自縄自縛の十種影法術〜平穏に過ごしたいのに、私の周囲が許してくれません〜 作:多眼犬
(;=⌑=)ナナナナ、ナッ、ナンデスッテェーーーーーー!!!???
喜べ男子ども、幼女の入浴シーンだ!
まぁ⋯⋯浸かってるのがドス黒いコルタールの粘液見たいなものを除けばな!!
いや⋯⋯なんでこうなってるかと言いますと。つい先程起きた
ただ⋯⋯放り込まれはしたが、不思議と怖いとかは無いんですよね。
多分、真白が近くにいるからってのが大きい気がする、幼女の姿に固定化してるとは言え、摩虎羅が傍にいる訳だからね。頼もしいったらありゃしない訳ですわ。
そうなると精神的な余裕も出てきたなぁと思った矢先⋯⋯真白がとんでもない事を思い付いたと言いますか⋯⋯。
「⋯⋯これだけ居るなら浴が出来そうですね」
「はい? えっと⋯⋯真白さん?」
私が自分の耳を疑う中。なんと真白は突然、退魔剣で床をスパスパとクリ抜き、格納された呪霊達を引っ捕まえては穴の方に持って来て、そのまま血を絞ることをあれよあれよと繰り返し始めたではありませんか⋯⋯。
コレには私も開いた口が塞がらないと言うのか、ポカーンとただその光景を見続け、やがて十分な量の血を溜める事に成功したのか、真白は満足気にヨシと頷き──
「姉様。浴が完成しました」
と私に言って来ました。ちなみに表情は相変わらず変わって無いんだけど⋯⋯目の部分にある翼が犬の尻尾か何かのようにパタパタと動いてる所から、めっちゃ私が喜んでくれるって思ってるんだろうなってのは感じられた。
チラリと血が溜められてる穴を見る。真白の掘った穴いっぱいに溜まる赤黒い液体⋯⋯。
真白が入ってくれるよねみたいな、気持ちや感情が私に流れ込んで来るだけに、どうしようと思わず頭を抱えたくなる。
ただそれは逆を言えば⋯⋯真白にも私の気持ちや感情が伝達される訳で⋯⋯。
「あ⋯⋯すみません⋯⋯姉様の為にと思い嫌がる事をしてしまいました」
心做しか⋯⋯先程までパタパタ動いてた翼も撓垂れてる。
いや⋯⋯うん⋯⋯コレは罪悪感ががががが⋯⋯こっこんなん⋯⋯入るしか無いじゃないっ!!
「あ〜〜もう! わかった入る! 入るから!!」
私は両手で自分の頭を掻きむしりながら、そう叫ぶと意を決して直ぐに衣服を脱ぎ始めた。
で⋯⋯だ⋯⋯今に至る訳だけど⋯⋯浸かって見た感想はというと⋯⋯最悪の一言です⋯⋯。
まず臭いがヤバい、鉄錆なんてもんじゃない⋯⋯腐った生ゴミの様な下水のヘドロの様な、何とも言えない異臭が鼻をツンざき、そこにダメ押しとばかりにむせ返るような鉄錆の臭いが鼻孔を貫いた⋯⋯その上に浸かり心地も最悪だ⋯⋯ネバネバして肌に纏わり着くわ、その中に妙にザラザラしてると言うか、何とも言えない不快感が⋯⋯。
いや⋯⋯うん⋯⋯まぁ⋯⋯呪霊自体が人の負の感情より生じた存在なんだから、それの体液に浸かってると考えたら、そりゃあ当然の事だし仕方ないっちゃ仕方ないとも言えないけどさぁ⋯⋯こんなものに平気で浸かれてた宿儺さんマジパネェッス⋯⋯。
ちなみに真白も感覚共有してるからか、私同様に物凄く気持ち悪かったのか、法陣を出して思いっ切りガコッでたけどね⋯⋯。
まぁ⋯⋯そのおかげか私も不快感が多少マシに感じられて来たので、浸かりながらも今後に着いてやら色々と考える。
まず⋯⋯私の目的は覚醒後の真希に殺害される事無く、最悪でも死滅回遊までに表舞台からフェードアウトする事だ。
だが⋯⋯禪院家となると簡単には行かない⋯⋯。
まず女中は禪院家だとハッキリ言って家具の様な道具に等い扱いだ。
そして⋯⋯無能な道具程、扱いは雑になって使い捨ての消耗品の様に壊され、最終的にはボロボロになった後に捨てられる。
ようは無能をよそえば禪院家から解放されても、廃人か死ぬしか無い。
かといって有能ならいいって話でも無い⋯⋯。
有能な道具は逆に重宝され、場合によっては禪院家に繋ぎ止める為に、嫁がされて孕み袋にされる⋯⋯。
私の様な術式持ちなら─しかも血統術式の十種影法術だ。バレれば尚更禪院家の連中は逃がそうとはしないだろうし、そうなればもう抜け出せないし本当に死ぬまで解放されない⋯⋯。
無能を装うのもダメ、有能に見せるのもダメ⋯⋯ではどうしたらいいのか?
簡単な話、
少なくとも禪院家を抜けた後のプランや前準備やら地盤も無い今の現状だと、コレが最善と言うべきだろう⋯⋯。
まぁ⋯⋯ぶっちゃけ本音を言うと、バックれるならバックれるで、幼少期の真希や真衣にモモちゃん⋯⋯東堂や甚壱様の筋肉を拝んでから、バックれたい⋯⋯そしてバックれた際に、思いだされてもあっそいやぁそんなヤツいたなぁ的な立ち位置でありたい⋯⋯。
だからこそ私の趣味も当然入ってるのは否定はしないが⋯⋯真白⋯⋯基、魔虚羅の姿を幼い少女の姿にしたのもその為だ。
先程も言った様に肥溜めのようなこのクソ禪院家は、男尊女卑が物凄く激しい⋯⋯それこそ男性こそ最強で女性は軟弱な存在と認識される程にだ。
ましてや子供なら尚更⋯⋯だからこそ女が幼い少女の姿をした式神使いとかなら、間違いなく誰も私を有能な術師とは認識しないだろうし、ましてや真白の正体が魔虚羅だと気付く輩は高確率で出ないと考えた。
更に言えば真白に自我が芽生える様に、意図的に縛りや拡張術式を施したのもその為、芽生えてくれるかどうかは半分賭けだったけど、上手くいったのは何よりと言うべきだろう⋯⋯。
だって式神使いが自身の式神をろくに使役出来ないとか術師的に見るなら論外でしょ?
しかも真白がダメージを受けると同じだけのダメージを私も受けるから肉盾にもならない。
まさに術師としては無能⋯⋯ただし女中としては真白が術式で仕事を
まぁ⋯⋯それも
戦闘が出来るって事が証明されちゃったからなぁ⋯⋯。
見たい光景があるからいるだけだし、我慢できる許容範囲を超えるようなら、最悪の場合は禪院家からトンズラこいて、呪詛師コースも視野に入れるべきかなぁ⋯⋯はぁ⋯⋯。
まぁ⋯⋯真白が居れば何処だろうとよほどの事がない限りは、何とかはなりそうではあるんだけどね。
出来れば安全にこしたことは無いって感じなんだよなぁ⋯⋯。
私はそんな風に考えてる間に時間は過ぎ⋯⋯やがてだいぶ浸かりはしたからそろそろ上がろうとし──
「あっ⋯⋯この状況⋯⋯どう説明しよう」
──た所で私は格納庫内の呪霊が殆ど締め上げてその血に浸かっていると言う、傍から見たら明らかにヤバい奴的な状態だと言う事に思い至り、思わず無量空処でも受けたかのように思考が停止する。
いや⋯⋯マジで言い訳させてもらうと、もうドブカスが犬神族にされた事件の件で、色々といっぱいいっぱいでもう何も考えたくないLvで、滅茶苦茶疲れてたせいでまともに思考が働いてなかったのだ⋯⋯。
「ははっ⋯⋯もう⋯⋯どうにでもなれっ♪」
いやマジで血を貯めた穴を何とかした所で消費した呪霊まではどうにもならない以上、私は乾いた笑い声を出しながら、開き直ってヤケクソ気味にその場でそう呟くのだった。
パン太郎さんにきゅうさん、毎日読書さん高評価ありがとうございました。
タッチ177さん誤字修正ありがとうございました。
オマケ
Q&A
Qこの作品の摩虎羅にはモデルとかはありますか?
Aばにら@お仕事募集中さんの女体化摩虎羅ですね。それを更に幼くしたのをイメージして書いてます。
Qこの作品を書くにあたって意識してる事ってありますか?
A主人公と摩虎羅の縛りにより置かれてる状態を常に意識して書いてます。設定とかは基本的にメモしてるんですが⋯⋯気が付くと良く忘れがちになるんですよね⋯⋯。
Q性癖の開示をお願いします。
A外見が幼い女性に近いなら性別や種族などにこだわりはありませんが、何処か猟奇的だったり狂気的だったり頭のネジが2〜3本は外れてそうな子が、主人公にクソデカ感情を抱いてるるのって何か滅茶苦茶いいっすよね⋯⋯。
ただこの手の作品の主人公は大概がそのヒロインを拒絶したり否定的だったりして、仮に受け入れてても最終的BADENDする事が大半で⋯⋯私としてはその点だけは、なんで拒絶するんだ? とか⋯⋯別にハッピーエンドでいいじゃん? とか⋯⋯個人的に納得行かない事が大半なんですけどね⋯⋯。