自縄自縛の十種影法術〜平穏に過ごしたいのに、私の周囲が許してくれません〜   作:多眼犬

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自縄自縛⋯⋯俗語でも何でもなく、ちゃんとれきっとした四字熟語であり、意味は自分が作った縄で自分を縛るように、自分の言行で身動きがとれなくなり、苦しむこと⋯⋯要は自業自得の類義語に値する言葉である。ちなみに呪術廻戦の〝縛り〟に〝自業自得〟をかける形であえてこの言葉をチョイスしてたりしてる。


閑話:禪院真白 後編

 それは⋯⋯私が以前の様に女中としての業務に務め、無事にお禅運び無事に終えてからの台所への移動中の事でした。

 

 突如として私の片腕が、捻れては引きちぎれながら、見えない力に圧縮される様に潰れました。

 

 そして共有されている姉様の五感を通して、姉様の視界に移る白髪青眼のソイツが、姉様の腕を破壊したのだと理解し、私の中に以前にもあったドス黒い衝動が湧き上がるのを感じました。

 

 私という存在(式神)がいながら姉様を守る所か怪我を⋯⋯しかも片腕1本分という反転術式等が無ければ、場合によっては致命傷となりかねない大怪我です⋯⋯フフ何が禪院家が誇る最強の式神ですか⋯⋯聞いて呆れますよ。

 

 いや⋯⋯最強は所詮は個に秀で突出しただけの存在⋯⋯複数の物事に対して対応出来る万能とは違う言う事でしょうか。

 

 まぁ⋯⋯ソレはそれとして、アイツは姉様の腕を⋯⋯姉様に傷を負わせたっ! ソレは私にとっては万死に値する行為っ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ユルサナイ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 私は衝動のままに法陣と退魔剣を身に付け、そのまま戦闘モードになると、身体から呪力を放出する事で、それを推進力にして駆け抜けます。

 

 放出された私の呪力は、激しく白い閃光を放ちながら、私を姉様の腕を破壊した怨敵のいる場所へと加速させました。

 

「よくも⋯⋯姉様の腕に怪我を負わせましたね!!」

 

 やがて⋯⋯憎っくき怨敵であるソイツが視界に入るやいなや、私はそう叫ぶと同時に奴に退魔剣を振り上げました。

 

 ですが私の振り下ろした退魔剣は、ソイツとの間にある見えない力により阻まれます。

 

 私は直ぐに術式でそれに適応を行うと、同時に対象から距離を置きました。

 

 とはいえ攻撃が失敗したとはいえ、結果的に私は少しは冷静になったといいますか⋯⋯。

 

 先程の現象と目の前の人物の特徴⋯⋯及び姉様の記憶から、目の前のソイツが五条悟と言う人物だと理解しました。

 

 となれば先程の見えない力は無下限呪術により発生した無限でしょう⋯⋯。

 

 とはいえ先程、ソイツの無下限バリアなるものに対して私の方も適応を行った為、完全詠唱の茈を放てない⋯⋯ましてや反転も使えないコイツの勝ち目は積んだも同然⋯⋯。

 

 まぁ戦いの中でコイツが反転に覚醒してからの、全力のぶつかり合いになる可能性も、一応否定は出来ませんが⋯⋯恐らくその状況は姉様的には最悪の状況でしょうし余り良ろしくないのは各自でしょう⋯⋯。

 

 ソレにコイツが死ねばこの先どのような影響が出るかも分かったものでは無い⋯⋯となると業腹ではありますが、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()と言う事になりますね。

 

 恐らくコイツも膨大な呪力量と禪院家の血統術式を持つ姉様を見て、軽くじゃれつく感覚で行ったと思われますしね。

 

 だからといって許すつもりはありませんが、それに見合うだけの制裁だけは、それなりにさせて貰うつもりです。

 

 とはいえ死なないように手加減ですか⋯⋯その上で無下限バリアなるものを対処しなければならないとなると、かなり面倒臭いですね。

 

 やりようが無い訳ではありませんが⋯⋯。

 

「いいでしょう⋯⋯少しだけ馬鹿の遊びに付き合って上げます」

 

「へぇ⋯⋯式神の割によく言うねぇ」

 

 私の売り言葉に好戦的な笑みを浮かべ買い言葉を述べるソイツ⋯⋯私は手元の退魔剣を直ぐに消すと掌印を結びます。

 

「領域展開⋯⋯」

 

「は?」

 

「えっちょっ真白!?」

 

 コイツへの対処法で問題なのは今の無下限呪術に適応した私が、何れにせよ空間を掌握するだろう事実を明かしてしまう事⋯⋯ですがそれより以前より存在する対処法⋯⋯領域による中和であれば問題は無いはず⋯⋯。

 

 載せるのは影を媒体にした式神としての私自身そのもの⋯⋯そして私の根源となる()は言わば姉様の半身⋯⋯さらに縛りにより双子は二人で一人分として扱われる。

 

 ならば魂を通じて姉様の術式を引っ張て来る事も可能なはずです⋯⋯私の術式は今の所は領域展開で載せたとしても、余り意味はありませんからね⋯⋯。

 

真魅白(シンミハク)庭園(ティエン)

 

 術式が焼き切れるデメリットもありますが、そこは姉様と思考や事象を共有する縛りを元にして、姉様の思考領域を間借りする形でカバー⋯⋯その後は適応を行ってデメリットを踏み倒す⋯⋯後さらに負担の軽減も兼ねて、必殺は省きましょう⋯⋯それに今回生かさないとならない都合上は必要ないですしね⋯⋯ついでに無量空処への対策として、結界に術式は載せた状態で、必中も省き術式や領域の中和にのみ全リソースを注ぐ、ここまですれば流石にこの空間で領域展開をするのは難しいはずです。

 

 後、今回はあくまでもお遊びなので、領域が消失すると同時に()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()縛りも付け足して起きましょう。

 

 とはいえコレでもまだまだ荒削りでしかありませんが⋯⋯宿儺クラスを相手にするならもっとやり方を洗練させる事と色んな改良を施す必要がありますが⋯⋯。

 

 ソレは後々やるとして今はコレくらいで十分でしょう⋯⋯。

 

「ハッ⋯⋯ハハッ訳分かんねぇ⋯⋯肉体も呪力も、俺の六眼()に映る情報はコイツの事を式神だと言ってるってのに⋯⋯」

 

 式神ですか⋯⋯そう言えばコイツの六眼はあくまでも呪力と生得術式が見えるだけで、魂までは視認出来なかったんでしたっけ? アレ? ソレってつまり⋯⋯現時点では私と姉様の二人だけが知ってる秘密って事でしょうか⋯⋯何と言うか⋯⋯悪くはありませんね。

 

 とはいえ、念には念を入れて⋯⋯開示の縛りにより補強くらいはしておきましょうか⋯⋯。

 

「この領域は全てが影で形成されています⋯⋯ですがあえて必中と必殺を載せない縛りを結んでいます」

 

「は?」

 

「え? ちょっ!?」

 

 彼と姉様の二人は私の話を聞いて口を開いて、訳が分からないと言うような顔をしました。

 

 てか姉様⋯⋯ハリボテって思うのは酷いです⋯⋯コレは私なりに考えた対コイツ(五条悟)用に考えた結果なんですから⋯⋯まぁ⋯⋯現時点だと説明が不足してるのは確かではありますか⋯⋯。

 

「代わりに私と姉様以外の術式や領域の中和に殆どのリソースを回しました⋯⋯」

 

 私は補足を兼ねて改めてそう説明する⋯⋯先程の説明だけでも良かったのですが、補強は強めても越した事はないので⋯⋯。

 

 それに⋯⋯このまま姉様に誤解されたままだと何か嫌ですし⋯⋯。

 

 いやもうこの際、全部目の前のコイツが悪い事にしましょう⋯⋯そもそも姉様の腕を吹き飛ばしたのが全ての原因な訳ですしね⋯⋯。

 

「それでは⋯⋯オ・カ・ク・ゴ・オ♪」

 

「はっ? えっ? ちょっまっ!?」

 

 私は今から攻撃すると宣言した後に、ソイツ目掛けて盛大に拳を顔面に叩き込んだ。

 

「ガッゴアッ!?」

 

 普段から無下限バリアで身を守ってる弊害か、回避される事なく、見事に顔面を殴られたソイツは、そのまま勢いよく吹き飛ぶ。

 

 私は吹き飛んだソイツを影と同化してから追いかけ、すかさず足を引っつかむと、そのまま地面に勢いよく叩きつけます。

 

「ナガッバッ!!」

 

 叩きつけた後、しばらく様子を見ます。

 

 すると相手もよろめきながらも何とか立ち上がったのを確認し、こちらを見てきたタイミングを見計らって、私は影と同化しすかさず彼の背後に回り込みます。

 

「なっ後ろ!」

 

「スキだらけ⋯⋯ですよっ!」

 

「グアァッ!?」

 

 背後から拳を叩き込むと、すかさず影と同化してからの真正面に周り混みボディブローを叩き込みます。

 

「オッゴブァッ!?」

 

「まだオカワリはいくらでもありますよ?」

 

 叩き込まれたことで嘔吐しながら過呼吸気味に地面に倒れふすソイツ⋯⋯私はソイツを見下ろしながらそう告げます。

 

「カッ⋯⋯アグッ⋯⋯ゲホッゴホッ!? ⋯⋯てめぇ必中は無いって言ってただろうが⋯⋯」

 

「えぇ⋯⋯ですので普通に私の素手で殴りましたが何か?」

 

 私に向かって文句を言ってくるソイツ、私は首を傾げながら平坦な口調でソイツの問に答える。

 

 えぇ実際に必中をつけて殴ってませんから避けられるのなら避けれますしね。

 

 避けられるかどうかは別として……。

 

 そもそも戦いとは理不尽の押し付けあい、勿論それは規則があろうが無かろうが関係ない。相手を騙し(ダマシ)化かし(バカシ)謀り(タバカリ)欺き(アザムキ)計り(ハカリ)嵌め(ハメ)、相手の優位性を削ぎ落とし相手の理不尽を封殺し、いかに自分の優位な状況に持っていき理不尽を押し付けられるのか⋯⋯それこそが戦いにおいて何より重要な要素だ。

 

 だからこそ私は、ソイツにワザと挑発も兼ねて呆れたようにため息を一つ吐いた。

 

「ソレにコレは遊びではあっても戦いです、戦いに置いて、お互いがいかに理不尽を相手に押し付けられるかが重要⋯⋯貴方が最強なのも無下限と六眼と言う理不尽の塊だからこそでしょう⋯⋯遊びで良かったですね⋯⋯コレが殺し合いであれば貴方は既にこの世を去っているでしょうから⋯⋯」

 

「てめぇ⋯⋯」

 

 ソイツは私の挑発に見事に引っかかり青筋を立てる、私はすかさずソイツの顎を思いっきり蹴りあげる。

 

「威勢がいいのは結構⋯⋯ですがその鼻っ柱はへし折らせてもらいますが!!」

 

「アガッ」

 

 姉様が顔はどうのと慌てますが、結界が解けたら正のエネルギーで治癒される縛り結んでますから、大丈夫ですよと告げ、私は改めてソイツをもう一度蹴るのでした。




白井あおいさん、ナーガラージャさん、レータさん誤字修正ありがとうございました。

アルファガーデンさん、かじバンさん、ノーバディ621さん高評価ありがとうございました。

Qなんでこのタイトルに?

A私自身が【黒山羊】さんの【特級呪『縛』師 禪院直哉くん】と言う作品の影響を強く受けてるからですね⋯⋯。

QタグにあるFGO要素何処ォ? ココォ?

A1話で書かれてる主人公の手の甲にある赤い紋章なんですが⋯⋯実はアレ真魅がFate/の令呪を再現する為に式神の使役を命令権を行使する形式に変更する縛り、変わりに行使する命令権に3回と言う回数制限を設ける縛り、命令権の数を紋章と言う形で可視化する縛り、等事細かに縛りを重ねがけして作ってたりします。ただそれだけだとアレなので毎日12:00を過ぎると同時に消費した命令権を1回分だけ回復する縛りを設ける事で、令呪をFGO使用にしてるって感じです。その為、回数制限外の命令等に対しては真白は従う必要がなく、自らの意思で思考して活動出来る状態にあります。
ただしその分だけちゃんと令呪としての力は強力なものになっており、3画全部を消費すれば呪術廻戦内に置ける、奇跡に等しい確率で発生するはずの現象を、確定で起こしたり等が可能だったりします。
他ですと真白にはサーヴァントで言う所の宝具に値する切り札も、縛りで用意されてたりします。(まぁ⋯⋯コチラは、死滅回游変の宿儺戦まで使う予定がないのですがね⋯⋯)
その為、タグのFGOは普通にFate/に変更しても良いかとも考えてたりします。

Qなんで真白の腕が突然吹き飛んだんですか?

A真魅が結んだ共有の縛りの影響です。感覚共有の縛り、記憶共有の縛り、思考共有の縛りとあり、その中に()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()と言うものがあり、これにより真魅が無下限の攻撃を受ければ真白もその事象を共有する訳です。当然ながら真白が再起不能なまでに破壊されれば、真魅は死にます。ただし変わりとして真白が術式を発動して適応すると、真魅も同時に術式の影響を受けて適応した状態になります。

Qそんなに縛りを付けで大丈夫か?

Aタイトルでの自縄自縛ってあるように、今は首が回らない状態ってのは確かですが⋯⋯双子や共有の縛りにより、真白の強さ=真魅の強さになってるので、実は真白が成長すればする程に向こう側の存在へ近づいていく為、見積もりでは精算は取れる何処かマイナス分だけ+になる計算にはなってます。

Q最後に真魅の前世の死因について教えてください

Aアットホームな職場による日頃の過労により、フラフラな状態で階段から足を滑らせ、そのまま頭を強く打った上に、首をヤバい方向に折り曲げての即死です。なので真魅自身はナナミン同様に労働はクソだと考えてます。まぁ結局社畜根性でなんやかんややるんですがね⋯⋯。
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