光のオタクなマキマさん   作:ガテル

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第5話

 

「―――先輩が金玉の悪魔に玉を襲われました、それとマキマさんが作ったグッズをゴミ扱いもしてましたァ」

 

「両方コイツの嘘です……特に後者は」

 

 

私の芸術の良き理解者であるパワーちゃん、彼女と制作したグッズの感想で色々盛り上がってから1時間ほど経った後。見回りに行ってたはずの早川君とデンジ君がボロボロになって帰ってきた、2人の姿から最初は悪魔と戦って負った傷だと勘違いして私もハチマキ巻いて行きたかったなぁとか思っちゃったけど……どうやらただの喧嘩みたいだ。

 

 

「マキマさん、ホントに嘘ですから……お、俺言ってませんよ」

 

 

デンジ君の発言を早川君は額から汗を流しながら否定している、私は歩いてそんな彼の目の前へと立った。

 

 

「早川君、確かにキミは前から私がグッズを見せるとまるで軽蔑するような目つきでこちらを見てきたよね」

 

「そっ、そんな事ありません」

 

 

早川君の焦りが増したね、きっと上司の怒りを買ったのが怖いのだと思う。だけど……そんな風になる必要はないよ、だってさっきのパワーちゃんとのやり取りで私は一つ理解した事があるんだ。

 

 

「キミのその態度、それは―――軽蔑ではなく嫉妬だったのがようやく分かったよ」

 

「……はい?」

 

「早川君は私の芸術センスの高さが羨ましかったんだよね?だからいつも睨むように見てきてた、全く素直じゃないなぁ」

 

 

パワーちゃんのおかげで私は天才だと改めて再認識できた、地獄でチェンソーマンの活躍に反感を抱いていた悪魔達と同じで人間というのも秀でた存在に対し憧れだけじゃなく妬みを抱いてしまう生き物なのはよく理解してる。だから早川君の気持ちも分かるよ。

 

それを聞いた早川君はどこか疲れたような表情を浮かべながら。

 

 

「……そうです、俺はマキマさんのセンスに嫉妬してました。本当にすみません」

 

「しょ、しょうがないから許してあげるよフフ……」

 

 

私は寛大な上司だからね。

 

 

「流石マキマさんだぜ~!」

 

 

誤解も無事解けて話の本題へ入る事に。

 

 

「2人に伝えておきたい話があってね―――今からデンジ君は早川君の部隊に入ってもらうよ」

 

「このチンピラがですか!?ウチはただでさえめんどくさいのが多いんですよ!?これ以上変なヤツが増えたら……」

 

「部隊を作ったときに言ったよね、他じゃ見ないような実験的な体制で動かしてみるって」

 

 

ようやく、ようやく私が作った公安対魔特異4課にチェンソーマンが入るときが来ちゃったんだ。ビーム君も喜んでくれるだろうな、私も同じくらい嬉し……いやチェンソーマン愛の大きさで言えば私が一番なんだから同じではないか。

 

よくビーム君とチェンソーマンクイズで勝負してるけど私が必ず勝つしね!

 

どうやら私は無自覚のうちにニヤケ顔になってしまっていたらしく、早川君が訝し気にこちらを見てきていたのでコホンと咳払いをし表情を作り直した。

 

 

「早川君は何か言いたげだけど、質問があるなら聞くよ」

 

「あの、こいつは何者なんですか……?」

 

「良い質問だね!デンジ君は人間だけど悪魔になる事が出来るんだ!」

 

「どうだ!すげぇだろ!」

 

「どうだ!凄いでしょ!」

 

……もう帰りてぇな

 

 

デンジ君の存在は特別、だからか公安を辞職したり違反行動があった場合は彼は悪魔として処分されると決まってしまい……私は反対したのに聞く耳持たずに上層部の奴らが通しちゃった。内心では全員纏めて支配してやろうかと怒りが沸いてたけど、こうなっては仕方ない。

 

デンジ君は内容の意味がピンと来ないのか困惑している、ここで私の意志を伝えないとね。

 

 

「デンジ君」

 

「マ、マキマさん?」

 

「悪魔として処分される―――そんな事は私がさせないよ、絶対にキミを守るからね」

 

「そりゃ……すげ~頼もしいです!!」

 

 

私は支配の悪魔だから大抵の悪魔になんて負けるつもりはないよ、ただ強いて強敵を挙げるなら死や戦争に飢餓といった姉共か。まぁ戦争はナチスや核兵器に第2次世界大戦を人々から忘れられてるから弱体化してるし、飢餓の能力は厄介だけど気が弱すぎて話にならない。すぐお姉ちゃん振りかざしてくる死は……何か顔を思い出すだけで気分悪くなってきちゃった。あの3人は絶対いつかチェンソーマンに食わせてあげる。

 

これ以上気が滅入る話題は嫌だ、せっかく今日はチェンソーマン歓迎記念日なのにね……そうだ、良い事思いついたよ。

 

せっかくだから―――仕事終わったらあそこへ行こうかな。

 

 

 

 

 

「……あの下へ降りるやつ長いんだよね、もう少し早くしてくれればいいのに」

 

 

公安のとある施設、ここには公安が生け捕りにした悪魔達が収容されている。どれも面倒な悪魔ばかりだけど私が今向かっているのは一番奥の部屋の特に重要度が高い存在。その悪魔と契約したのはうちでは2人、1人は寿命半分でもう1人は両目と味覚に嗅覚を代償に差し出した。

 

10分ほど歩き続けるとお目当ての部屋へ到着、私はその扉を開けると。

 

 

「―――イェイイェイ!未来最高!未来最高!」

 

「1ヶ月ぶりですね、未来の悪魔」

 

「……テンションダダ下がりだぞ!オマエもう来んなって言っただろ!」

 

 

そこには未来を見通す事ができる悪魔、未来の悪魔がいる。もう何度目かの交流だけどいつも拒否反応を示し……何で毎回嫌がるのかな?

 

 

「どうしてでしょう、悪魔と悪魔は契約できませんがあなたの場合はそれをやらずどもお腹に顔を突っ込めば未来が見えるのに?私はちょっとだけでいいからチェンソーマンと私の未来がどうなるか知りたいだけです」

 

「支配の悪魔と関わるなんて面倒な事は俺は嫌だぜ!普通に面白い未来が見れそうな人間を連れてこい!」

 

「……本当にダメですか?ほんの少しでも?」

 

「お断わりだな、何度頼んでもダメなものはダメだからさっさと帰り「―――これは命令で」オマエのそのやり方マジで酷いぞ!!」

 

 

……ケチ。

 

 

「―――ケチケチケチケチ!格下のあなたなんかいつでも強引に命令できるけど、今日はもう気分悪くしたから帰ります!また来ますよ!」

 

「……今まで出会ってきた中で過去最悪だぞオマエ!」

 

 

 

 

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