光のオタクなマキマさん   作:ガテル

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第6話

 

公安では小規模任務やパトロールの際、安全の為に二人一組で行動するルールとなっている。公安対魔特異4課は実験的な部隊だから成果を上げなければ解体されてしまうし、その場合本来は悪魔と同じ駆除対象である魔人のパワーちゃんはもちろん、4課に所属しているから存在が許されているデンジ君も同様に処分され―――理解者のパワーちゃんとチェンソーマンのデンジ君の2人がそんなバッドエンドを迎えるだなんて嫌だよ。だから私は彼らをバディとして組ませる事にした、それを早川君に伝えたら正気を疑うような目で私を見てきたけど……これにはちゃんと意味があるのに。前から思ってたけど早川君は私に対してちょっと厳しすぎないかな?

 

でもそういう態度を取りながらも、内心では私の芸術センスに憧れを抱いてるんだけどね!全く素直じゃないなフフ……話を戻すよ。

 

現状の問題としてはパワーちゃんが何か話せない事情を抱えていていつ違反行動を犯すか分からない所、彼女は猫を悪魔に連れ去られてしまい取り返す為にこの町へ下りてきたと言っていたけれど恐らくまだその悪魔と共謀してるんだと思う。でも―――だからこそデンジ君を組ませたんだ、彼なら悪魔を必ず倒してくれる。私はそう確信してるからね。

 

そして2人がバディを組んでから数時間後。

 

 

「―――民間が手を付けた悪魔を殺すのは業務妨害、普通だったら逮捕されちゃうよ。パワーちゃんはもうちょっと考えて行動しないといけないね、それとデンジ君も彼女を制御しないと」

 

「え?俺も~?」

 

「マキマもよく知っとると思うがワシは天才だからのぉ~天才は考えて行動などしないわ!」

 

「パワーちゃんは魔人になる前は血の悪魔で血を使った戦いが得意、ちゃんと強いんだから少しは冷静にならないとダメだよ?」

 

「そういえばワシ、さっき悪魔を殺してなかったかもしれん……殺したのはこの人間じゃあ!こやつが悪魔と戦っている間ワシはずっとベンチに座ってぬいぐるみを縫っておったわ!」

 

「コワ~!?さっきパトロールしてるとき何も持ってなかったじゃねぇかよ!マキマさん!この悪魔ん嘘ついてオレに罪なすりつけようとしてますぜ!」

 

「2人とも一旦落ち着いて私の話を聞いて「悪魔は嘘つけない!嘘をつくのは人間だけじゃ!さっさと罪を認めて出頭せんか!そして捕まった奴は……全員死刑になるんじゃあ!ウヌは知っておるか!?」

 

「バカだなテメエはよお!!逮捕されたら全員死刑なわけねぇだろ!1回義務教育受けてこいよ!まぁオレは受けてねぇけどなァ!!」

 

 

……ぐすん。

 

 

「―――アッ!?な、泣かないでくださいよマキマさん!オレ達は黙って聞きますから!なあ!?」

 

「そ、そうじゃな!?だから泣きやんどくれ!」

 

 

私は涙を拭い、中断されていた話を再開させた……無視されるの辛いんだもん。だから泣いちゃうのも仕方ないよね。

 

そう、仕方ないかな。

 

 

 

 

 

「―――お疲れ様ですマキマさん」

 

「早川君、いつも送迎ありがとね」

 

 

あれから数日後、今日は定期的に行われる公安上層部との会議があり今はそれを終えて早川君の運転する車に乗り込んだ所だ。各国の政治的動向はもちろんソ連が悪魔を軍事利用しているという噂……そこに関しては私自身も悪魔として国に利用されてるようなものだし他人事ではないかな?ただ私は内閣官房長官直属のデビルハンターではあるけれど、総理大臣などといった国のお偉い様達と誰一人契約は結んでいない。わざわざ支配の悪魔の私が公安に所属した理由は一つ、行方不明だったチェンソーマンを探し出すためには都合が良く便利だったから。ファン活動の為には面倒な会議だって余裕で我慢できるよ。

 

早川君が買ってくれたコーヒーを受け取ったとき、その表情を見て口には出さずども彼が何か言いたげなのは容易に分かった。

 

 

「デンジ君を私が上にどう報告したか気になるって顔してるね」

 

「……何て言ったんです?」

 

「面白い人、向こうは犬扱いしてくるけど私は頑なに人という表現を変えなかったよ」

 

 

キミの仕事は犬を育て使う事とか言っちゃってさ、チェンソーマンの偉大さを知らない無知っぷりには心底腹が立つね。いくらデンジ君がチェンソーマンとしてまだ新米とはいえ、心臓には地獄のヒーローご本人様がいるんだよ??正直あのジジイを支配して「チェンソー様最高!」ってその場で躍らせたい気分かな。

 

その姿を想像して思わず口角を釣り上げニヤニヤしていると、バックミラーで早川君が私を見て引いていた。

 

 

「どうしてそんなに期待するんですか、デンジは不快なだけで面白くないですよ」

 

 

納得いかないと言わんばかりに顔をしかめる早川君、まぁそろそろかな……彼にもチェンソーマンの凄さを理解してもらうときが来たんだね?今から私が話す内容を聞けばもう一発でチェンソーマンファンになっちゃうよ。

 

 

「全ての悪魔は名前を持って生まれてくるその名前が恐れられてるものほど悪魔の自身の力が増すんだコーヒーは怖いイメージ全くないからコーヒーの悪魔がいたら弱いだろうねでも車の悪魔がいたらどうだろうタイヤに轢かれて死ぬイメージがあるから強いかもデンジ君はチェンソーの悪魔になれる」

 

 

興奮のあまり喋る口が止まらなかったよ、でもこれで間違いなく凄さを理解したよね?

 

 

 

「めっちゃ早口ですね……すみません、何て言ってるかよく聞き取れませんでした」

 

「―――早川君のバーカ!」

 

「えぇ……」

 

 

分からず屋な早川君は置いといて、私は会議が終わったらやると決めていたのがある。それは支配の力でデンジ君とパワーちゃんの様子を盗み見る事、どうやら彼女は少し前に外出許可を申請したらしくその際に彼も連れて行ったみたい……間違いなくパワーちゃんは隠していた企みを今日実行するだろうね。ゾンビの悪魔や筋肉の悪魔との戦いは問題点こそ山ほどある、それでもデンジ君は己の狂気で乗り切っていた。

 

私はデンジ君を守ると誓ったけど、そればかりでは成長できない。だから今回はデビルハンターとしての彼を見させてもらうよ、まぁ大丈夫だろうけど余程ピンチだったら助けに行けばいいしね?それじゃあカラスの目を通して2人の現状を……

 

 

「う、うっ……」

 

「馬鹿じゃが勘は良かったのぉ……」

 

 

頭をパワーちゃんの武器で強打されたデンジ君が気を失い、悪魔の住処であろう家の中にズルズルと運ばれていく……えっ?

 

 

「―――早川君!大ピンチだよ!?」

 

「……はい?何がですか?」

 

「これは上司命令です!今すぐ車をすっ飛ばしなさい!」

 

 

運転している早川君の肩を後ろから思いっきり揺さぶりながら急かして。

 

 

「早く!本当にこのままだとまずいよ!」

 

「とりあえず緊急事態なのは分かりましたよ……ただ運転中に揺らすのは普通に危ないんでやめてくれません!?」




この作品でのアキ君は基本マキマさんに振り回されてる苦労人ですが、支配されてないので原作よりは平和ですね。

幸せになってくれ…(雪合戦のトラウマ)
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