自縄自縛の十種影法術〜平穏に過ごしたいのに、私の周囲が許してくれません〜 作:多眼犬
年明け早々ですが⋯⋯甚壱がパパ黒世代だった事実を忘てたと言う超得大の凡ミスが発覚した為、急遽一部の文を改変作業に取り掛かるつもりです。以上申し訳ございませんでした!!
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禪院家とか言う場所に挨拶に行く⋯⋯単に五条家が誇る俺を自慢したいクソジジイや、周囲の有象無象な連中の勝手な都合⋯⋯俺からしたらクソどうでもいい事柄でクソつまんねぇ事でしかない、だからいっその事、バックれるか向こうに着く前につまんねぇ事を理由に、周囲の目を盗んで抜け出すか考えてた。
いっその事、俺置いて俺抜きで勝手にやってくれってすら思ってた。
そう⋯⋯思ってたんだけどなぁ⋯⋯。
いざ向かう時だった。何かやけに身体が重くなったような⋯⋯そんな感覚に襲われた。
「お迎えに上がりました」
一瞬何かの攻撃かと思って、術式を発動しようとした時だった。
そう言って俺の目の前に現れたソイツ⋯⋯俺は一目見てこの身体が重くなる感覚の原因が、ソイツから放たれる呪力だと理解した。
禪院家から迎えとして掴まされた女中、俺と同じ位の歳のガキ。
俺以外の奴なら一見すれば無愛想で無機質なまでに表情が変わらないし、オマケに淡々とした口調で話すから、余計にアイツから威圧されてるって思えただろうな⋯⋯。
だが俺は警戒する何処か興味が湧いた。何故なら俺の特殊な眼⋯⋯六眼が見せる情報は、幹が自然に結合した連理の巨木を見てる気分になり、俺は眉をひそめると同時に目を見開いた。
何せそいつは何故か二種類の性質が違う呪力を持っていた。
おおよそ考えられるのは、その内の何方かは何かしらの呪物でも混じってんだろう⋯⋯。 *1
まぁそれはいい⋯⋯それよりも驚くべきは、その保有してる呪力量⋯⋯それは俺同等かそれ以上の量。
更にオマケに禪院家の血統術式⋯⋯十種影法術ときたもんだ。
ハッキリ言って異常な存在⋯⋯だが
何かが引っ繰り返る⋯⋯そんな予感がした。
だが同時に気に食わない。何故ならソイツの目⋯⋯
そのくせ何か俺を見透かしてる気がして、だからこそ余計に気に食わない⋯⋯何と言うかその気に食わない目にイラッと来た。
だからだろうな⋯⋯その時は俺はらしくも無く、それ目掛けて手を伸ばし、そのまま俺の術式を発動した。
正直言えば、禪院家の連中がコイツの才能を知って送って来たってんなら、正直いって五条家への宣戦布告か挑発か何かかとも疑ってたし、そうでなくても相手は女中、俺がブチのめした所で五条家の有象無象の連中からしたら、そこまで問題にはならない事でしかない、どちらにせよ好都合って話だから確実に当たるように、殺すつもりで無下限術式・順転『蒼』を放った。
「────ッッッ!!?」
だがソイツは避けた。俺が放とうとした瞬間に何か勘付いたのか、咄嗟にその場からら離れようと動き、片腕以外はほぼ無傷の状態で避けやがったんだ。
だがそんなものは序の口だった。
更にヤツは何をしたか⋯⋯俺の目の前でその欠損した腕を無かったかのように生やしやがった。
いやあの変わった呪力の流れ、そして通常と異なる性質の呪力⋯⋯。
恐らく奴は術式や呪力量だけじゃなくて奴は反転術式を使ってやがる。
ハハッ何処まで俺を楽しませれば気が済むんだ。
「へぇ⋯⋯流石はその術式と俺以上の呪力量を持ってるだけはあるな」
俺はそう言ってさて次はどうしてやろうか、考えてた時だった。
何かが近づいて来るのを感じそちらを見る。
「よくも⋯⋯姉様の腕に怪我を負わせましたね!!」
すると俺に目掛けて駆け抜けてくる超高密度の呪力の塊⋯⋯白い塊となって飛んできたソイツ。
白い髪に幼い外見⋯⋯だが目元には眼球は無く代わりに四枚の鳥の翼がある異形の式神⋯⋯ソイツが俺めがけて手の甲に巻き付けている刃物を俺に振り上げた。
だが無駄だ。俺はその攻撃を無下限術式により防いだ。
ガコン。そんな音と共に目の前にいる奴の、頭頂部に浮いている物体が回転する。
俺は奴の呪力の流れや動き、そして奴の術式を見て思わず腹を抱えて笑いたくなった。
タダでさえ
なるほどな⋯⋯そいやぁ江戸時代の御前試合で、禪院家当主と五条家当主が本気で殺り合って、両方くたばったって話があったな。
コイツに術式が十種影法術だから持ってるだろう事は分かってたが、間違いなく目の前のコイツがそれだって事だろう、確かにこの式神の術式なら俺に届く可能性も、有り得るって言えば否定はしない。
まぁそれは俺を倒せるだけの時間を稼げたらの話だけどなっ!!
てか姉様とか言って俺に攻撃してきたり、呼び出された様子も無いから、間違いなくこの女に調伏されているって事だよな⋯⋯歴代の中では未だに調伏されてない式神だったはずだけど、その通りなら目の前にいるのは、歴代の奴らすらなし得なかった所業をなした存在⋯⋯つまりコレは江戸時代の御前試合の再現ってか! はは⋯⋯マジで笑える! 上等じゃねぇかっ!!それに何で連理の巨木かも納得出来た。何せ十種影法術は本来は、影を媒体にした十種の式神を使役して戦う術式なんだからな!
俺が色々と納得する中、目の前の式神は口を開いた。
「いいでしょう⋯⋯少しだけ馬鹿の遊びに付き合って上げます」
「へぇ⋯⋯式神の割によく言うねぇ」
はっ式神が言いやがるな⋯⋯ん? アレ? てか良く考えるとコイツ式神の癖に、やけに流暢に喋ってね? そもそもここまで人語を言える式神って本当に式神か? 違和感? いや問題ない⋯⋯俺の眼の情報からは、あの女の術式が十種影法術なのは間違いないし、あの女の呪力が
それにどうせ俺が倒すことには変わらないし⋯⋯むしろ勝負はこれから──
「領域展開⋯⋯」
「は?」
「えっちょっ真白!?」
───だろ⋯⋯そう思った矢先、俺は式神が口にした言葉に耳を疑った。
領域展開⋯⋯呪術師が自身ね心象風景である生得領域を呪力で具現化し、周囲に結界として構築する。言わば生得術式の最終段階であり、呪術戦の極致とも言える技だ。
当然ながら
「
俺の目の前に出現した建築物とモノクロの世界⋯⋯前言撤回⋯⋯コイツは本当に式神か? マジで何かの契約関係にある、特級か1級相当の呪霊の間違いじゃねのか? 何で領域展開なんてもんを式神であるコイツは使えるんだ? 明らかに何かが可笑しいだろ? ひょっとしたら俺は何か重大な見落としをしてんじゃねぇのか?
「ハッ⋯⋯ハハッ訳分かんねぇ⋯⋯肉体も呪力も、俺の六眼めに映る情報はコイツの事を式神だと言ってるってのに⋯⋯」
俺は乾いた笑い声を上げながらそう言った。てか見せてくれやがったな、禪院真魅!!本当に訳がわからねぇ⋯⋯そもそも領域展開を式神が使うなんざ前代未聞の事だし、むしろどうやってこんな式神を調伏出来たのか全く分からねぇ!
だが、それがいい!!
むしろ分からないからこそ最高なんじゃねぇか! 次は何をしてくる? 何をやらかす? どんなやり方で? どんな方法で?
「この領域は全てが影で形成されています⋯⋯ですがあえて必中と必殺を載せない縛りを結んでいます」
「は?」
「え? ちょっ!?」
「代わりに私と姉様以外の術式や領域の中和に殆どのリソースを回しました⋯⋯」
は余りの状況に理解が追い付かず思わず思考が停止する⋯⋯いや停止してしまった⋯⋯何故ならコイツ今何を言った? 必中と必殺を載せない縛りを結んだとか言ったよな? しかもそのリソースを術式や領域の中和に回したとか、縛りによる強化の矛先まで指定した上で⋯⋯おいおいおいおい。マジか? この領域、タダでさえ領域展開ってだけで高度な技術なのに、ソコに更に縛りや拡張やらを加えてるってのか? 言うは易し⋯⋯だけどそれは高難易度の技術に更に高難易度の技術を施すって事だぞ? いや⋯⋯流石に冗談だよな?
「それでは⋯⋯オ・カ・ク・ゴ・ヲ♪」
「はっ? えっ? ちょっまっ!?」
気付けば相手の声で咄嗟に我に返ったが既に遅く、俺は顔面に強い衝撃を受けて吹き飛んだ。
「ガッゴアッ!?」
かろうじて呪力強化を試みたが⋯⋯それが無かったら顔面が陥没するだけじゃ済まない威力⋯⋯。
何が起きたのか理解するよりも早く今度は、足首を何かが引っ掴んだ感覚と共に、吹っ飛んで行く方向とは真逆の方向に身体が引っ張られ──
「ナガッバッ!!」
──そのまま俺の身体は地面に激しく叩きつけられた。
余りの衝撃に身体がバラバラになるかの様な感覚⋯⋯頭の中はグチャグチャでグワングワンするかもしれ中、何とかよろめきながらも立ち上がる。
とはいえ⋯⋯顔面の一発だけでも、奴の高密度の呪力量から繰り出された威力だ。
言ってしまえば高加速で飛んで来た大型トラックに衝突した様なもの。
何にせよガキ相手にぶち込むような威力じゃねぇ⋯⋯こんなのを術式無しの状態で相手するなんて冗談じゃねぇぞ。
俺はそう思いつつ俺をここまで追い詰めた奴の方を見る。
だがソイツの姿が俺の視界に入った瞬間だった。まるでソイツは周囲のモノクロの世界に溶け込む様に、一瞬にして姿を消した。
そしてすかさず俺の背後に奴の気配を感じ取り慌てて背後に顔を向け───
「なっ後ろ!」
「スキだらけ⋯⋯ですよっ!」
「グアァッ!?」
──ようとした瞬間、背後から何かしらの衝撃を受けると同時に、いつの間にか前方に出現した奴による強烈な一発を横っ腹にぶち込まれた。
「オッゴブァッ!?」
「まだオカワリはいくらでもありますよ?」
俺は膝を着き胃液を吐き出す。余りの衝撃に肺から殆どの空気が抜け自然と酸素を身体が求める。だが同時に息を吸おうにも、上手く息が吸えずそのせいで俺の頭の中はグチャグチャで真っ白になる。
とはいえ、それでも何とか俺は息を吸い込み、何とか呼吸をし、咳き込みながらも奴を睨みつける。
「カッ⋯⋯アグッ⋯⋯ゲホッゴホッ!? ⋯⋯てめぇ必中は無いって言ってただろうが⋯⋯」
「えぇ⋯⋯ですので普通に私の素手で殴りましたが何か?」
俺の言葉にそう告げるこの式神に、俺は内心舌打ちをする。つまりアレだろ⋯⋯3cmの距離から繰り出される拳だろうと、避けれる余地があるなら必中じゃねぇって事だろ⋯⋯なわけねぇだろ!!
そんな風に睨みつける俺に対しソイツはため息を吐き出した。
「ソレにコレは遊びではあっても戦いです、戦いに置いて、お互いが如何に理不尽を相手に押し付けられるかが重要⋯⋯貴方が最強なのも無下限と六眼と言う理不尽の塊だからこそでしょう⋯⋯遊びで良かったですね⋯⋯コレが殺し合いであれば貴方は既にこの世を去っているでしょうから⋯⋯」
「てめぇ⋯⋯」
ぐうの音も出ない正論⋯⋯てかさっきからほぼ殺すつもりでボッコボコにしてきて何言ってやがんだ⋯⋯ハッ俺ならこれくらいなら死なないってか?
「威勢がいいのは結構⋯⋯ですがその鼻っ柱はへし折らせてもらいますが!!」
「アガッ」
奴は容赦なく俺の顎を容赦なく蹴り上げる。そっからは防戦一方なまま俺は意識を徐々に失って行った。
そして⋯⋯気が付いたら俺は屋敷の中にいた。結局あの後は、領域から出てきて気絶してた俺を、女中の連中が五条家まで運び込んだらしい、倒れてはいたが外傷は無かったって話で⋯⋯俺は奴が何かしたのは直ぐに理解した。アレだけの技量だ⋯⋯反転のアウトプットも使えても可笑しくはない⋯⋯。
そして、俺は改めて当主に連絡を入れて、禪院家に呼び出された訳だ⋯⋯。
「よぉ。久しぶり」
「あはは⋯⋯げっ元気なようで⋯⋯」
「あぁおかげ様でなぁ元気ピンピンだよ」
俺はそう目の前の女⋯⋯いや⋯⋯禪院真魅にそういう、まぁアレだ⋯⋯今回ばかりは勝ちは譲ってやるが、何時かはぜってぇ泣かすから覚悟しろよっ!!
オマケ
以上が五条悟編でした。次回からは一部の分を修正した後に幼少期編の後編を書くつもりです。
それでは今年も良い年を⋯⋯。
Q五条からしたら真白はどう見えてるの?
A呪力が高濃度かつ高密度過ぎて完璧に見る為には5〜6分位じっくりと観察でもしないと難しい状態ですね⋯⋯サーモグラフィーで言うなら高温すぎて真っ白に染まった塊が、更に高密度すぎるせいで流れが見ずらいと言った状態。原因としては真白は元々の摩虎羅(4〜5mの巨人)の時の質量をそのままに140cmのサイズまで圧縮して固定化されてる為ですね。なお戦闘時以外はそこまでの質量は必要無い為、中身をワザとスカスカの状態にして活動してたりします。ちなみに直哉相手の時は、自身の質量による重さで床が底抜けするのを懸念して、質量は戻さずそのまま戦ってたりします。また今回の場合は相手が五条悟の為、五条悟ならこれくらいでも大丈夫やろ感覚で、完璧に質量は摩虎羅の時と同じ状態に戻して戦ってたりします。