新運命「愚弄」の行人「マネモブ」   作:異常猿愛者

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評価、感想感謝しますッ
あっしは気付いたでヤンスよ。
主人公マネモブの癖にあんま語録使ってないんじゃないかってね。


永遠の地 オンパロス
第四の運命 ”愚弄”が”永遠の地”を救う時 ”記憶”を代償として支払う事になる


ピノコニーの”秩序”騒動、仙舟「羅浮」の”演武典礼”を終えたマネモブは完全に燃え尽き症候群へと陥っていた。ある種の”開拓”を立て続けに二つも行ってしまった事で、次に何をしようなどと考える事すらままならない。

「ふぁ~眠い…」

悪魔王子は停泊した宇宙船内で真面目にスパークリングに励んでいるが、マネモブはここ最近一日中ベットから離れない始末だ。トダーに体が鈍ると忠告されているが…

 

「なんか疲れちゃったなあ。次はどこ行こうかなあ…海が美しいと言われている”海洋惑星” ”ルサカ”にでも行けば、潮の香りと美しい蒼を堪能してリラックス出来るのかなあ…」

「”ルサカ”ニ行ケバ、ヤル気ニナルヤンケ?」

上の空なマネモブに、だったらお望み通り”ルサカ”に連れて行ってやるから本気を出せと、宇宙船の進路を決めようとするが…

 

『ハーイ、トダーちゃん久しぶりィ。元気してた?』

「カフカヤンケ?」

まるで見計らったかのようなタイミングで通信を送って来る”星核ハンター”に警戒を隠せないトダー。一応”愚弄派閥”とは脚本修正の協力と不可侵条約を結んでいるが、利害の一致以上の関係ではなく仲良しこよしという訳ではない。そもそも、連絡先を教えた覚えもない。

 

『あら、私達が”スーパーハカー”を擁してる事は群星でも有名な筈だけど?』

「しかし、マネモブはあの大犯罪者にも人脈があるのか。」

ピノコニー上陸直前に仲間になった悪魔王子はその事実を知らなかったが、彼の父親である鬼龍のように無駄にコネのあるマネモブは自分が思った以上の傑物なのかと考えを改めている。

 

『貴方が悪魔王子ね。演武典礼での活躍は凄かったわ。』

演武典礼には偽名で出場した筈だが…名前を把握されている事で悪魔王子も警戒心が強まる。

『そんな怖い顔しないで…今日はマネモブと大事な話をしに来たの…』

人を誑かすような美しさと言動を纏っているその女は、不思議と心の壁を溶かしてしまう魔力がある。用心しなきゃいけないという心と彼女を受容する心が同時に存在する、心地が良いようで気味の悪い感覚だ。

 

「なんやカフカちゃん大事な話って。デートの誘いとかなら大歓迎やけどなブヘヘ。」

「「!」」

呼ぶかどうか迷っていた所に、本人が直接登場した事で悪魔王子とトダーは面食らった。

『フフッ、残念。けど貴方達にとっても大事な事よ…』

マネモブの軽口をスルーして、カフカは本題に入り始める。

 

………

 

「永遠の地オンパロスねぇ。」

「ソンナ星ハ聞イタ事ナイデース。」

カフカが言うには、近々跳躍する”星穹列車”の次の目的地はそこだという。ハンター達の頼みは、マネモブ達”愚弄”組に先んじてその星に向かって欲しいのだと。

しかし、あらゆる検索機能を駆使してもその星のデータが見つからない為、トダーは半信半疑である。

 

『あら、私達のリーダー”エリオ”が可能性を予見する事が出来るのは有名な筈だけど?』

「フン、そんな事知ってるよ。」

こう見えても世界情勢のチェックを欠かさない悪魔王子は”星核ハンター”のリーダーの事は当然把握している。悪魔王子とトダーが言いたいのは、狩人達が真実を述べている保証がない、そして俺達を利用しようとしているのではないかという事だ。

 

『そちらの二人は疑り深いわね。私から言える事は二つ…』

一つ、星核ハンターは嘘を付いていない。二つ、マネモブ達を利用する魂胆があるのではないかという懸念は当たっている。

「俺達を顎で使おうってかァ?」

だったらそれ相応の見返りが要ると悪魔王子は返した。”愚弄”派閥は基本的にタダでは動かない。

 

『貴方達にオンパロスの情報を共有する…それ自体が大きな代価だとしたら?』

「ドウイウコトヤンケ?」

トダーの疑問にカフカが答えた。

『単刀直入に言えば…オンパロスを救わないと、貴方達の故郷も”壊滅”するわよ。』

 

「「「………!」」」

カフカの言葉に大きな衝撃を受ける三人。

『オンパロスではある”絶滅大君”が育っている最中なの。まだ産まれていないから、オンパロスというゆりかご、あるいは母胎の中で誕生を待っているという所かしらね。仮にその大君の育成が完了し、一たび天外へと産まれ出づる事になったら…』

 

マネモブの故郷、日出る国ある地球だけではない。この銀河の全てが”壊滅”するという。

「銀河を全て壊滅させるねぇ。」

大君の分身を身に宿すマネモブからしたら、俄かには信じがたい情報だ。”ナヌーク”に力を分け与えられた”壊滅”の”使令”に、この銀河全てを滅ぼす規格の存在など聞いたことはない。

 

『今まではね…残念ながらこれは真実よ。』

通信越しではニオイで邪悪な嘘を見抜く権能は機能しないだろうが、どうか信じて欲しいとカフカは言う。

『私達の要求は一つ…オンパロスに巣食う”絶滅大君”がこの世に産まれ堕ちるのを阻止して欲しいの。』

エリオの予見によれば、マネモブ達が介入すればそれも不可能ではないという。銀河を滅ぼす程の怪物だろうと、この世に存在する前に消してしまえば、一番犠牲は少なくて済む。

 

「どうするマネモブ?」

悪魔王子は彼に選択を促す。最終的に事を決めるのは、愚弄のリーダーである彼だからだ。

「見た目や言動で勘違いされる事も多いが…これでも愛情深いタイプでね。」

特に故郷への愛着は尚更深いと彼は言う。オンパロスとかいう初耳の星は正味どうでも良いのだが、その永遠の地を救わねば地球が滅亡するというのなら話は別だ。

 

「マ、腑抜ケテタ”マネモブ”ニハ丁度イイ薬ニナリソウデース。」

『フフッ、話は纏まったようね。』

オンパロスが存在する座標を共有するわと、カフカはトダーの電子回路に航路を送って来る。

 

『もし困った事があれば今通信している回線に再度連絡を送ってくればいいわ。必ず助けになるから…そう、最後に一つ。』

「なんや?」

『星穹列車もオンパロス救世に向かう手筈なのは先も言った通りだけど、彼等の到来を忍耐強く待ちなさい。』

さすれば、オンパロスは救われんと…カフカはそう言い残し、通信は終わった。

 

 

「焦んなよオンパロス。今救ってやっから。」

地球では今、熹一が龍星の夢を叶えようと鯱山やリカルドと共に努力し、鬼龍が丸くなったことで宮沢一族もようやく結束し始めたというのだ。その平和を壊させはしない。

「”オンパロス”ニ直行ヤンケ。」

三人の乗る宇宙船は、暗い星海を裂きながら勇敢に進んでいく。

 

………

 

「………。」

通信を終えたカフカは、一仕事でも終えたような雰囲気で椅子に腰かけ、息を整えている。

「あの野蛮人達を引き込むのは上手くいったみたいだね。」

カフカの横で、通信を傍受されないようにモニターと睨めっこしながらゲーム感覚でソースコードを撃ち込んでいた”スーパーハカー”の”銀狼”は、流石"魂魄蠱惑の支配者"と呼ばれるだけあって言葉巧みに人を誘導するのが上手いという。

 

「オンパロスは”知恵” ”壊滅”そして”記憶”の3つの運命が複雑に絡み合っている地とは言われてるけど…そこに”愚弄”まで混ざったら一体どうなっちゃうんだろう。」

オンパロスはあらゆる”運命”が混ざり合う虹色列車(レインボー・トレイン)だ。元々三つの運命が交錯した地に第四の運命まで混入したら、その末に訪れる物語の”終焉”とはどうなってしまうのか?普段はゲームに興味関心の殆どが注がれている彼女でも、流石に気になるらしい。

 

「でも、エリオの予言で一番不穏だった情報を隠したのは酷いんじゃない?」

「フッ、銀狼、一つ良い事を教えてあげる。隠し事をするのは嘘とは言わないの。」

それが大人のやり方よとカフカは微笑むが、どちらかというと詐欺師のやり方じゃないのと銀狼は答えた。

 

「えーっと、エリオが綴ったマネモブ達がオンパロスで迎える結末は何て言ったっけ?」

『第四の運命 ”愚弄”が”永遠の地”を救う時 ”記憶”を代償として支払う事になる…』

カフカが完璧に暗唱した事で、記憶力凄いねと銀狼は淡々と褒める。

「けどそれってどういう意味なの?」

銀狼はちょっと漠然とし過ぎていて予言の内容が分からないという。

 

「さあね。少なくとも幸せな結末(ハッピーエンド)を迎える為には、誰かが代価を払わなくてはいけないのは確かよ。」

その代価を払うのは”オンパロス”か、”星穹列車”か、それとも”マネモブ”なのか…首がすげ代わるだけの話だという。

 

◇予言に記された"記憶"の代償とは一体…




ゴングを鳴らせっ 救世開始だGOーッ
ヒィエエエ オンパロスに乗り込む黙示録の四騎士だあ

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