冨岡義勇は無惨討伐一周目を思い出した   作:高橋夏帆

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柱合裁判

「さっさと起きねえか!柱の前だぞ!」

 

 隠しが後ろ手に縛られた炭治郎を起こす。その様子を義勇はちらりと見た。

 

 義勇はしのぶに連れられて鬼殺隊本部に来ていた。本部には既に柱が集結していた。

 

-そうあの時もそうだった。

 

 義勇は目の前の状況について考えた。この記憶も覚えがある。思い出したのは夢なのか、それとも現実か。どういうことだ。人生の二周目ということだろうか。義勇は1人、柱たちから離れたところで考え込んでいた。

 

「地味だな、オイ」と宇髄天元が言った。

 

「うむ!これから!この少年の裁判を行うと!なるほど!」と煉獄杏寿郎。

 

「これはどういうことだ……」と炭治郎はつぶやいた。

 

「まだ口を挟むなバカヤロウ!誰の前にいると思ってんだ!!柱の前だぞ!!」と隠し。

 

「ここは鬼殺隊の本部です。あなたは今から裁判を受けるのですよ。竈門炭治郎君」としのぶ。「裁判を始める前に、君が犯した罪の説明をし……」

 

「裁判の必要などないだろう!鬼を庇うなど、明らかな隊律違反!我らのみで対処可能!鬼もろとも斬首する!」と煉獄が言った。

 

 炭治郎は目に大粒の涙を浮かべていた。

 

「ああ……なんというみすぼらしい子供だ。可哀想に。生まれてきたこと自体が、可哀想だ」と悲鳴嶼行冥。

 

「お前、柱が話をしているのに、どこを見ている。この御方たちは、鬼殺隊の中でも最も位の高い九名の剣士だぞ」と隠しが炭治郎に言った。

 

「後藤さん……」

 

「名前を知ってるだと……」と天元がつぶやいた。

 

「そんなことより、冨岡はどうするのかね。拘束もしてない様に、俺は頭痛がしてくるんだが。胡蝶めの話によると、隊律違反は冨岡も同じだろう」伊黒小芭内は木の枝の上に寝転がっていた。「どう処分する。どう責任を取らせる。どんな目に合わせてやろうか。なんとか言ったらどうなんだ冨岡」

 

 急に話を振られた冨岡は黙り込んだ。今は状況理解に努めなくてはならない時なのだ。そうだ、なぜ伊黒は生きている……。伊黒もあの時確かに命を落としたと言うのに。

 

「なぜそこにいる」と義勇は言った。伊黒は「貴様……」と怒りの表情を浮かべると木の枝をへし折った。

 

「まぁ、いいじゃないですか。大人しくついて来てくれましたし。処罰は後で考えましょう」としのぶ。

 

 しのぶには山を降りる時、2年前のことを説明した。しのぶを様子を見るに、どうも納得いっていない様子だった。

 

「それよりも、私は坊やの方から話を聞きたいですよ。竈門炭治郎君、なぜ鬼殺隊員でありながら、鬼を連れているのですか?ゆっくりで大丈夫ですから、話してください」

 

「……しのぶさん……え、あ、その……俺の……俺の妹……あ、そうか」

 

「水を飲んだ方がいいですね。顎を痛めていますから、ゆっくり飲んでください鎮痛剤が入っているため楽になります。怪我が治ったわけではないので無理はいけませんよ。では、竈門炭治郎君」

 

「鬼は俺の妹なんです。俺が家を留守にしている時に襲われ、帰ったらみんな死んでいて、妹は鬼になったけど、人を喰ったことはないんです。今までも、これからも、人を傷つけることは絶対にしません!」

 

「くだらない妄言を吐き散らすな。そもそも身内なら庇って当たり前。言うこと全て信用できない。俺は信用しない」と小芭内。

 

「俺は禰豆子を治すために剣士になったんです!禰豆子が鬼になったのは二年以上前のことで、その間、禰豆子は人を喰ったりしてない!」

 

「話が地味にぐるぐる回ってるぞ、相変わらずアホが。人を喰ってないこと、これからも喰わないこと、口先だけでなく、ド派手に証明してみせろ」と天元。

 

「あのぉ……でも疑問があるんですけど……お館様が、このことを把握してないとは思えないです。勝手に処分しちゃっていいんでしょうか?いらっしゃるまで、とりあえず待った方が……」と甘露寺蜜璃。

 

「妹は……!妹は俺と一緒に戦えます!鬼殺隊として、人を守るために戦えるんです!だから……」

 

 炭治郎がそういったその時、不死川実弥が禰豆子の入った箱を持ってやってきた。慌てた隠しが実弥を追ってきた。

 

「おいおい、面白いことになってるなぁ。」と実弥は言った。

 

「この鬼は人を喰わねぇよ。こいつと禰豆子を解放してやれ」

 

 実弥のその発言に、その場は一斉に静まり返った。義勇は実弥をチラリと横目に見た。

 

「不死川、何を言っているんだ……」と小芭内。

 

 柱たちが一斉に実弥へと注目した。

 

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