自縄自縛の十種影法術〜平穏に過ごしたいのに、私の周囲が許してくれません〜 作:多眼犬
( ¯ཫ ¯)ゴフッ
どうしてこうなった⋯⋯私はただ平穏に生きたいだけなのに⋯⋯。
某、手フェチの殺人鬼さんが求めたような、深い絶望も無い⋯⋯かといって激しい喜びもない植物のような平穏の人生⋯⋯。
ただただ面倒臭い事をせずに、面倒事とは無縁な日々を送るそんな人生⋯⋯。
のんびりと惰眠を貪ったり、ゆったりただぼーとした時間を過ごして寛いだり⋯⋯余裕を持ってだらだらとだらける。
それこそ刺激がちょっと欲しくなったら、そうい時は深い絶望も激しい喜びも、アニメや漫画にラノベとかの架空の話として鑑賞して楽しめばそれでいい⋯⋯実際に私がソレを体験する必要なんてない、ああいうのは架空の話だからいいのであって実際に体験するのは話は別って奴で⋯⋯。
それで辛くなったりムカついたら愚痴ったり、嬉しかったら笑い、悲しかったら泣いたり、そんなふうにやりたい時はやりたいようにやる。
そんな⋯⋯当たり前で実に平凡で平穏なスローライフが私の目標だったはずなのに⋯⋯。
「さて⋯⋯それじゃあ始めようかマイシスター」
「八雲立つ 出雲八重垣 妻籠に」
なんで⋯⋯
「あぁ安心してくれたまえ、なんせ私は⋯⋯
なんで⋯⋯
親友に手加減するような野暮な女じゃないからな!」
「八重垣作る その八重垣を」
なんで⋯⋯九十九由基さん相手に御前試合しなきゃならないんですかねぇっ!?
いや⋯⋯確かに九十九さんに試合申し込まれましたよ⋯⋯そこは一歩⋯⋯いや十歩⋯⋯いやいやいやいや百歩か千歩下がって何とかよしとしたとしましょう!!
ですが⋯⋯酔っ払いジジイてめぇは駄目だっ!!
あのジジイは九十九さんから私への試合の申し込み⋯⋯それを間近で聞いた上で、やっちゃあならない事をした!!
そう! まさかの面白いとか言った挙句に調子に乗って、それじゃあ試合の場所とかはコチラで準備してやるとか抜かし、試合は試合でもまさかの御前試合にしやがったのだ!?
しかもよりにもよって観客は多いほうがオモロいよな的な乗りで五条家や加茂家の御三家を巻き込んでだぞ!!
まだ五条家なら許そう⋯⋯だがよりにもよって加茂家を呼ぶ事だけは辞めて欲しかった!!
だって加茂家と言えばあの羂索の息のかかったやべぇ場所だぞ!! タダでさえ真白が領域展開使える情報が流れちゃってるのに、それで招き入れるか?
羂索なら絶対、領域展開が使える式神とか聞いたら首を突っ込んでくるに決まってるじゃん⋯⋯何せあの面白いものにはとにかく首突っ込みたがる、あのメロンパンならやりかねない凄みがある!!
いや⋯⋯勿論、そんなの前世の知識も無い酔っ払いが知る訳も無いのはわかってますよ⋯⋯だけどそれでもさぁ⋯⋯出来れば私と九十九さんの試合は観覧者は身内だけとかにするとか、ジジイだけ観覧して見届け人になるとか、やりようはあったはずなのよ⋯⋯。
それを態々こんな大事にしやがってさぁ⋯⋯本当に今回ばかりは呪うぞこの野郎が⋯⋯。
「はぁ〜〜⋯⋯」
「囲いの中に何があるや、闇があるや」
私は額に手を当てて盛大にため息を零した。
いや⋯⋯マジでこの状況をどないしよう⋯⋯出来るなら九十九さんとは友好的な関係は持って起きたい⋯⋯だって九十九さんだよ? いや将来的に考えたら東堂葵のお師匠様な訳だし、仲良くして損は無い訳だよ⋯⋯でもそうなると⋯⋯試合は真面目にやらないと怒るだろうなぁ⋯⋯。
でもさぁ⋯⋯だからってこんな御三家総出で巻き込んで、御前試合と言う人の注目が明らかに集まってる場所で目立ちたくはない! 100%ないっ!!
特に羂索が見てるかもしれない状況とか、どう考えても将来的に巡り巡って、私への災いとなるのは目に見えてる⋯⋯。
本気を出して全力で挑めば羂索に手の内を見られる。かといって手加減して戦い敗北すれば九十九さんとの間に遺恨がのこる⋯⋯。
つまりこの二者択一のこの状況を打破するためには、ある程度九十九さんと白熱した戦いを行った上で、コチラの敗北に持っていく事っ!!
しかも御前試合を見てる観客に、私達の情報がある程度漏れないように秘蔵する何かをした上でだ⋯⋯。
普通に考えたらほぼ不可能と言ってもいい⋯⋯だけどそれでもやるしかない⋯⋯。
「⋯⋯それでは⋯⋯行きます!!」
「闇の中に何があるや影があるや」
私は居合の構えをとり、そのまま呪力放出により加速しながら九十九さんに突貫する。
まぁ⋯⋯普通に真白をぶつければいいんじゃないかって思うかも知れ無いが、今回の作戦では彼女の気を引く必要がある⋯⋯そして何よりも⋯⋯あの東堂葵の師匠なら⋯⋯私が突貫した方が好感がもてる可能性が非常に高いと判断した。
「おっと!!」
そしてそのまま振り切った一線! だが彼女はそれを紙一重で交わします。
ですがとある某伝説の無敗ゲーマーの兄妹は言っていた。
戦いとは始まる前から既に始まっているのだと⋯⋯。
「闇と影! 折坂なりて! 八重垣となりて! 領域展開!!」
その瞬間、長ったらしい詠唱を終えた真白の領域展開が⋯⋯私と真白⋯⋯そして九十九由基を巻き込み発動しました。
「
そこは以前と変わらない、モノクロの御殿の庭園⋯⋯。
その光景に目を見開く九十九さん。私は刀を手放し透かさず呪力放出を行い、そのまま加速を加えた回し蹴りを彼女目掛けて叩き込みます。
「────ッ!?」
急な不意打ちに彼女は若干よろめく中、私は透かさず拳を握りしめ叩き込もうと振りかざします。
ですが流石に相手も、それはさせるまいと私の拳を手で受け止めます。
「驚いたよ⋯⋯本当に領域展開を使えるとはね⋯⋯」
「えぇ⋯⋯そうですよ⋯⋯ちなみにこの領域は五条さんの時同様に必中と必殺を省き、そのリソースを領域の中和及び外殻の強度の強化に注いでいます⋯⋯更に掌印と呪詞の詠唱により余ったリソースを利用して、燃費を抑えました」
私は改めてダメ押しと馬鹿りにそう領域の効果を開示すると、彼女の背後から真白が奇襲をとばかりに刃を振りかざし、私も空いてる方の手で握りしめた刀を振り下ろす。
私の刀と真白の退魔剣を同時に受けるのは流石に不味いと判断したのか、彼女はその場を何とか離れようとするが、私はそれを見逃さない⋯⋯。
「────チィッ!?」
彼女も自らの異変に気付いた時には既に遅かった。
そう⋯⋯
「クッ! 舐めるなぁッ!!」
そして、私の刀と真白の退魔剣を九十九さんは、両手を伸ばし指で挟む様に引っつかむ事で、静止させる。
だが⋯⋯私と真白は降っていた刃から手を離し、懐に潜り込むとそのまま拳をお見舞いした。
「「ハァアァァッ!!」」
「グゥッ!?」
そっからはまぁ小さい身体を活かして攻撃を避けつつ、隙を伺ったり無理やり隙を作っては殴り込むを繰り返しました。
九十九さんの術式を封じて、足を固定した上での2人がかりでの連携⋯⋯とはいえリソースを使って燃費を良くした所で領域展開は領域展開⋯⋯呪力の消費はハッキリ言ってかなり激しい⋯⋯まぁそこが狙い目なんですがね⋯⋯。
何せ私の呪力切れまで接戦をしてるように見せて⋯⋯後は呪力切れで燃え尽きた感じに負ければというのが私の考えだったりするので⋯⋯それに⋯⋯肉弾戦を主体に戦う九十九さんならこれくらい大丈夫でしょうしね⋯⋯。
「ハァ⋯⋯ハァ⋯⋯フフッコレはしてやられたって感じだね⋯⋯」
「フゥーー⋯⋯フゥーー⋯⋯そうっですか⋯⋯それは何よりですね」
私はそう言うと九十九さんは両手を上げ⋯⋯ん? あれ? 両手を?
「降参だ⋯⋯」
⋯⋯えっと⋯⋯コレはどしたらいいんですかね⋯⋯。
おまけ
日向@さん、garaasaaさん誤字修正ありがとうございました。
ヤタモトマリさん高評価ありがとうございました。
Qなんで九十九さんは降参したんですか?
Aもともと九十九さんの目的が実力を見る事と、本当に式神が領域展開を行ったのかを確かめる事で、試合の勝敗は二の次だった事⋯⋯その為、ある程度見れたので満足したのもあって、今回はマイシスターに花を持たせてあげよう的な感じで降参しました⋯⋯。
Q編集前はどのような展開を予定してましたか?
A領域展開までは同じですが、そこから渋谷事変当たりで切る予定だった真魅のかなり出力を下げた切り札をだし、それを九十九さんが見た後に降参的な流れになってました。ただ⋯⋯流石に真魅がそこまでの切り札を切ったら、なんか九十九さんは逆に迎え撃とうとしないか? そう思ったらだんだん違和感が酷くなって書き直した感じです⋯⋯。
Qその切り札を切ってたらどうなってましたか?
A真魅が一時的に真白の術式を保有した状態で、本来のスペックを取り戻します⋯⋯元々縛りを結ぶ前の真魅は宿儺とほぼ同等の呪力量を保有してる為、宿儺クラスの呪力量を保有した怪物が降臨してました⋯⋯ちなみに出力を最大にして出すと、飛天&神武解の完全武装した状態の、完全体宿儺が降臨する位にヤバいと思って貰えれば良いと思います⋯⋯。