自縄自縛の十種影法術〜平穏に過ごしたいのに、私の周囲が許してくれません〜   作:多眼犬

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何か気がついたらお気に入り数が1000行ってた⋯⋯。

と言う訳で幼少期編の後半が終わり次第、特別企画として真魅と真白の設定を一部紹介する予定です。


参 起きて欲しくない時に限って、奇跡は起きたりする。

「うわぁ⋯⋯コレは中々⋯⋯面倒ですね」

 

 私は目の前で某支配の悪魔にでもやられたかとばかりに、口から泡を吹きながら、キャインキャインと鳴いてはのたうち回ってる、明らかにやべぇ状態の女性を見ながらそう呟きました。

 

 私がクソガキ五条悟とドブカス禪院直哉の婚約者候補だと言うわ衝撃的な事実を聞かされてから早数日⋯⋯。

 

 まぁ⋯⋯それで立場は変われど、私の方針は変わらない訳ですが⋯⋯だからといって余りにも私には衝撃過ぎました⋯⋯精神的にも気が滅入る位には⋯⋯。

 

 まぁ⋯⋯そんな中、やっぱりクソな家と言いますか子育てしてる中で、再び呪霊狩りの業務を言い渡された訳ですね⋯⋯。

 

 とはいえ流石にマイエンジェルズ達を連れてくるのは流石に危ないので、同僚に面倒見て貰うようにお願いして来ました。

 

 何か私が頼んだ同僚の方は顔を物凄く青ざめさせながら首を縦にブンブン振り回してましたが⋯⋯。

 

 一応そんなかんじで預けて来た訳ですが、流石にあのドブカスやクソガキでも、赤ん坊を相手に大人気なく手を出さないとは思いたい⋯⋯。

 

 まっまぁ⋯⋯保険として私自身の髪を使って彼女達の身に何かあれば、1度だけその事象を私が全部肩代わりする縛りと、肩代わり後は自壊する縛りを施した組紐を結んで来たから、多分大丈夫だとは思いたい⋯⋯。

 

 クソッ赤血操術なら血縁者の立ち位置を利用して脹相みたいに分かったのに!!

 

 いや⋯⋯それだと真白に出会えなかった訳だから、やっぱ十種影法術でいいわ⋯⋯。

 

 とまぁ話はソレたが、要するに禪院家を一時的に離れて呪霊退治の為に廃墟まで来て現在に至る訳なんだけど⋯⋯。

 

 目の前でのたうち回ってる女性を改めて見る⋯⋯いや⋯⋯この状態ってやっぱりアレだよね⋯⋯俗に言う獣憑きってやつ⋯⋯しかも犬の真似や口から泡吹くレベルの精神の錯乱って言ったら、獣憑きの定番中の定番である犬神憑きじゃん⋯⋯。

 

 えっ何? 私、犬神の呪霊を相手にするって事? と言うか犬神、猿神とかこのまま行くと、何か因果と言うか⋯⋯流れ的に何れ蛇神も相手する日が来そうで怖いんですが⋯⋯。

 

 まぁ⋯⋯以前にも犬神と蛇神関連の呪霊とは戦った事はありますが⋯⋯あの時の犬神呪霊は首と胴体を分離したり巨大化して来ただけで⋯⋯今回の様な獣憑きの症例は無かったんですよねぇ。

 

 てかよくよく考えたら、帳下ろしてる廃墟内に居たってことは、私が来る前から既にこの場所にいた被害者って事じゃん⋯⋯。

 

 うわぁ⋯⋯もう面倒くさすぎる⋯⋯。

 

 まぁ⋯⋯ここに本体がいるとは思えないから、真白には一応周囲を散策して本体見つけてもらうとして⋯⋯てっん?

 

 私は違和感に気付いた。そう先程までのたうち回っていた女性が静かになり、四つん這いで口を半開きにして舌を出しながら、明らかに虚ろなその両の眼で私を見──

 

「ハッハッウゥゥ⋯⋯グルァアッッッ!!?」

 

「────ッ!?」

 

!私は反射的に刀を抜こうとして、相手は非術師だと思い至り数瞬だけ行動が遅れ、慌てて対象の噛み付きを片腕で受け止める。

 

「ぐぅっ!?」

 

 対象は錯乱してるせいでリミッターが外れてるのか、私の腕にしっかり歯が食い込む⋯⋯。

 

「ウグッ!?」

 

 その瞬間、私の精神に何かが干渉した。

 

 なんと言うのか私の精神をソレが蝕んで行くと言うか侵食して来ると言うか⋯⋯頭の中を軽く掻き回されるような不快感が私を襲う⋯⋯。

 

 まぁ⋯⋯とはいえ日頃の禪院家で精神的なストレス等に散々、真白が適応しまくった影響なのかソレでも軽症で住んでるんですが⋯⋯コレで対象の術式が何となくだけど理解しました。

 

 引っ掻いたり噛み付いたりしてマーキングした対象の精神を塗り替える術式。

 

 しかも精神を塗り替えられた被害者を介して術式の発動が可能⋯⋯。

 

 まさに感染する疫病。確かに犬神憑きの症状って狂犬病の症状に似通ってるから⋯⋯狂犬病への恐怖が犬神信仰と結びついて誕生した呪霊って所でしょうか⋯⋯。

 

 しかもこの術式のヤバい所は、人から呪霊の精神に無理矢理塗り替えられるから、対象者も拒絶反応を起こして発狂してしまうこと⋯⋯。

 

 私の場合は真白の術式の影響により、日頃から精神的なストレス等に適応が行われてた事もあり、多少精神的な負担が軽減されてたのが幸いしたって所ですね。

 

 何れにせよ物凄く面倒臭い術式だって事は変わりありませんが⋯⋯。 

 

「チッ!!」

 

 私はすかさず片腕を刀で切り落としました。術式の影響がマーキングされた噛みつき後と考えるなら、傷口事切り落とした方が手っ取り早いのと、後噛み付いてるこの女性が邪魔なのが理由ですね。

 

 まぁ⋯⋯強引な方法なのも確かだし、もっとやりようはあるのかもしれませんが、戦闘に置いて一瞬の判断が勝敗を決める以上は、あーだこーだ考えてる暇は無い! そうすると判断したなら既に行動を終えなければならないんです!!

 

「デェエェエエェイッッッ!!」

 

 そして私は反転術式で腕を再生させながら、勢い余って咄嗟に相手を蹴り飛ばしました。

 

 あっやばっ!?いっ一応は呪術じゃなくて体術で対応はしましたし、私がやられたら彼女を助けられない都合上、非常時だったと言う事にはならないでしょうかねって⋯⋯。

 

 私はここに近づいてくる複数の気配に気付き周囲を見渡す。

 

「本当に⋯⋯面倒臭いですね」

 

 周囲には蹴り飛ばした女性同様に、泡を吹いている四人⋯⋯男性2人と女性が蹴り飛ばした娘を含めて3人の計5人⋯⋯外見的な年齢は全員が10代後半か20代前半辺りでしょうか⋯⋯。

 

 まぁ⋯⋯おおよそ肝試し等で来た大学サークルとかのグループって所でしょうね⋯⋯怖いもの見たさで廃墟に来て本物(呪霊)に出くわしてしまったとか、運が無いですね⋯⋯。

 

 とはいえ、私は助けるつもりは微塵ほどもありませんが⋯⋯私にとって助ける基準は単純明快、私が助けたいと思える相手か否か、そこに善人・悪人・弱者・強者等の基準は関係ない、そもそも情も好感もない赤の他人を救いたいとは思わないし、それらが呪霊の討伐や呪詛師の粛清など、そう言った業務の遂行中に死のうが私からすればクソどうでもいい⋯⋯それでも死にたくないなら、私が業務を終えるまで精々死なないように足掻けばいいって話です。

 

 とはいえ、今の現状をお攫しましょう。

 

 まず吹き飛ばした娘は壁に叩きつけてしまってるので、すぐには動けない状態なので実質相手は、私を取り囲んでる四人⋯⋯いや大元の呪霊を足して四人と一体って所ですか⋯⋯そのくせ大元の本体である呪霊は未だに姿を隠してるので、多分隙を見て襲撃を企んでるかその辺じゃないでしょうか? 

 

「ガァルルゥアァッッ!!」

 

「おっと⋯⋯」

 

 私は思考中に攻撃してきた一体の攻撃を避けると、そのまま顔面目掛けて拳を一発お見舞いする。

 

 もちろん顔面が粉砕とかされないようにしっかりと反転術式を施しつつだ⋯⋯てか滅茶苦茶いい感じに吹き飛びましたね。

 

「グルルル⋯⋯」

 

「ガァアァアアァァ!!」

 

「バウッ! バウゥッ!!」

 

 その瞬間、それが合図になったのか残りの三体が、私に襲いかかってくる。

 

 私は直ぐ様、前方の右斜めから来た奴に裏拳を叩き込み、その拳で左方向の真横から来た奴を殴り飛ばすと、その勢いを乗せたまま後方の左斜めから来た奴に流れるような動きで回し蹴りを叩き込みます。

 

「グルァアァッッッ!!!」

 

 そして回し蹴りを叩き込み終えた辺りの私の背中側から、出てきた玉犬に近い外見をした黒い犬⋯⋯。

 

 三人を対処する為に完全に避ける事め反撃も出来ないだろう絶妙なタイミング⋯⋯。

 

 まぁ⋯⋯犬っころとしては良くやったと褒めておきましょうか⋯⋯ですがそこは私が用意した偽のゴールです。

 

「────ッッ!!???」

 

 突如として私の影より現れた一筋の閃光、私の式神である真白が放つ一閃の一太刀、それにより犬神の首は胴からオサラバする。

 

「⋯⋯ッ!?グルルゥウァアァアアァァアアアアアッッッッッ!!?」

 

 だが⋯⋯犬神の首は床に落ちて行く中、カッと目を見開くと、そのまま私に目掛けて飛んできました。

 

「甘いッ!!」

 

 私はそう言って、私の首目掛けて飛んできた犬っころの首にアッパーカットをお見舞いします。

 

バチッ

 

 あっ⋯⋯えっと正直に言いますね⋯⋯。

 

 私は今回は呪霊の捕獲が目的で来たんです。なので殺すつもりは無いので、主従契約結んだ後に術式を解除させる予定だったんです。

 

 だからこそ、刀でズバッとやるのを控えてあえて拳で手加減するつもりだったんですよ⋯⋯。

 

 なのに⋯⋯なのにさぁ⋯⋯。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 なんでこのタイミングで黒閃(クリティカルヒット)が出ちゃうんですかねぇっ!!




オマケ
結構時間かかった⋯⋯いや⋯⋯1000件記念の為に用意する一部の設定資料の切り出し作業に、幼少期編でとある人物を出そうと考えてたんですが⋯⋯甚壱の件もあるので問題は無いかプロットの見直し作業に没頭してたもので⋯⋯後、単純に最近仕事が忙しすぎて書く気力が無かったです⋯⋯はい⋯⋯。

ちなみに⋯⋯ここだけの話ですが⋯⋯実は真白と真魅って羂索の対比で書いてたりします。

簡単に説明すると⋯⋯。
羂索
自身から生まれるモノは己の可能性の域を出ず、故に自らの手より離れた混沌を求めた。

真魅&真白
手元いる後先考えずに作った存在が、実は己の可能性の域を超える混沌だった。

と言った感じです⋯⋯。
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