自縄自縛の十種影法術〜平穏に過ごしたいのに、私の周囲が許してくれません〜   作:多眼犬

6 / 21
今回から閑話に入ります。
今回は式神である真白の視点です。


閑話①
閑話:禪院真白 前編


「⋯⋯ふぅ⋯⋯えっとこんにちは真白⋯⋯」

 

 私に向けられた声、私に向けられた名前、私だけの名前。 

 

 彼女⋯⋯()()()()()()()()()()()()()()1()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()⋯⋯()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()、その日より八握剣異戒神将魔虚羅改め、禪院真白となった。

 

 私は私の主である彼女、基姉様から色んなものを学んだ。

 

 料理の作り方、お膳の並べ方、風呂や屋敷に家具の掃除など、私は姉様の一挙一動を事細かに観察し私の一部として学習しそれらの作業に適応した。

 

 ただ姉様はそれでも私に何かを命じる事は無かった。

 

 私が姉様に唯一言われた命令は、姉様に着いてくるようにと言うそれだけ⋯⋯。

 

 姉様の命令は私を使役する強制力は無い、だが式神である以上は主の命に従う事は当然の事であり、存在意義でもある。

 

 それに⋯⋯姉様の手に刻まれた紋章⋯⋯一日一つ会得できて最大三つまで保有出来る、私を唯一従えさせる強制力を持つそれ⋯⋯令呪を私に使用する事も出来るはずなのにそれをする事も無い⋯⋯。

 

 だからこそ私は考えた⋯⋯姉様の縛りの抜け穴⋯⋯姉様が寝てるタイミングを見計らっては、姉様が私に施した縛りや、姉様と共有している思考、記憶、五感を通して感じたものを思い出しては、姉様が私に何を求めているのか⋯⋯姉様が私に施した縛りのその意図を⋯⋯。

 

 何故そうしたかは自分でも分からない⋯⋯ただ何故かソレを姉様の前で考えるのは、何故か無性にムズムズして落ち着かない感覚を覚え、気付けばそうしていたのだ。

 

 そして考えながら一つの結論に至った。

 

 姉様の求めたもの⋯⋯否私が姉様の為に成すべきことは、私が姉様の命とは関係なく姉様の為に自主的に行動する事⋯⋯そして何よりも姉様の命を脅かす存在から姉様を守る事だと⋯⋯。

 

 勿論、コレが正しいかは分からない、寝てる姉様には私の思考も記憶も読み取れないし、意図的になるべく私の思考や記憶を読む事を控えてる姉様は、この私の結論に意義も肯定する事も、ましてや知る事も無いだろう。

 

 そして私が結論付けた後、最初に行ったのは姉様に話しかける事だった。

 

 言語等は姉様の記憶や会話を元に学習してた為、問題はなかった。

 

 とはいえ、姉様を呼ぶにあたって、最初は主様や真魅様と呼ぼうか考えた。だが⋯⋯姉様が私に施した縛りから、私は姉様と呼ぶのが正しいと言う結論に至り、私はそう呼ぶ事にした。

 

 そこからは私は自主的に行動する様になった。当然、最初は姉様をみて学んだ作業の模倣⋯⋯それらに対する適応を行った⋯⋯私が自主的に掃除をしだした時は、私に姉様と呼ばれた時と同様に驚いていたが、直ぐに嬉しそうに喜んでくれた。

 

 それを見て感じた時、私は胸が暖かくなるような感覚を覚え、この行動は間違ってないと確信した。

 

 自主的に行動しだしてからは、少しづつ私の周囲の環境に変化が起き出した。

 

 私がお膳運びや料理が出来ると分かった他の女中の人達から、コレやって欲しいアレやって欲しいと頼まれる様になったのだ。

 

 姉様の記憶からソレらの頼み事を姉様は了承してた為、私も姉様同様に了承して行動した。

 

 すると、周囲の女中達は姉様を褒め称えた。どうも私のした行動は結果的に姉様の評価に繋がるらしい。

 

 ますます私は暖かくも何かが込み上げる様な感覚を覚えながら、更に姉様の為に今後も行動しようそう考えた⋯⋯。

 

 だが⋯⋯ある日の事だった。急に私の身体が硬直し吹き飛んだ。

 

 普段は戦闘を行う訳でも無い為、私自身は色々と制限をその身にかけてる為か、私の身体はいとも容易く簡単に吹き飛んだ。

 

 そして私の視界には散らばるお膳の上にあった食器や料理⋯⋯。

 

「ハッ明らかに道の邪魔やったから、チョイイラッてきてな⋯⋯つい蹴飛ばしてもたわ」

 

 そして私の耳に聞こえて来た声⋯⋯私の身に起きた事象は何かしらの攻撃なのは分かってた事もあり、適応を行う。

 

 そして私の耳に届いた声、その声から聞こえた言葉を聞いた時、私の頭の中は一瞬真っ白になった。

 

 コイツは何を言った? それだけの理由で⋯⋯それだけの理由だけでコイツは私の姉様の為にしてた行動を邪魔された。コイツのせいでせっかく姉様に喜んで貰おうとしたに困らせる事になった⋯⋯そして何よりもコイツのせいで姉様が傷ついた。

 

 再び稼働した思考の中で、私は自身の内側からドス黒いなんとも言えないの衝動がこみあがってくる。

 

 なんでしょうか⋯⋯この何とも言えない衝動⋯⋯。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 あぁそうか⋯⋯。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これが(殺意)と言うのですね⋯⋯

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そこからの私の行動は早かった。私は直ぐに通常モードから戦闘モードに切り替え、臨戦態勢に入る。

 

 私の脳内では姉様が必死に止める声が聞こえたが、それでも私は私を飲み込む荒波の様な衝動(殺意)を止められないままに、ソイツに刃を振るった。

 

 だがソイツも私に触れる事で、先程の用に動きを止めようとしたが、それはもう見切っている。

 

 不意打ちならまだしも、私は姉様の記憶からその術式のタネは知ってる上に対処法も理解している。

 

 更に一度くらった以上は、既に適応済みです。

 

 私の刃は止まる事なく奴の身体を切り裂いた。

 

 とはいえ、傷が残ると困るので反転術式で、切った傍から治した為、衣服が切られた以外は感覚だけが対象に残ったくらいのものですが⋯⋯。

 

「はっ?」

 

「コレは貴方のせいで迷惑を被った姉様の分です」

 

 それでも、相手の思考を僅かに止めるだけの効果はあったようで、私はすかさず背後に回りこんでそのまソイツの首元に当て身を喰らわせる。

 

 当てみを受けたソイツはそのまま気絶するのを見届けた後、膝と背中に手を回して持ち上げた後に、すかさず中庭の池までダッシュで移動しました。

 

「⋯⋯っ!?はっ? えっ? なっなんやってっおぉわっ!!?」

 

 池に辿り着いた辺りでソイツは目を覚ましまし何か言い出しましたが、私は無視してそのまま飛び上がると、ソイツの頭を下にした状態で、胴体を腕と太腿で挟んで固定し垂直に落下、そのまま池に目掛けて頭部から投げ下ろしました。

 

 投げ降ろされたソイツは、そのまま池に下半身だけ出した状態でそのまま沈黙。

 

 その後は姉様に終わった事を告げると、姉様は今後どうしようと悩ませてた為、いっそのこと私がこの畜生以下の連中を一掃しようか提案すると、全力でダメだと言われそれを了承。

 

 まぁ⋯⋯結果として姉様に迷惑をかけてしまった訳だが⋯⋯。

 

 だからこそ、私としても名誉挽回の為に出来る事を考えた。

 

「⋯⋯これだけ居るなら浴が出来そうですね」

 

「はい? えっと⋯⋯真白さん?」

 

 私と姉様が入った呪霊が格納されている部屋⋯⋯。私は姉様の記憶を読み取り、呪霊の血で身体を呪物に近い状態にする身体の強化方法がある事を読み取り、直ぐに実行した。

 

「姉様。浴が完成しました」

 

 私は姉様の為に穴を掘り、呪霊を集めて浴の準備を終えると、姉様にそう言った。

 

 これで姉様のお役に立てる私はそう思って、姉様にそう告げました。

 

 ですが姉様は⋯⋯浴を見ては躊躇う様子、それどころか入りたく無いと不評なご様子でした。

 

「あ⋯⋯すみません⋯⋯姉様の為にと思い嫌がる事をしてしまいました」

 

 やっと⋯⋯姉様のお役に立てると思ったのに⋯⋯何が最強の式神でしょうか⋯⋯主である姉様の役に立つ何処か迷惑をかけてしまい、あまつさえ姉様を困らせる等⋯⋯。 

 

「あ〜〜もう! わかった入る! 入るから!!」

 

 姉様はそんな私を不憫に思ったのか、そう言うと直ぐに衣類を脱ぎ、浴に入られました。

 

 結果は姉様が躊躇う理由を理解したと言って起きます⋯⋯私としてもあの感覚はかなり不快でした⋯⋯術式がありとあらゆる事象への適応であった事に、私としては感謝したくらいです。

 

 その後も私が浴の為に呪霊を使った事で、姉様は呪霊狩りを行うようになり⋯⋯その度に姉様は幾度と無く傷付き、私自身には必要では無いのですが、反転術式を姉様に施し、近づくには距離がある等の場合は、自らに反転術式をかけて姉様を治療しました。

 

 結果として姉様も私が反転術式を使用した感覚を通して、反転術式を覚えました。

 ですが⋯⋯そんな日々を過ごしていたある日の事でした。




白井あおいさん、ナーガラージャさん、レータさん誤字修正ありがとうございました。

くろるなさん、あつすさん、高評価ありがとうございました。

Qつまりどう言う事だってばよ?(真白の双子の縛り)

Aワンピースのカゲカゲの実の能力者であるゲッコーモリアが、影は死ぬまで傍らに存在するもう一つの魂だと定義してました。なので真魅は、それを逆手に影を媒体にして生み出された式神は、実質魂を触媒に生み出したものだと定義し、それを明確にする為に魂を縛りにより、分割して真白に付与し双子とする縛りを結び、その部分を明確に線引きする事でガチで2分割した魂を真白に挿入し、魔虚羅の術式により真魅の分割された魂を適応指せると言う荒業で解決した訳です。ただコレは真魅が転生者だった事、術式が十種影法術だった事、真魅自身が魂を2分割しても大丈夫なだけのスペックを元々保有してた事、縛りの対象がありとあらゆる事象に適応出来る式神である魔虚羅だからこそ、出来た荒業でもあります。真魅自身もそこは理解してた為、この縛りが思い付いた時点でそうするなら、魔虚羅一体縛りが一番いいんじゃないかと考える結果となりました。まぁ⋯⋯結果として成功した訳ですがその代償として、真魅の魂の半分は真白にゴッソリ持ってかれました。ちなみにコレに関しては1話でちゃんと描写されてます。

Q自分で結んだ縛りは解くことは可能的なはなしをききますが真魅も解いたり出来るのでしょうか?

A無理ですね⋯⋯真魅自身が縛りをより強固にする為に絶対に自分で解けないように、かなりヤバイ縛りを自らに結んでますから⋯⋯。

Q真魅が縛りを結ばなかったら場合はどれだけのスペックがありましたか?

A本来は存在しないイレギュラーの為に、運命に干渉できる力をもち、両面宿儺と並ぶLvの呪力量を保有した十種影法術の術式の保有が本来縛りが無かった場合の真魅のスペックですね⋯⋯今は運命への干渉力と十種影法術は健在ですが、呪力量だけは半分にまで低下してます。なお縛りの影響により真白も同様に運命への干渉が可能です。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。