新運命「愚弄」の行人「マネモブ」   作:異常猿愛者

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呼雷の心臓の話?超危険物やしマネモブは保留したよ…
その代わり、飛霄の月狂いを治したいのなら”気”の活法術を授けた弟子をいくらでも紹介しますよとは言ったんだァ。
しゃあけど本編のように心臓取り込ませないと飛霄がパワーアップイベント踏めなくてどこかで詰むんじゃないかという衝動に駆られるっ。
まあ安心して、その時は田代さん時空で歴史を歪めますから。


彦卿VS悪魔王子開戦 灘一族ここに集結

『刃物、銃火器、メカの参加など…とにかく何でもありの”バーリ・トゥード(何でもアリ)”!!銀河中から最強の幻想に憑かれた猛者たちが集う”モンスター・ウォーズ”!!』

”幻朧”が手引きし”戦首” ”呼雷”を脱走させる為に”歩離人”共が暴れた事件が一先ず収束し、遂に”演武典礼”の幕が開かれた。スタジアムの中央には開会の剣舞を任された”三月なのか”が威風堂々と仁王立ちし、実況を任された”スターピース・カンパニー”の”ミスターフク郎”は情熱を込めた司会をしている。

 

「はーっ!!」

三週間しか鍛錬を積んでいない付け焼き刃にしては見事なパフォーマンスだ。そして…

「「「「おおっ」」」」」

極低温下においてのみ使える”幽幻”の”立体視野” 彼女の肉体から放出される冷気は日に照らされ乱反射し、氷に溶け込んでいくなのかの姿は一種の芸術作品である。その美しさに観客達は感嘆の声を漏らす

『ありがとう”ミス・ナノーカ”!!これより、異種総合格闘技”演武典礼”御開催だーッちなみに演武典礼の一部始終はスターピースカンパニーが銀河中に配信しているぞ!』

うおおおおおお

 

「フンッ、暑苦しいったらありゃしないね…」

関係者席でマネモブと共に開会の儀を見ていた悪魔王子はいつもの皮肉節を遺憾なく発揮する。

祭りというのは最初が一番盛り上がるというもの、強さに執着するお前もその熱に充てられてここまで来たはずだとマネモブは返す。

 

「フッ、それよりあの三月とかいうやつの剣舞…」

幽幻を使うのはお前の入れ知恵だろと悪魔王子は指摘した。

「ハイデース。」

代わりに返事をするトダーに、流石投資で500億稼ぐだけあってプロデュースの才能はあるなと悪魔王子は言った。皮肉か素直な賞賛かは定かではない、恐らく両方だろうが。

 

「そんな事より悪魔王子、お前他人の事ばかり気にしている場合か?」

優勝候補の彦卿に勝つ準備は整っているのか?そうでなくとも、銀河中からあらゆる強き者やメカが集まってくるのだ。ロシアの”ホワイト・ナイト・バトル”で大敗を喫した汚名を返上できるのか。

 

「フン、俺を誰だと思ってるんだ?」

悪魔王子…”龍の血” ”灘と幽幻”を継ぐ男だ。マネモブとの修行や群星を巡る中での実戦経験、

彼はロシアで負けた頃と比べ物にならないバケモノに仕上がっている。

 

「ワシ、一ツ気ニナル事ガアリマース。」

演武典礼の様子は銀河中に報道されるとフク郎は言っていた。恐らくその中には彼等の故郷である地球も例外ではないが…悪魔王子は指名手配されている。

「顔ト名前ヲ誤魔化サナイト色々面倒ソウヤンケ。」

 

そこでトダーは悪魔王子にある物を渡しながら提案する。

「これは…マスクか?」眼の周囲を覆う黒いマスクだ。

「一応コレ着ケテ偽名デ出場スルヤンケ。」

気の利くロボットだが、こんな程度の変装俺を知ってる者ならすぐ見破るだろと悪魔王子は指摘する。

 

「まあ安心して。」

例え、大統領共がケンカを売ってこようと、俺達が捕まる事はないだろとマネモブは豪語する。

「ふっ、そうだな。」

三者同様に”愚弄”派閥の強さを心の底から信じている。過信ではなく、実績に裏打ちされた自信だ。

 

「”エントリーシート”ニ書ク名前ハドウスルヤンケ?」

「フム…そうだな…」

三人の実質的なリーダーであり、悪魔王子を推薦した師匠でもあるマネモブは彼に新たな名を授ける…

◇その名は一体…?

 

………

 

「しかし一戦目からこのカードとは…」

関係者席にて、セコンドとして観客達より近い場所でスタジアムを見つめるマネモブ。

『開催直後の熱も収まらぬ中、第一回戦からいきなり優勝候補とダークホースが衝突だあッ』

『仙舟「羅浮」雲騎軍が誇る最強剣士、その肩書と故郷の誇りを背負って決して負ける訳にはいかない…”彦卿”ォォォォォォ』

恐らく地元出身の者達が観客席で雄たけびを上げている。そりゃ誰だって地元の選手には勝って欲しいだろう。最近、羅浮を救った英雄直々に師事を仰ぎ、”円月流”という新しい剣術も身に付けたらしいぞとフク郎が解説する。

 

『対するは、匿名希望!顔をマスクで隠す謎の貴公子!!しかし彼は「羅浮」を”絶滅大君”から救った英雄によりお墨付きを頂いている特別招待選手!!』

黒いマスクを身に付け、戦いに邪魔な上着を脱ぎ捨てた悪魔王子が颯爽と登場する。その筋骨隆々な大胸筋には11の文字が刻まれている。

『彼は言う、俺の事は”デビル・プリンス”と呼べとッ』

フク郎の実況を聞いてざわめく観客達。その名前を揶揄する者もいるが、羅浮を救った英雄に推薦された選手と聞いて、彦卿とどちらが勝つかを予想する議論が白熱している。

 

「いきなり貴方と当たるとはね…」

彦卿はやれやれといった口振りながら、例え同じ師を仰ぐ者だろうと決して手加減はしないという。

「フン、寧ろ好都合だろう。」

遅かれ早かれ、マネモブ最優の弟子は俺であることを証明すると意気込んでいた。お前が途中で敗退するような事があったらつまらないからなと、悪魔王子は挑発する。両者の闘気が、稲妻のように衝突する。

 

『さあ、両者位置について!』

何でもありのMMAとは言っても、殺し合いをする場ではない。スポーツ精神に乗っ取り、敵を必要以上に痛めつけてはいけない。ギブアップなどは当然認められている。最も、この二人は意地でも負けを宣言する事はないだろうが。

『ジャッジOK、アーユーレディ?』

レフェリーの声を聴き、剣と拳を構えながら、開戦の合図を待つ二人。

『GO-ッ』

戦闘開始だあッ

 

………

 

「ククク、いきなり本命の試合が見れるなんてな。」

関係者席から、鎬を削って闘う二人を見て、師は満足気にほくそ笑む。

「ウィースッ」「ん?」

そんな彼の観戦に水を差すように、見知った客が訪れる。

 

「き、熹一さん!?」「ハーイ、マネモブ、久しぶりィ」

マネモブに”灘・真・神影流”を授けた”宮沢熹一” ”悪魔王子”の異母兄弟である”拳獣リカルド”がそこにいる。リカルドの方はラーメンの食べ過ぎで、前に会った時とは大分太ってしまったが。

 

「初めましてっス。」

”ネオプロレスラー”こと”鯱山十蔵”かつて”熹一”とも戦った事のある実践的プロレスラーだ。

格闘技やタフのオタクであるマネモブは当然彼を把握しているが、何故貴方が熹一さんと一緒にいるのかと問われると、彼と一緒に新しいジムを立ち上げて日本の格闘技界を盛り上げようと尽力しているという。マネモブは彼からサインを貰いながら握手を交わすが、この組み合わせは意外過ぎる。

 

「ようマネモブ。」

マネモブと同じ”灘・真・神影流”の門下生、全身タトゥーの”超危険生物” ”鬼塚姫次” 

傍迷惑な父親から受け継いだ”バースト・ハート”を患っていた為に安静にしていた筈だが…

「本当は師匠の試合なんてキョーミないけどよ。」

マネモブが宇宙中を練り歩いて何とか手に入れた”豊穣”の研究資料、それを元に立川博士が作った”NEOタチカワ・スペシャル”により持病を治せたので、一応お礼の言葉を述べに来たのだという。ツンデレな彼の事だから本当は熹一の試合が楽しみなのだろう。

 

「久しぶりですねマネモブ君。」「全く、また見ない内に顔の傷が増えて…!」

熹一の父親でもあり、先代当主でもある”宮沢静虎”は丁寧に頭を下げる。その隣には、彼が面倒を見ている鬼龍の娘”小倉優希”の姿も…

バカだねぇ、男はどうしてこう危険な生き方を好むのかなあと、口は多少悪いが心の底から灘の系譜を心配しているいい子である。まるで灘の同窓会だな…とマネモブは心の中でつぶやいた。そして…

 

「あなたは…」

「初めまして、宮沢愛子です。」

マネモブの時空改変により墓から甦った静虎の再婚相手…新婚さんに水を差さないようにと自ら会いに行こうとはしなかったが、改めて二人を救ったのだという事実を噛み締めると目頭が熱くなる。

「あの…どこかでお会いしましたか?」

まじまじと宮沢夫婦を見つめるマネモブに、愛子はどこか既視感を覚える。

 

「…さあ、どうでしょうね。」

元夫に襲われた記憶は思い出したくないだろうと、マネモブは吉祥寺には定期的に訪れるし、常連である”雨の木なコーヒー”ですれ違ったのかもしれませんねとはぐらかした。

「…?」静虎はともかく、自分が雨の木なコーヒーに結構な頻度で訪れている事は言ってない筈だと、彼女は多少違和感を覚えるが…

 

「しかしあの静虎が再婚するなんてな、私も聞いた時は驚いたよ。」

最期に入室したのは”偉大なる長兄” ”高潔なる鷹” ”宮沢尊鷹” 彼の登場で愛子の疑問は有耶無耶なまま流れる。兄として、弟が再び良い伴侶に巡り合えた事が嬉しいという。

「あうっ尊鷹さんまで…」

マネモブは先日の呼雷脱走事件での活躍は耳に入れていますと頭を下げる。

「ハハッ、久しぶりに鬼の衝動を解放出来て楽しめましたよ。」

 

「それにしても…何故こうも灘一族が練り集まっているんですか?」

何人か不在の者もいるが、ここまで一堂に集結するなど珍しい。

「なんやお前、ことの張本人なのに知らんのか。」

何を隠そう、マネモブが羅浮で英雄的活躍をした事により、遥々地球まで演武典礼の出場枠がプレゼントされたのだという。

「…で、その”特別招待選手X”が、”最強チャンピョン” ”宮沢熹一”や。」

灘の当主が銀河の大型格闘技イベントに誘われるなど、確かにめでたい。そりゃあ一族総出で観戦しに来るだろう。いい宣伝効果になる筈っスと鯱山(シャッチー)はウキウキしている。

 

「はいはい、挨拶はこれくらいでええやろ。」

キー坊はそんな事より悪魔王子と彦卿の観戦に集中しようという。マネモブ自身、この試合を待ち望んでたと言うのに、思わぬ再会ですっかり忘れていた。

「しゃあけど、”デビル・プリンス”ってなんやねんッ」

黒マスクといい、”バトル・キング”のパクリやし”悪魔王子”を直球に英訳しただけやないケッと呆れるキー坊。

 

「まさか、逃亡した悪魔王子をマネモブ君が保護していたなんてな。」

静虎や尊鷹の年配者達は、彼は危険ではないかと心配しているが、

「…彼はもう超危険人物ではありませんよ。」

悪魔の片鱗を見せる事は多々あれど、彼はただ己の境遇を呪って”虚無”に陥り、本音では”愛情”を求めていただけだとマネモブは弁護する。

 

「愛情ねぇ…」

だったら、弟子と仲間同士で潰し合わせる事はないんじゃないかと優希は苦言を呈する。闘いに勝者と敗者は付き物、恩人の前で負けた側の気持ちはどうするのかと。

彦卿に”円月流”を授けたのがマネモブだという事は、状況証拠から灘一族も把握している。

 

「熹一さん熹一さんってワシの後ろをピーピー追いかけてたお前が、まるで鬼龍みたいな事をするようになったのォ」

”龍を継ぐ男”を決める為、自身の子供達を争わせていた宮沢鬼龍をキー坊は思い出していた。

米軍の特殊訓練において、講師を務めていた鬼龍に投資技術やら灘の禁術やらを教えられた弊害かのォと皮肉る。

 

「ククク、憎まれる事を恐れる者には分からないだろうが…」

敗者を罵倒し、唾を吐きかける愛情もある…闘争こそ、彼等をより強くする。そして彼ら自身が、強さに執着する者達だから本望であろうと、マネモブは語った。

 

◇次回、骨肉相食む弟子同士の戦いの行方は…




最近評価感想が増えて来た…!俺は嬉しいぜ!これからもお願いさせて貰おうかァ
本当はこの回で戦いの決着付けるつもりだったのに…クソがっ、タフのキャラを出すとつい会話パートに力加減を間違えてしまうからシャレにならんわッ次回は流石に勝者が決まるっス。
ちなみに龍星君は来ないんですか?ってマネモブが訪ねて空気が荼毘に付す…みたいな下りはありそうだと思ってんだ。
鬼龍は…今はいないけど登場する予定なのん。
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