新運命「愚弄」の行人「マネモブ」 作:異常猿愛者
しゃあっ 灘神影流 猿空間送り
ミュリオンの力で過去に干渉し時空を歪ませてやねぇ ニカドリーの不死性をなかったことにするのはウマいでっ
「うああああああああああああ(ゴーナウス書き文字)」
「今日は”魂”についての講義を………結論から言えば、この世の万物に魂は存在し、全てを魂で説明出来ると言っても過言ではなく…」
その隻眼はかつて最愛の家族を蘇らせようと錬金術の素材として捧げた証、情熱を込めて熱心に授業をするこの男の名は”アナクサゴラス”、通称”アナイクス”だ。
「………。」「ふぁ~」
彼の情熱に反して生徒たちはつまらなそうというか訝しんでいるというか、真面目に板書をしている者もいるが、彼の天才的”魂”の論理を理解している学生など一人としていないだろう。
真面目に授業を聞かぬ者に、アナクサゴラス先生の説教が下されるッ
「しかし先生…魂なんて目に見えぬものをどう信じろというのです。」
「フッ、あなたたちが未だ”魂”を見る眼を養っていないだけのこと…」
事実、彼は肉体から魂を分離し、錬金術の素材とする理論の構築に成功しており、これは学術的に正しいと樹庭内でお墨付きを頂いているのだ。が、凡人に天才の理論は理解出来ないとでもいうのか、生徒は彼の説明を聞いてもチンプンカンプンに見える。
「いいですか皆さん。魂を観測する時に大事なのは…」
『見えないものを見る己をどう信じるか…』
教室中の全員がぎょっとして声のした後方を振り返る。そこにいたのは白と黒の対照的なファッションに身を包んだ大男二人と機械人形一人
「見えないものを見えるようにするのが”幽幻”、見えるものを見えなくするのが”真魔”」
「それらを極めた先にあるのが”心眼”…」
「マネモブ殿………」
挨拶代わりに武術における”魂”の理論を述べながら”愚弄の行人”は教授に近付いていく。
生徒たちは相変わらず何を言うてんじゃあと言った感じだが、
「ちょっと急用なんだァ。教授を借りさせて貰おうかァ。」
「皆さん、今日の講座はここまでです。振替に関してはまた後ほど連絡しますので…」
謎の大男達が教授を連れ去ってしまった事で中止される講義に困惑する学徒だけが講義室に遺される。
………
「用件は分かってますよ。」
”オクヘイマ”に集まる”黄金裔”が本格的に”紛争”を狩るのに動いたという連絡はもう”神悟の樹庭”にも入っているらしい。第一次が痛み分けに終わった事で停滞した”火追いの旅”が”天外の救世主”の来訪により再開されたので、樹庭の学者たちが大事に保管している”理性のサーシス”の火種を回収しに来たのだろうと。
「何度も言っていますが、私は”神託”という不確かなものは信用していません。」
「お前は”世負いのケフィレ”を愚弄するのか?」
「フッ、あなた達は天外の人間でしょう?」
享受はこの星の人間でない”愚弄派閥”が地母神への信仰心がある筈などないと鋭い指摘をする。
「シャアケド、ワシ等二ハ”赤髪の聖女を支えろ” ”星穹列車の到来を待て”ッテ予言モ下サレテルヤンケ。」
「ジョーイと星核ハンターの予言が外れた事はない。トリスビアスが山の頂で聞いたという”ケファレ”の神託の信憑性は俺達にも分からないが…」
結局それも外部の神や予言などという曖昧なものが
「おいコラ”アナクサゴラス”。お前の”魂”への知見が広がるよう、”灘・真・神影流”の”魂の同調”の理論を横流しした事は忘れてるのかあぁん?」
「ええ、数百年ほど前でしたか。他者と自身の魂を繋げると相互に影響を及ぼし合うという…私だけの知見では辿り着かなかったであろう天外の”知恵”を与えてくれた事には感謝してますよ。」
悪魔王子がアナイクスに”陰陽互根の術”を横流ししていたと聞いてえっと驚いているマネモブを差し置いて彼らの口論はヒートアップしていく。
悪魔王子としては、黄金裔に自らの武術を授ける事が自陣営の強化に繋がるという善意からの行いだったのだが…
「なあマネモブ、もう力付くで火種を持って行かないか?」
「ハッ、やはり”火追い”の旅に殉じようとする者達は野蛮人の集まりですね。」
乱暴な悪魔王子と挑発するアナイクスの間にトダーが入ってなんとか仲裁しようとしている。
「しかしあな…えーと、教授よ。」
「目下の脅威は”暗黒の潮”だ。この数百年でも、いくつもの都市国家が呑み込まれ、タイタンは狂気に陥り、難民がオクヘイマに押し寄せてきていると報告がある。すぐにではなくとも、オクヘイマも行く行くは…」
何もしなければ暗黒の潮にが全てを”壊滅”させられるだろう。他に代案も見つからない、このまま”火追い”をせき止めて滅びてしまうくらいならば、
「先の分からない賭けでも、救世に動いてみないか?」
それこそ、”魂”を観測する時と同じ、
「『見えないものを見る己をどう信じるか…』ですか。」
ここに来て”魂”に関する理論を”火追い”に殉じる心を被せられた事でアナイクスは何とも言えない表情をしている。
「すぐには決められませんから…今しばら、」
「た、大変だあっ」
話し込んでいた三人の元に一人の研究者が血相を変えてやってきた。
「何があったのですか。」
「あ、暗黒の潮が…暗黒の潮が襲ってきましたあっ」
「なにっ!?」
言ったそばからである。まさかマネモブ達が説得に動いたタイミングで”暗黒の潮”が動くとは…
樹庭には戦闘経験などない文弱ばかり、守ってくれる者がいなければ一方的に虐殺されるだろう。
「まずは樹庭全体にこの非常事態を共有し屋内への避難を勧告、あなたも早く……」
「は、はい!」
アナイクスは的確で合理的な支持を報告者に伝達する。
「だったら、ここからが俺達の出番だ。」
「フン、これで分かっただろう。」
マネモブは”暗黒の潮”の造物全てを焼き尽くすと意気込んでいる。悪魔王子は、今起きているこの事態こそが、オンパロスの行き詰まった現状だと皮肉を述べた。
「………私は”火種”を安全な場所に保管しておきましょう。」
それが終わったらすぐ駆け付けると、アナイクスは言った。仮にも黄金裔の一角、外部の人間だけに任せるのは忍びない。
「戦闘開始だGOーッ」「ハイデース。」
◇暗黒の潮との闘いはどうなる…?
体調不全だから文字数を削る事にしたんだァ ごめんなあっ
ニカドリーすげぇ…見境なく攻撃していたようで”暗黒の潮”が広がるのを抑止していた側面もあったし。
いなくなった途端に溢れて樹庭がピンチなんだよね。凄くない?