自縄自縛の十種影法術〜平穏に過ごしたいのに、私の周囲が許してくれません〜 作:多眼犬
激 バ
務 テ
燃 に で
え 追
尽 わ
き れ
る
視界を埋め尽くす蛇の群れ⋯⋯私と真白⋯⋯そして目の前の半人半蛇の呪霊を除き、空も右も左も前後における全てが⋯⋯その全てにおいて私の目に映る全ての景色が蛇⋯⋯そう圧倒的なまでの数の蛇⋯⋯。
集合体恐怖症の人が見たら発狂するんじゃ無いかとすら思えるLvの圧倒的なまでの数による蛇、蛇、蛇⋯⋯。
それこそ蛇の蛇による蛇の為の圧倒的なる蛇の群れ⋯⋯。
何処にこんな数を隠してたとすら思ってしまったが、領域展開はその対象の術式を反映した心象風景⋯⋯。
予め蛇の群れを心象風景として組み込んでたのなら、恐らく領域展開の時に限定してのこの分体の圧倒的な集団を築き上げれたのだろうなァ⋯⋯。
「ククク⋯⋯ここまで我を追い詰めるとは褒めてやろうぞ⋯⋯てっ⋯⋯ん?」
半人半蛇の呪霊は私達を見てそう言うが、途中で何故か真白の方を見たあと、俯いて目元を推さえた後にもう一度真白を見た。
「⋯⋯はっ? エッエェエエェェーーーッ!?」
そして希う事なき完璧なまでのエネル顔になった。いや⋯⋯どういう事だってばよ⋯⋯全く意味が分からんぞっ!?
そんな私の疑問を知り目に、半人半蛇の呪霊はエネル顔のまま真白を指差し──
「なっなななななっなんで式神がおるんじゃっ!?我はちゃんと、小娘と我以外は弾くように指定して閉じたはずじゃぞ!?」
⋯⋯あっあぁなるほど⋯⋯つまり本来は式神と私を分断する為に、私と本呪霊に限定し、他は外側に弾き出すように閉じる予定だったと⋯⋯。
それでなんで居るのかって所かしら⋯⋯まぁ心当たりがあるとしたら⋯⋯双子の縛りによって私とは呪術界隈的には同一人物と見なされるから、その結果⋯⋯目の前の半人半蛇の呪霊と私以外を弾き出そうとして、私と同一人物と判定された真白も領域内に残ったて所かしら⋯⋯。
まぁ⋯⋯仮にそうだったとしても目の前の呪霊に教えてやる義理はない訳だけど⋯⋯。
「まっまぁ良いわ! どちらにせよ我の領域に入った時点で、術式からは逃れられぬだからな!!」
そう言って勝ち誇った様に言う半人半蛇の呪霊⋯⋯何処かしらポンコツ臭がするが、とはいえここはその呪霊が展開した領域⋯⋯言ってしまえば奴の腹の中に等しい空間⋯⋯油断は出来ない⋯⋯。
あっそういえば魔虚羅の術式って
私はふとそう思い、真白の方をチラッと見る⋯⋯。
ガコンガコンガコンガコンガコンガコンガコンガコン!!
アレ? 可笑しいなぁ⋯⋯きっ気の所為かなぁ⋯⋯私は俯き気味に目元を推さえた後、もう一度見る⋯⋯。
ガコンガコンガコンガコンガコンガコンガコンガコン!!
⋯⋯やっぱり気の所為じゃ無かったわ⋯⋯思わず目を見開いて凝視した私は悪くないと思う⋯⋯。
えっどうなってるの? 何か物凄く真白の頭の上の法陣がグルグルグルグルとフル回転して、物凄く荒ぶっておられるのだけれどっ!?
え? 真白? ナニナニ⋯⋯領域とかいう対象の心象風景そのものの空間に放り込まれた影響により、存在そのものへの適応が行われ出したと⋯⋯。
えっ何それ知らん⋯⋯怖っ!?それってつまり魔虚羅相手に領域展開は悪手とか誰が分かるってLvの初見殺しじゃない!?
えっ? その前に術式の適応が優先されるから、術式の適応も含めて領域に長く留まるか、術式が適応積みの段階で領域を展開される事が無い限り、起こり得ないかなり限定的で稀なケースとの事ですか⋯⋯。
あっうん⋯⋯つまり何方にせよ魔虚羅相手に、領域展開をしたら詰みって事ですね。
ガコンッ!!
てか⋯⋯そうこうしてると法陣の回転が丁度おわりました。
そして⋯⋯それが何を意味するのか、体感的にも私は完全に理解してしまう⋯⋯。
私は半人半蛇の呪霊の方に顔を向けます。
「えっと先に謝っておきます⋯⋯すみません⋯⋯私、真白の術式を間接的に受けてるので⋯⋯完璧に詰みです」
そう言うと私は刀を構える。必中と必殺により勝てる確信があった油断か、私のそれを見た半人半蛇の呪霊は、流石にヤバいと思ったのか、領域内の分体である蛇達が蠢き始める。だがもう遅い⋯⋯存在そのものに適応した今それらは全て無意味に等しい⋯⋯私はそのまま領域に自らの影を伸ばした⋯⋯。
「なっ我の領域がっ!?」
自身の領域が私の影により蝕まれ分体もろとも、染め上げられて行く光景に驚愕する呪霊。
何というか今やってるコレは領域展開とは違う新たな御業⋯⋯そうですね⋯⋯あえて名前を付けるなら⋯⋯。
「
「しっ⋯⋯アッアァアアァァッッ有り得んッ!?」
呪霊の奴は目の前の現実に耐え切れず、自らの髪を掻きむしり振り乱しながら絶叫の声を上げました。
まぁ⋯⋯だからって手を緩める気はありませんがね。
私はソイツにゆっくりと近付きます。
「ヒッ⋯⋯ヒィイィイイィィィーーーーッッッ!!??」
すると可の呪霊は、自ら展開した領域の中である事も忘れて、そのまま私に背を向けて全力で逃げ初めました。
とはいえ逃がすつもりは当然ありません⋯⋯私は掌握した領域にいる、私の影で黒く染まった蛇達を使って、無様にも背を向けて逃げる奴の身動きを封じます。
「ナッ!?」
元とは言え自らが使役していた分体に身体を拘束され、完全に怯えきった顔で私を見る蛇の呪霊。
私はゆっくりと近づくと手に持った太刀を奴の首筋に当てます。
「あっ⋯⋯あぁ⋯⋯」
「貴方に選ばしてあげるわ⋯⋯私に従属するか⋯⋯従属せずこのまま私に殺されるか」
歯をガチガチと鳴らし私を見る呪霊。完全に形成は逆転してる状態だけど、私はもう一押しとばかりに話を続ける。
「言っておくけど⋯⋯払うってのはこの場限りの話じゃ無いわ⋯⋯また新しい呪いとして生まれても殺すし、名前や姿が変わろうと変わらず何度でも殺す。錆び付くまで徹底的に最後まで⋯⋯ね⋯⋯」
私はそう言うと、息を深く吸った後一呼吸おき⋯⋯そして───
「選べ」
ただ一言⋯⋯それだけをかなり低い声で言い放ちました。
ここまでやれば流石に隷属すると、首を縦に振るでしょう⋯⋯まぁ⋯⋯虚仮威しとは言え、やれるもんならやってみな的に言って、従わない様なら頷くまで反転術式で炙っるプランBを結構するだけですが⋯⋯てっん?
「あれ?」
えっと⋯⋯何というか白目剥いて泡吹いてます⋯⋯完全に恐怖の余りに気絶してますねこれ⋯⋯。
「えっと⋯⋯ちょっとやり過ぎたでしょうか?」
う〜ん⋯⋯とは言え目覚めるまで待つのもアレですし、仕方ないですね⋯⋯。
私は胸ぐらを掴むとそのまま思いっきりスパーンと1発、平手打ちを片頬に向けてぶちかましました。
「⋯⋯う〜ん目覚めないですね」
ならばと私は往復の平手打ちをかまします。
スパパパパパパパァンといい音が鳴り響き、ある程度した所で停めましたが、首をクテンと傾けて相変わらず気絶したままです。
「⋯⋯こっこうなったら反転込みのグーパンで⋯⋯」
「姉様⋯⋯おやめ下さい⋯⋯それ以上はガチで死んでしまいます」
私の暴挙を止める真白いやまぁ⋯⋯実際、呪霊の捕獲が目的な都合上は死なれると困る上に、あーだこーだと後々実家の連中に言われるのは物凄く面倒臭い⋯⋯。
「⋯⋯はぁ⋯⋯面倒臭いですが仕方ないですね⋯⋯起きるまで待つとしましょうか⋯⋯」
私はそう呟きながらため息を一つ吐き出す。それからこのクソ呪霊が目覚めるまでに数時間の時間を費やしましたよチクショウメッ!!
オマケ
はい⋯⋯マジで夏バテに予想以上の激務に追われて書く暇も気力も無かったです⋯⋯しかもプロット見直したら、キャラクター達の、裏側での流れとかを考えると、明らかに無理がある事に気付いて、お盆中はその辺の組み直し作業に没頭してました⋯⋯マジですみません⋯⋯。
( ´ཫ`)ゴフッ
ちなみにこの作品では存在適応の条件は、相手の術式を完全に適応した後に領域展開を受けた場合、その対象の領域(存在)に適応すると言う感じになってます。
領域侵食
領域を塗り替えるのでは無く、相手の領域そのものを自身の領域として上書きして領域の主導権を完全に掌握し奪い取る技。尚、真白による相手の存在への適応により可能とした力技でもある為、行使するには相手の存在に適応する必要がある。(尚⋯⋯今回の話を書いてる最中に、気付いたら真魅が勝手に放っていた為、作者としてはガチで困惑してました⋯⋯)