしたくて熱魔術式の魔法陣を直接煮込んで水魔法陣を入れて、じゃがいもが溶けないように固定魔術式を仕掛けて仕上げに微細魔術式でドロドロにした他の野菜を入れただけだよ?

 

 ……?なんか顔色悪くない?

 

 

「どう?美味しいでしょ」

「い……行った……!いきなりあんな量をっ……!」

「……………………………………っ…………………………っ……………………これが……ふ、つう………………?」

「ヤバい!また変な常識覚えそうになってる!」

「お前が教えてどうすんだよ!」

「え?別に普通じゃない?美味しいし」

「なんでこいつの味覚は美味いか超美味いのふたつしかないんだっ……!」

「……僕の作ったパンは……本当に美味しいのか……?」

「落ち着け!大丈夫だ!お前の作るパンはちゃんと美味いから!」

 

 

 どうどう?結構自信作なんだけどな。

 私もう一杯食べ終わっちゃったし。おかわりしてこよーっと。

 あ、でもユニから聞きたいなぁ…折角だから聞きたいなぁ!

 私の料理は英雄に褒められるくらいだって自慢したいしなぁ!

 

 

「どう?!美味しいでしょ!」

 

 

「ふぐっ……………………ぐ………………………………う゛………………ん……………………………………おい、しい………………よ…………………………」

「でしょー!」

「すげぇ……!英雄すげぇ…………っ!」

「やった…!やりやがったあいつ……っ!これが救国の英雄っ……!」

「なんてこった……!あの料理を前にして美味しいだなんて……っ!一体どれ程の覚悟でっ……!」

 

 

 なーんだ安心安心!さ!他のみんなの感想も聞きたいなーと思い振り返ろうとしたその時、ユニに袖を引かれる。

 ん?どうしたの?

 ん?なにこれ…………あれ!空のお皿!?

 

 えーっ!もう食べてくれたの!?

 綺麗さっぱり空っぽじゃない!そんなに美味しかったなんてもーっ!

 えー照れるな…そんなに〜?へへ

 

 でもごめん……流石に13人分ってなるともう無いんだよね……おかわりは出来ないからごめん……

 いっつも余るからあんまり作ってないし……

 そう言うとユニは後ろを向き何故か頭を下げお願いし始めたではないか。

 

 

「……わ、わたひ……もっと食べたいから…………みんなの分も私にっ…………私にくれないかなっ………………!」

「ば、馬鹿なこと言うんじゃねえっ!」

「む、無茶だ!そんな事をしたら……!人に戻れなくなる!」

「ううん、わたしは……わたしは……!とった行動の……責任を取らなきゃいけない…………っ!」

「ゆ、ユニち……!」

「ユニ様……!」

「ユニ神……!」

 

 

 そ、そんなに!?

 そんなに気に入ってくれたなんて……!

 

 え、え〜…そんなにか〜……

 ま、毎日作ったりしちゃう?なんてそんなプロポーズみたいな……えへへ

 こんなに喜んでもらえるなんてな〜…ふふふ

 なんだよもー、みんないっつも嫌がるからてっきりユニもそうなるかもって思ってたのに、そんなにかー…

 

 う、うへへ、ヤバいめっちゃ嬉しい。

 久々に自己肯定感が高まりまくってる音がする。

 

 

「……っ!悪ぃなっ……!俺は…!俺はこれァやれねェッ……!俺の分だっ…………!」

「ラ、ライネル君!?」

「……僕も……出されたものはっ……残さない主義なんだっ……!」

「パ、パラン君っ……!」

「私……食べるよ、ユニちだけにそんな気持ちはさせない……!」

「ミラちゃん……!」

「……俺もだ」

「わ、私も……!」

「みんなっ……!」

 

 

 ん?なんか皆結局自分で食べ始めてしまったじゃないか。

 なーんだ、ユニは美味しいって言ってくれてるし折角なら食べたい人にあげればいいのに。

 

 結局、全員泣きながら天才美少女委員長である私のご飯を綺麗さっぱりと食べ尽くし、満腹になったのかその場で全員寝てしまい。

 仕方ないので片付けは私がやってあげることにした。

 

 まっ、今日はみんな食べてくれたし、ユニも嬉しかったから良いけどね!

 明日の授業も楽しみだなー!

 

 

 

 







 短いし雑でごめんなさい。投稿できないのが苦しくて特急で仕上げてしまいました。
 ちょっと忙しくて……すみません。10月中にもう一話くらいは出したいんですけども。
 課題が……課題が終わんなくってぇ……疲れちゃって 全然動けなくってェ……





 マルル
▷このクラス2人目の眼鏡。メガネが好きなんだ。
 瓶底メガネに目隠れとかいう完全防御体勢な浄化魔術使い、不憫な目によく会う可哀想な奴。また眼鏡が割れた!
 瓶底メガネの下には可愛い顔が隠れており、クラス内対抗可愛さランキングだと1位を取れるポテンシャルを秘めている。気にしてるから一人称が『俺』なんだって、可愛いね。
 
 
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